院長インタビュー

“信頼”を大切に、総合病院の強みを活かして地域医療に貢献する千葉医療センター

 “信頼”を大切に、総合病院の強みを活かして地域医療に貢献する千葉医療センター
斎藤 幸雄 先生

千葉医療センター 院長

斎藤 幸雄 先生

目次
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独立行政法人国立病院機構 千葉医療センター(以下、千葉医療センター)は、“信頼される医療を築く(Building trust)”という理念にもとづき、高齢の方でも受けやすいがん治療や、救命救急の提供など、多方面から地域医療に貢献している急性期機能を備えた総合病院です。

今回は、同院の特徴的な診療体制や診療科の特色について、院長の斎藤 幸雄(さいとう ゆきお)先生にお話を伺いました。

千葉医療センターの外観
千葉医療センターの外観

当院は、1908年に千葉衛戌(ちばえいじゅ)()病院として創設された歴史ある総合病院です。その伝統を守りながら、現在、千葉大学をはじめとした千葉市地域内の病院と連携して地域医療に貢献しています。病院の基盤となる外科と内科に力点を置いた診療体制で、地域の皆さんに日常的に必要とされる“当たり前のことができる医療”を提供する病院を目指しています。

当院は、各診療科がそろう総合病院の特徴を生かした、高齢の方でも受けやすいがん治療の提供を強みとしています。たとえば、高齢のがん患者さんの合併症対策や、手術後のリハビリテーションに対応しています。また、看護師やソーシャルワーカーが対応する“がん相談支援センター”があり、がんに関するご相談を受け付けています(予約制)。2008年度には、千葉保健医療圏(千葉市)を担当する地域がん診療連携拠点病院に指定されました。

千葉医療センターのリニアック室
千葉医療センターのリニアック室

当院は、二次救急を受け入れる病院として、千葉市地域の急性期医療を担っています。救急医療のさらなる強化を目指し、内科、外科の各診療科で救急疾患に対応可能な体制を整え、患者さんの救急搬送を受け入れています(2019年7月時点)。

2015年には、千葉県における地域災害拠点病院に指定されました。地域災害拠点病院とは、災害時に多発する傷病患者さんの救命医療を行う診療機能を備え、24時間対応可能な救急体制を確保した病院を指します。さらに当院は、災害や事故の現場に直接赴いて診療することができる専門的な医療チームDMATを有し、災害時に派遣できる体制を整えたDMAT指定医療機関でもあります。

当院の整形外科には、脊椎外科(脊椎脊髄外科)を専門とする医師4名、関節外科を専門とする医師2名が在籍しています(2019年7月時点)。二次救急を担う病院として救急外傷も受け入れており、交通事故や高齢の方の転倒に伴う骨折などに対する外傷手術も行っています。

千葉医療センターの手術室
千葉医療センターの手術室

呼吸器内科では、肺がんや気管支喘息肺気腫など、多岐にわたる呼吸器疾患の診療を行っています。近年増加傾向にある深在性真菌症(真菌による感染が内臓など体内の臓器にまで及ぶ病気)による呼吸器疾患などにも対応できるよう、日本呼吸器学会呼吸器専門医3名を含む計7名の医師が在籍し、診療体制を整えています(2019年7月時点)。

消化器内科では、肝臓、胆嚢と胆管、膵臓の病気を中心に、あらゆる消化器疾患に対応しています。日本消化器内視鏡学会認定専門医を中心に、内視鏡検査を用いた胃がん大腸がんの早期発見に努めています。また肝臓がんを予防するためには、原因となりうるウイルス肝炎B型肝炎C型肝炎)の治療が非常に重要であると考え、かかりつけ医と連携し、積極的に治療にあたっています。

産婦人科は、産科と婦人科の部門に分かれています。産科では、18名の助産師を中心に医師や栄養士などが連携し、妊娠から産後までトータルサポートできる体制を整えています(2019年7月時点)。また、27の診療科を備える総合病院として、合併症を持つ方でも安心して分娩に臨んでいただける環境づくりに努めています。婦人科では、日本産婦人科学会専門医が6名在籍し、子宮がん子宮筋腫などの腫瘍疾患に加え、子宮脱尿失禁といった骨盤底疾患に積極的に対応しています。

千葉医療センターのエントランス
千葉医療センターのエントランス

当院は千葉駅に近く、電車やバスなどの公共交通機関で非常にアクセスしやすい場所に位置しています。このような立地である根底には、千葉市内から訪れる患者さん、特に高齢の方々にとって通いやすく親しみやすい病院でありたいという思いがあります。

当院では、一般向けの市民健康セミナーや肝臓病教室、医療関係者向けの研修会などを定期的に行っています。このようなセミナーを通して、地域の皆さんの病気の予防や、病気になった際にも、より健康な生活に近づける手助けになることを目指しています。

当院は、医師の臨床研修病院(基幹型)として、研修医を受け入れています。初期研修医だけでなく、内科専門医、外科専門医を目指している方を対象に、千葉大学などと連携して専攻医も受け入れており、頻繁に遭遇する病気はもちろん、救急搬送の初期対応などの研修も行っています。このような取り組みによって、医師の教育、ひいては日本の医療に貢献したいという思いがあります。

当院は、看護師の教育研修制度を設けています。1年間で必要な基礎看護技術などを身に付ける新人年間教育研修、国立病院機構の病院に勤務する看護職員に必要な能力開発を支援する能力開発プログラムなど、職員一人ひとりを尊重し、目標を持って働くことができるよう支援しています。

斎藤先生

当院の理念である“信頼される医療を築く(Building trust)”は、医師としてのミッションそのものだと考えています。『ヒポクラテスの誓い(医学の祖、ヒポクラテスによって書かれた医師の職業倫理に関する宣誓文)』にあるように、医師とは職業だからこそ、“医師とはこうあるべきだ”という考え方(職業倫理)が生まれます。その職業倫理を守ることで患者さんの信頼を積み重ねていくことが、医療にとって非常に大事です。知識や技術を身につけることは当然のことながら、患者さんに信頼される医師、人物となるために何をすればよいかを常に考え、努力できる医療人となってください。

当院は、急性期医療を担う総合病院として、地域の皆さんの身近にあり、安心して治療を受けていただける病院を目指しています。発足から75周年を迎えた現在でも、“信頼される医療を築く(Building Trust)”という伝統的な理念を忘れずに、皆さんに日常的に必要とされる“当たり前のことができる医療”に力をいれています。これからも私たちは、高齢の皆さんを含めた地域の方々に安心して通っていただけるように、よりいっそう信頼される病院となるよう努力していく所存です。

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