院長インタビュー

“健都”と共に飛躍する地域の中核病院・市立吹田市民病院

“健都”と共に飛躍する地域の中核病院・市立吹田市民病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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大阪府吹田市と摂津市にまたがる“北大阪健康医療都市(健都)”は、“健康・医療”をコンセプトとした街づくりを進めています。その中央に位置する市立吹田市民病院は隣接する国立循環器病研究センターと共に“健都”を構成する2大医療機関であり、急性期医療を担う地域の中核病院です。同院の病院長である内藤(ないとう) 雅文(まさふみ)先生に病院の特徴や院長の思いを伺いました。

“健都”はJR京都線“岸辺駅”の駅前に展開する複合医療産業拠点で、当院は2018年に “岸辺駅”より徒歩約5分の好立地に新築移転しました。 

当院のすぐ隣にある、日本の循環器医療を牽引する国立循環器病研究センターとも密接に連携しつつ、近隣の大阪大学医学部附属病院、済生会千里病院、済生会吹田病院、吹田徳洲会病院、協和会病院等と助け合い、地域の患者さんを診させていただいています。

当院が属す豊能医療圏は箕面市、豊中市、吹田市、池田市、豊能町、能勢町で構成され、特に、吹田市は人口増加地域として知られマンションなどが増えファミリー層が増加しており、当然医療ニーズも増えています。そのニーズに応えるため、当院は29の診療科を設置しています。

また当院は地域の中核的な病院として2次救急医療を担う役割を担っており、2023年度は4,000人を越える救急搬送患者を受け入れました。

当院の強みは、全ての診療科でバランス良く質の高い医療を提供できることです。赤ちゃんからご高齢の方まで多くの方が住むこの地域において、全ての科が一定の高いレベルを持って医療ニーズにお応えすることは市民病院として非常に重要なことであり、今後も引き続きこのような医療を提供していけるよう努力していきます。

なお、“健都”を構成する2大医療機関である当院と国立循環器病研究センターは、循環器疾患と脳血管疾患は同センターで診ていただき、ほかの病気は当院で診させていただくという棲み分けをしています。例えば当院に入院している患者さんに重篤な心疾患が発症した場合は、すぐに隣の国立循環器病研究センターに対応を依頼することができます。国立循環器病研究センターとは定期的に連携会議を行っており、互いの患者さんで合併症を持っている方の治療をよりスムーズに行えるよう、これまで以上に連携を強化しているところです。

現在、当院で力を入れている分野には、内科・外科を中心としたがん治療、そして整形外科の外傷骨折治療と人工関節置換術があります。

がんの治療では、当院は大阪府がん診療拠点病院に指定されており、手術療法、放射線療法、化学療法というがん治療の3本柱による治療を提供しています。手術においては手術支援ロボットであるダヴィンチを導入しており、肺がん大腸がん前立腺がん腎臓がん膀胱がんの手術を積極的に行っています。放射線療法では高エネルギーの放射線を照射できるリニアックを用いた治療を行っています。外来による化学療法も行っており、これらを組み合わせた集学的療法を当院内で行えることは、当院の大きな強みだと考えています。

人工関節置換術では患者さん一人ひとりに合わせ精密に作られた人工関節を使い、低侵襲(体への負担が少ない)な手術を行っており、北摂地域屈指の症例数になっています。

当院は“市立吹田市民病院地域連携ネットワークシステム”にて、当院の電子カルテ情報をインターネット上で地域のかかりつけの先生にご覧いただけるようにしています。このような方法の共有を進めることで、地域全体の医療機関が協力して質の高い医療を提供できるようになります。また、当院では各診療科の部長が地域のかかりつけの先生方を訪れ、当院の治療内容を紹介する活動を熱心に行っています。これによってかかりつけの先生からの紹介が増え、また患者さんを逆紹介する際により密な情報共有ができるようになりました。これらの動きを今後もっと加速させ、地域の患者さんが安心して暮らせるように努力していきます。

当院では、1階のエントランスホールを使ってクラシック音楽の院内コンサートを開催したり、吹田市立博物館の企画展の内容を博物館に行かずとも楽しめるよう院内で展示や学芸員による解説を行ったりした経験があります。コロナ禍で開催が困難でしたが、当院に入院されている方にも楽しんでいただけるよう、今後もさまざまな企画を行っていく予定です。

当院では“やさしい病院を作る委員会”を作って積極的に活動しています。委員会が行っている“あいさつ運動”では院長自ら“あいさつ運動中”というたすきを掛けて院内を巡回し、院内の各部門のあいさつ運動への取り組みを点数化し、お互いを称え合う活動をしました。また、素晴らしい評価を受けた職員を表彰したこともあります。

内藤先生

当院の理念は“市民とともに心ある医療を”です。これを実現するためには、職員が明るくいきいきと働ける病院になる必要があります。そこで私は週一回、看護局長(ホスピタリティ担当の副院長)と事務局長とともに院内を巡回し、職員の皆さんに声がけをしています。これを通じて各部門の業務内容や困っていることなどが耳に入ってきますので、迅速に対応策を打つことができ、風通しのよい職場環境づくりに役立っていると考えています。

また、私からのビデオメッセージ(3~4分)を定期的に職員全員へ発信することも行っています。これにより全員の目線を揃え、“市民とともに心ある医療”の実現に近付けたいと思っています。

今後も地域の皆さんに高いレベルの医療を提供していきます。お困りのことがあれば、ぜひ当院を頼ってください。

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