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妊婦の頭痛:医師が考える原因と対処法|症状辞典

妊婦の頭痛

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 1週間に500g以上の急激な体重増加があり、強いむくみ、尿が出にくい、血圧が高いなどの症状がある
  • 今まで感じた事がないような激しい頭痛がある
  • 吐き気、手足の動かしにくさ、しびれなどがある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 微熱など、風邪のような症状がある
  • つわりのために思うように水分が取れていない

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部【監修】

妊婦の多くが頭痛を経験しているといわれています。頭痛は身近な症状です。しかし、妊娠中に起こる頭痛の原因の中には注意が必要なものもあるため、軽く考えるべきではありません。

  • 最近になって何度か頭痛があり、立ちくらみもするようになった
  • 妊娠前も頭痛に悩まされていたが、妊娠してから頻度が増した気がする
  • 頭痛のほかに肩こりと腰痛もひどく、毎日体がつらい

こういった場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

妊婦の頭痛は、妊娠に伴う体の変化による頭痛妊娠に直接関連しない頭痛に大きく分けられます。

妊娠に伴い、体にさまざまな変化が現れ、その結果として頭痛が起こる場合があります。主な原因には以下のようなものがあります。

脱水症

脱水症とは、体の中の水分が不足した状態を指します。妊娠初期にはつわりを経験することが多いですが、嘔吐を繰り返すことや飲食物の摂取が難しい場合に脱水症になることがあります。

脱水症の主な症状は、軽度の場合には口の乾きや乏尿(ぼうにょう)などです。重症化して体内の水分の多くが失われると頭痛や吐き気、ふるえ、筋肉のけいれんなどがみられ、最重症になるとショックや意識障害を起こすこともあります。

貧血

貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が減少した状態です。妊娠中は、妊娠の経過とともに体の血液量が増加し、赤血球やヘモグロビンなどの割合が低くなることで、貧血が起こるようになります。無症状のことも多いですが、頭痛や肩こり、動悸、倦怠感(けんたいかん)や顔色不良、立ちくらみなどの症状が現れる場合もあります。

妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週から分娩後12週までに高血圧がみられる状態を指します。以前は妊娠中毒症と呼ばれており、妊婦のおよそ20人に1人の割合で起こるとされています。

無症状のこともありますが、持続的な頭痛や耳鳴り、ほてりなどの症状が生じることがあるほか、重症化するとけいれんや全身浮腫などが起こる場合もあります。妊娠中の高血圧は、妊婦も胎児も危険な状態になる場合もあるため注意が必要です。

ホルモンバランスの変化

女性の体にとって大切なホルモンに、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。この2つのホルモンのバランスは妊娠に伴って変化し、頭痛倦怠感(けんたいかん)、むくみといった体の症状や、抑うつなどの心の症状が現れる場合があります。

頭痛妊娠が関連しているとは限らず、妊娠に直接関連しない場合もあります。代表的な原因としては、以下のようなものがあります。

かぜ

かぜとは、上気道にウイルスが感染することで起こる病気を指します。発症すると発熱や鼻水、鼻づまり、喉の痛み、頭痛や咳、(たん)などの症状が現れます。

片頭痛

主にこめかみ辺りにズキズキ、ガンガンと脈打つような痛みが生じる頭痛片頭痛といいます。痛みは4~72時間ほど持続し、多くは頭の片側に現れます。

突発的に頭痛が起こることもありますが、片頭痛が起こる前に目の前がチカチカしたり吐き気がしたりするなど、前兆が現れるケースもあります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とはストレスなどによって慢性的に起こる頭痛を指します。締めつけられるような痛みが特徴で、主に後頭部を中心として側頭部から首にかけて痛みが現れます。

脳卒中

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりする病気です。大きく脳出血脳梗塞くも膜下出血に分類され、いずれも頭痛が症状のひとつに挙げられますが、くも膜下出血では激烈な痛みが現れるのが特徴です。

頭痛以外の主な症状として、半身の麻痺(まひ)・しびれ、ろれつが回らない、歩けない、ものが2つに見える(複視)などがあります。症状が頭痛だけのこともあれば、複数同時に現れることもあります。

妊娠中の頭痛にはさまざまな病気が関係し、中には放置すると妊婦・胎児ともに危険な状態になることもあります。

頭痛以外にも症状がある場合、頭痛の程度が強い場合には早めに受診するようにしましょう。症状が頭痛のみで程度が弱い場合でも、長く続いていれば病院で検査を受けたほうがよいでしょう。

頭痛に適した診療科は脳神経外科ですが、妊娠中の頭痛妊娠に関連して起こることも多いため、まずはかかりつけの内科または産婦人科を受診するとよいでしょう。

受診時には、妊娠しているということはもちろん、頭痛が出始めた時期や痛む場所、頻度、痛み方、ほかの症状など、できる限り詳しく医師に伝えるようにしましょう。

妊娠中における頭痛は、悪い姿勢やストレスなど日常生活が原因で起こる場合もあります。

妊娠中には、さまざまな体の変化によって姿勢が悪くなったり、肩こりが起こりやすくなったりします。不自然な姿勢をとると首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで肩こりが起こりますが、肩こりに伴って頭痛が生じることも多くあります。

姿勢や肩こりが原因かなと思ったら

まずは正しい姿勢を意識しましょう。肩こりに対しては、手をおろした状態で肩を上げ下げする、肩を回すなどのストレッチによって血流がよくなると改善される場合があります。無理のない範囲で行ってみましょう。

ストレスや疲労が続くと、自律神経が乱れて頭痛が起こりやすくなります。頭痛のほかにも肩こりを助長したり、不安や情緒不安定などの精神症状が現れたりする場合もあります。

ストレスや疲労を感じたら

趣味や好きなことを行う、軽い運動をするなどしてストレス発散に取り組みましょう。悩みなどを身近な人に聞いてもらうこともストレス発散に効果が期待できます。

また、十分な休息や良質な睡眠をとることも大切です。就寝前に軽いストレッチを行う、心地よく眠れる環境をつくる、自分の体にあった寝具を使うなどして、良質な睡眠を確保できるよう対策をとってみましょう。

妊娠中の頭痛は日常生活上の原因でもよく起こりますが、原因が日常生活にあると思っていても、意外な病気が原因になっている可能性も考えられます。上で挙げたような対策をとっても改善されない場合には一度、病院への受診を検討しましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。