がんポータルサイトはこちら
編集部記事

舌がんの初期症状~セルフチェックの方法とは? ~

舌がんの初期症状~セルフチェックの方法とは? ~
桐田 忠昭 先生

奈良県立医科大学 口腔外科 教授

桐田 忠昭 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

舌がんとは口腔(こうくう)んの一種で、主に舌の前方2/3の部分に生じたがんのことです。口腔がんの中でもっとも頻度が高いのが舌がんです。治療は主に手術、放射線治療、化学療法があり、第一に手術が行われることが一般的です。手術は、初期の段階であれば小さい範囲の切除で済み、術後の機能障害も少ないといわれています。このことからも、早期発見・治療が重要です。

では、初期の段階ではどのような症状が出るのでしょうか。このページでは、舌がんの初期症状や受診の目安、セルフチェックの方法、舌がんになりやすい人の特徴などについてご紹介します。

舌がんは初期段階では痛みなどのはっきりとした症状がでにくいため、異常に気付かないこともあります。また、痛みや出血のような明らかな症状が現れない場合もあります。しかし、舌は鏡を使えば自分で観察することができ、指で触ることのできる部位です。そのため、ほかのがんと比較すると早期発見・治療に結びつきやすいがんともいえます。

鏡などを使って定期的にチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。受診する診療科は歯科や口腔外科、あるいは耳鼻咽喉科(じびいんこうか)が望ましいでしょう。

  • 2週間以上治らない口内炎潰瘍(かいよう)(ただれ)がある
  • 舌や口の中の粘膜の色が白く変色している(白板症
  • 舌が赤く変色し、ただれている(紅板症)
  • 舌の表面がザラザラしている
  • 舌にしこりがある

など

舌がんの多くは舌の中央や先端ではなく、舌の両脇部分に生じます。また、舌の裏側など普段なかなか目にしない場所に生じることもあります。そのため、セルフチェックを行う際は舌全体を観察し、特に側面や裏側を重点的に観察するようにしましょう。

進行した舌がんの場合、舌に痛みや出血などの症状が現れることがあります。また、しこりが外向きに大きくなる場合や、潰瘍を作ることもあります。これに伴い、言葉を話しづらくなったり、食べ物を食べづらくなったり、口が開きにくくなったりする方もいます。また、口臭が気になるようになる方もいます。このほか、がん頸部(けいぶ)のリンパ節に転移するとあごの下や首のリンパ節が腫れることもあります。

舌がんの発症リスクを高める要因として、喫煙や飲酒など生活習慣による口腔内の慢性的な刺激が挙げられます。そのほか、口の中が不衛生な方、虫歯のある方、合わない詰め物や入れ歯をしている方なども口腔内に慢性的な刺激が加わりやすく、舌がんになりやすいと考えられます。これらに当てはまる方は小まめに舌のセルフチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。

舌がんを予防するためには、禁煙や飲酒量を控えることを意識しましょう。また、歯科の受診をきっかけに舌がんが発見されることもあります。口の中の衛生面の改善、虫歯や合わない詰め物・入れ歯を放置しないためにも、定期的に歯科を受診し口腔内の健康を保つことを心がけるとよいでしょう。

舌は比較的セルフチェックが行いやすい部位であり、異常に気付きやすいといえます。そのため、舌がんの初期症状を見逃さないように定期的にセルフチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。

また、特に症状がない方も歯科の定期検診などを受診し、口腔内のチェックやメンテナンスを受けるとよいでしょう。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が10件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「舌がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。