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繰り返す発熱:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

繰り返す発熱

医療社団法人小磯診療所 理事長

磯崎 哲男 先生【監修】

発熱とは通常の体温よりも異常に体温が上昇している状態のことです。一般的には37.5℃以上が発熱といわれています。発熱はさまざまな原因によって非常によく見られる症状であるため、よほどの高熱でない限り軽く考えられがちな症状でもあります。しかし、発熱を定期的に繰り返す場合は、思いもよらない原因が背景にある可能性もあります。

  • いったん熱は下がるものの、数日おきに発熱を繰り返す
  • 日中は平熱だが、夜間になると熱が上がる
  • ストレスや緊張を感じると定期的に熱が上がる

これらの症状が見られる場合、原因としてどのようなことが考えられるでしょうか?

何度も繰り返す発熱は次のような病気によって引き起こされることがあります。具体的には感染症、がん自己免疫疾患などの病気が挙げられます。

細菌やウイルスへの感染が原因で発熱を引き起こすことがあります。感染による病気の中には、次のように発熱を繰り返すタイプのものもあります。

尿路感染症(腎盂腎炎など)

尿路感染症とは、おしっこの通り道(尿路)である腎臓、尿管、膀胱、尿道において、なんらかの原因で病原体が侵入し炎症を起こす病気です。

腎盂腎炎は膀胱や尿管に入り込んだ細菌が腎臓にまでおよび、炎症を引き起こす病気です。背中や側腹部の痛みとともに38℃以上の高熱を出すことが多く、重症化すると敗血症に移行して命に関わることも少なくありません。

腎盂腎炎では、熱の上昇と下降を数時間~数日おきに繰り返すことが多いとされています。そのほかにも、悪寒、倦怠感などの全身症状が現れることも多々あります。

腎盂腎炎
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多くのがんは、進行すると発熱を引き起こす物質が産生されるようになるため発熱を繰り返すようになります。特に、一日の中で平熱と発熱を繰り返す“間欠熱”を生じることが多く、なかには繰り返す発熱によってがんが発見されることも少なくありません。どのがんでも発熱は起こり得ますが、血液系のがんである白血病悪性リンパ腫などでは頻度が高いとされています。

がん
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白血病

血液中の細胞の1つである白血球ががん化する病気です。原因や経過によってさまざまなタイプがありますが、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を攻撃する白血球が正常にはたらかなくなることで発熱を繰り返しやすくなります。

また赤血球や血小板など、ほかの血液細胞に異常をきたすケースも多く、貧血や血が止まりにくいといった症状が現れることも少なくありません。

白血病
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悪性リンパ腫

血液中の細胞の1つであるリンパ球ががん化する病気です。発症すると首や(わき)の下、脚の付け根などのリンパ節が腫れ、痛みのないしこりが生じます。進行するとリンパ節の腫れが全身に広がっていくばかりでなく、夜間を中心として38℃以上の発熱を繰り返し、体重減少や寝汗などの症状が見られるようになります。

そのほかにも、かゆみを伴う発疹脊髄(せきずい)が圧迫されることによる麻痺など、さまざまな症状が引き起こされるのが特徴です。

悪性リンパ腫
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免疫に異常をきたす病気の中には次のように発熱を繰り返すものがあります。

関節リウマチ

免疫が異常にはたらくことにより、関節内の滑膜と呼ばれる組織に慢性的な炎症が生じる病気です。主に指の関節に発症し、痛みや腫れを引き起こします。進行すると関節の構造が破壊されて変形することも少なくありません。

また、微熱を繰り返したり、貧血、倦怠感などの症状が見られたりすることもあります。

関節リウマチ
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全身性エリテマトーデス

免疫が異常にはたらくことにより、関節、腎臓、皮膚、血管などに慢性的な炎症が生じる病気です。

症状の現れ方は人によって異なり、発熱や倦怠感とともに関節痛、両頬の皮疹、腎機能の低下などの症状を引き起こします。また、いったんよくなっても再発するのが特徴であり、発熱を繰り返すことがあります。

全身性エリテマトーデス
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発熱はよく見られる症状ですが、発熱を繰り返すときは上で挙げたような病気が原因の可能性があります。なかには命に関わるような病気が背景にあるケースもありますので決して看過することはできない症状の1つです。

特に、繰り返される発熱のほかにも倦怠感や関節痛など別の症状がある、数日おきに高熱が出る、貧血や出血症状、体重減少を伴う場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。

また、受診の際にはいつ頃から発熱を繰り返すようになったのか、発熱の頻度や継続期間はどれくらいか、発熱以外に症状はないか、持病はないかなどを医師に詳しく伝えるようにしましょう。発熱の記録をしておくと診療がスムーズになることがあります。

日常生活上の好ましくない習慣を改善しても発熱が繰り返されるときは思いもよらない原因がある可能性があります。軽く考えず、一度は医師の診察を受けるようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。