
咽頭がんは空気や飲食物の通り道となる“咽頭”にできるがんで、部位によって上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんの三つに分けられます。咽頭の多くは目に見えない位置にあるため、咽頭がんを発見するには医療機関で検査を受けることが重要です。
それでは、咽頭がんの検査はどのような症状をきっかけに行われるのでしょうか。また、咽頭がんの検査は、どのようなものがあるのでしょうか。
咽頭がんの初期症状は通常目立った症状がなく、症状があっても風邪や中耳炎と間違われる場合もあるといわれています。そのため、咽頭がんの検査が行われるタイミングは風邪や中耳炎を疑って治療を始めてもなかなか症状が改善しなかったり、何度も症状を繰り返したりすることがきっかけになる場合もあるとされています。なお、咽頭がんの検査は以下のような咽頭がんが疑われる症状がある場合に医師の判断のもとで行われます。
首のしこり
鼻づまり、鼻血、血の混じった鼻水、耳閉感(耳がふさがったような感覚)、耳の聞こえにくさ、視覚異常(目が見えにくくなる、物が二重に見える)など
のどの異物感、のどの痛み、のどの出血、飲み込む際の違和感(しみる感じ)、声の変化など
のどの痛み、食事の際に食べ物がつかえる、耳の痛み、声がかれる、息苦しさなど
咽頭がんが疑われる場合は、触診や内視鏡などを用いた視診によってのどの状態を観察したうえでがんが疑われる場合には生検やCT、MRIなどの精密検査を行います。
咽頭の様子を観察し、がんが疑われる部位がないかを調べます。
上咽頭がんの検査では鼻の奥を観察する後鼻鏡や耳の奥を観察する耳鏡、鼻の奥を観察する内視鏡が、中咽頭がんや下咽頭がんの検査では鼻やのどの奥を観察する内視鏡が用いられます。また、アルコールの多飲歴がある人は食道にがんを併発していることがあるため、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で食道の様子を調べることもあります。
咽頭がんは首のリンパ節に転移を起こしていることが多いため、首の周りを丁寧に触ってしこりの有無を確認します。
また、中咽頭がんは口の中から直接触れられる位置にできることがあるため、口の中に手を入れてしこりの有無を調べることもあります。
視診や触診でがんが疑われる部位が見つかった場合に、がんの確定診断を行うための検査です。
がんが疑われる部位の組織を少量採取して、顕微鏡で細胞の形や配列を観察します。組織を採取するときに、痛みや出血を伴うことがあります。
がんが疑われる場合の精密検査として行います。X線や磁気の力を利用して体の断面を撮影します。がんの深さや広がり方、他の臓器への転移の有無を調べるために重要な検査です。
首のリンパ節への転移の有無を調べるために行われる検査です。体の表面に超音波を当て、転移を疑うリンパ節がないかを調べます。
がんに集まる習性がある検査薬(ブドウ糖)を注射して全身に散らばったがん細胞の有無を調べます。予想外の部位への転移が明らかになることもありますが、集積が単に炎症だけで生じることもあるほか、通常は小さながんを発見することは不可能です。
がんがあると血液中に放出される物質を測ってがんの有無を調べる検査です。ただし、全ての患者さんに対してがんの有無を正確に反映する検査ではないため、ほかの検査の際に補助として行われることが一般的です。特に頭頸部に特異的な腫瘍マーカーは存在しません。
上記で述べたように、鼻やのど、食事のときの違和感、首周りのしこりなど、咽頭がんが疑われる症状がある場合は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診するようにしましょう。症状が長く続き、徐々に悪化する場合や市販薬を使っても改善しない場合は注意が必要です。
初期の咽頭がんでは違和感程度の症状しかない場合も少なくありません。痛みがないからといって安心せず、徐々に悪化する場合や強い痛み、出血、呼吸のしづらさがある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
初期の咽頭がんは自覚症状に乏しく、ある程度進行した状態で見つかることもあるといわれています。よりよい治療効果を得るためには早期の発見と治療が大切なので、気になる症状がある場合はなるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。
周辺で咽頭がんの実績がある医師
東京慈恵会医科大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師
東京慈恵会医科大学附属病院―“根治”と”機能温存”の両立を目指し、希少がんの治療に挑む
日本の医療を支える東京慈恵会医科大学附属病院による頭頸部がんをテーマにした特集です。
救急科、総合診療科、消化器内科、肝臓内科、脳神経内科、腎臓内科、リウマチ科、膠原病内科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科、腫瘍内科、血液内科、呼吸器内科、感染症内科、精神神経科、小児科、消化器外科、肝胆膵外科、乳腺外科、呼吸器外科、血管外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、心臓血管外科、婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、皮膚科、リハビリテーション科、歯科、脊椎脊髄外科、緩和ケア内科、産科、放射線科
東京都港区西新橋3丁目19-18
都営三田線「御成門」A5出口 徒歩3分、東京メトロ日比谷線「神谷町」3出口 徒歩7分、東京メトロ銀座線「虎ノ門」1番出口 徒歩10分
関連の医療相談が10件あります
一月ほど前から喉の違和感が続いています。
一ヶ月半ほど前から、右側耳の下辺りに違和感があり、ゲップをすると小骨が刺さった様な違和感があります。 耳鼻咽喉科を受診し、逆流症の疑いありとのことで薬を処方されていますが、痛みは治らず、三日ほど前から、右側舌の付け根が痛み始め、声のかすれや痰が絡む症状が出ています。 咽頭がんや舌癌が不安なので、精密検査を受けたいのですが、どの病院に行けば良いのでしょうか?
味覚障害について
昨年2月に扁桃腺摘出手術を受けて以来、味覚障害が続いています。具体的には塩味がほとんど感じられません。手術を受けた病院でも原因がわかりませんでした。本格的に治療したいと思っていますが何かいい治療方法や治療方針、おすすめの病院などはありますでしょうか?ちなみに亜鉛は2ヶ月程毎日サプリを飲んでます。また糖尿病・高血圧とIgA腎症の治療で服薬しております。
右脇腹、右側の背中、左脇腹の痛み
今年の1月に人間ドック受診後をし、胆嚢がん疑いで要精密検査となりました。 その後定期的にエコー検査をしており、先生からはおそらく大丈夫だと思うと言われていました。 しかし、6月ごろの検査後、数週間後から右脇腹に痛みが出てきたため、再度病院を受診しました。その際に腹部CTをしましたが特に異常はないとのことでした。 今月の6日にエコー検査をしたところ、胆石と9ミリほどのポリープがあるとのことでした。 先生がおっしゃるには胆石による痛みかもしれないということでしたが、最近左脇腹にも痛みが出てきており、胆嚢がんと膵臓がんではと心配しております。 画像などはなく分からないことが多いと思いますが、痛みの原因として考えられる病気はどのようなものがあるのでしょうか。
後鼻漏について
2ヶ月ほど前から、副鼻腔炎と言われて、後鼻漏に悩まされてきたんですが、今日の診断で上咽頭炎の可能性を言われました。炎症はそこまでひどくないとは思うんですが、Bスポット治療を行うべきでしょうか、それとも薬などで様子を見るべきでしょうか。食事の時にストレスで食べる量がかなり減ってしまっています。辛いとは聞くんですが、やる価値ありでしょうか?
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「咽頭がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします