2015年11月7日土曜日に、新横浜プリンスホテルで「第9回レビー小体型認知症研究会」が開催されました。今回は12月にフロリダで開催される「国際レビー小体型認知症カンファレンス」を目前に控え、シンポジウムのテーマも「International DLB Conference(Florida)に向けて」と題されました。また、同日の午前の部として全国交流会が開催された「レビー小体型認知症サポートネットワーク(DLBSN)」からは、東京エリア代表の長澤かほる氏がランチョンセミナーに登壇されました。この記事ではその研究会の様子をご紹介します。
午前中に行われたDLBSN全国交流会の後、12時からDLB研究会会員のみで行われた総会が終了すると、再び一般参加者を会場に迎えてランチョンセミナーが開催されました。
演者の長澤かほる氏はDLBSN東京の代表であり、実父がDLBに罹患していたという経験をお持ちです。一般の方にも分かりやすいスライドを交えたプレゼンテーションで、DLBと診断された当事者とご家族の心境に始まり、介護認定審査会でもDLBを拾い上げる適切な仕組みがないといった問題、さらには専門職の間でも認知度にばらつきがある現実などが次々に紹介されていきました。
ランチョンセミナーに続くシンポジウムは、小阪憲司先生(クリニック医庵センター南)が口火を切る形でスタートしました。
演題1は「国際DBLカンファレンス(フロリダ)の概要とレビー小体病の歴史」と題して、2015年12月1日から4日間にわたって行われるカンファレンスのスケジュールや内容などが示されるとともに、小阪先生ならではの見解を交えてレビー小体病の歴史が語られました。
次に演題2として「アジアのDLBリサーチおよびREM sleep without atoniaとレビー小体病の関係について」をテーマに藤城弘樹先生(名古屋大学大学院医学系研究科睡眠医学)からのお話がありました。藤城先生は国際DLBカンファレンスでも4日目の最終日に発表をされることになっています。
続く演題3「DLBのMIBG心筋シンチグラフィをめぐって」では、高橋真先生(関東中央病院)からMIBGシンチグラフィの施設間におけるばらつきの標準化などについてのお話があり、質疑応答でも活発な応酬がみられました。
このあと、小休止をはさんで再開されたシンポジウム後半では、まず演題4「レビー小体型認知症の早期診断における123I-CIT SPECTの有用性」と題して、井関栄三先生(順天堂東京江東高齢者医療センター)からのお話があり、続いて池田学先生(熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野)からシンポジウム最後の演題「DLBのアリセプト治療をめぐって」が発表される頃には、白熱した質疑応答のため予定時間よりかなり押し気味の進行となりました。
最後の総合討論でも活発な議論は尽きることなく、惜しくも時間切れとなってしまいましたが、各領域を代表するトップクラスの医師たちが小阪先生の下で一堂に会し、真剣に意見を戦わせる熱量の高さが、このレビー小体型認知症研究会の真骨頂といえるのではないでしょうか。
医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南 理事長・院長、横浜市立大学医学部 臨床教授
医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南 理事長・院長、横浜市立大学医学部 臨床教授
日本精神神経学会 精神科専門医・精神科指導医
1996年横浜市立大学医学部卒業。2004年横浜市立大学大学院博士課程(精神医学専攻)修了。大学院在学中に東京都精神医学総合研究所(現東京都医学総合研究所)で神経病理学の研究を行い、2004年より2年間、米国ジャクソンビルのメイヨークリニックに研究留学。2006年医療法人積愛会 横浜舞岡病院を経て、2008年横浜南共済病院神経科部長に就任。2011年湘南いなほクリニック院長を経て、2022年4月より現職。湘南いなほクリニック在籍中は認知症の人の在宅医療を推進。日本認知症予防学会 神奈川県支部支部長、湘南健康大学代表、N-Pネットワーク研究会代表世話人、SHIGETAハウスプロジェクト副代表、一般社団法人日本音楽医療福祉協会副理事長、レビー小体型認知症研究会事務局長などを通じて、認知症に関する啓発活動・地域コミュニティの活性化に取り組んでいる。
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祖母の幻視について
1年程前から祖母に幻視が現れるようになりました。初めは草木が猫等の動物に見え、家族の誰かが確認しいないことを伝えると「そう、おかしいね」と言ってそれ以上は何も言わなかったのですが、一か月後には道路のポールが人間に見えるようになり、二か月後には一人だったものが複数人見えるようになりました。そのころから妄想のようなことも言うようになり家族に話して否定されるとむきになって正しいと言い張るようになりました。(例:本人は自宅にいるのに向かいの家の人の動きが見える、近視なのにめがねもかけずはっきりと100m先の物が見える、車の中で誰かが生活し子供が学校に行っている等)半年後には”隣人宅に誰かが侵入している”と隣家に電話をしたり、100m先にたい焼きが売っているからと買いに行き実際に行ったらなくなっていた、また自宅から200mほど離れた家で夜な夜な集会をやっているのはなぜか、などデイサービス(週2回)で職員さんや近所の方に話すなどし、周囲からちょっと最近おかしいのでは?と近所の方が教えてくださったこともあります。そして先月から幻視の人々が自宅の庭に現れるようになり寝泊りしており祖母にだんだん近くなってきているようで本人は怖がっています。また最近は被害を受けることが多くなり庭でいたずらをされているようです。見えるのは日中、本人が自宅に居る時のみで出先では見えません。またこの話をするときの祖母は人が変わったかのようです。 初めは目に問題があるのかと思い眼科に連れていきましたが年相応で特に異常なしだった為、内科で認知症のテスト(年相応で異常なし)とパッチを試しましたが効果なしでした。またMRIで小さな動脈瘤が見つかりましたが特に異常はなさそうとのことでした。 以上のことを踏まえて物忘れ外来に通っていますが精神科の先生曰く、認知症でも精神病でもまたレビー小体型認知症でもなさそうでわからない、と言われました。 今は精神科の先生のご指示通り祖母の話を否定も肯定もせず話題を変えて意識をそらし安心してもらうようにしていますが、本人は不安で怖い思いをしたままですし祖母の近くに住む母もどうしたらよいかわからずかなりストレスが溜まっており心配です。考えられる病気はありますでしょうか。また、何科を受診したらよいか等アドバイスを頂けたらと思います。 宜しくお願いします。
突然のボケ
今日夕方、実家の弟から母が出先で急に訳が分からなくなり帰れなくなり先方から電話があった。 話の途中で急にわからなくなり、誰と話しているか、自分がどこにいるかもわからなくなったようです。 私が県外で暮らしている事も忘れているとの事です。現在も状態変わらず。 以前、転んで頭を打った際にかかった病院に電話すると検査が明後日、診断は来週の予約しか取れないと言われたそうですが、すぐに病院に行かなくても良いのでしょうか?
認知症の薬について
認知症の薬についてお伺い致します。 検査等せずとも、親族の話を聞いただけで認知症の薬(アルツハイマー型➕レビーの混合型)を出すものなのでしょうか? 教えて下さい。
どんどん症状が悪化
認知症の症状がどんどん悪化していて心配です。治りますか?
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