血痰:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

血痰

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 胸や背中を強くぶつけたなどのきっかけがある
  • 息が苦しく横になれない、胸・背中の痛みなどの症状がある
  • 真っ赤な痰が大量に出て止まらない

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 血痰が続いている
  • 咳、体重減少、微熱がある
  • 周囲に結核にかかった人がいる

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 鼻血や歯茎からの出血など原因がわかっており、その後繰り返さない
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

血痰とは、肺や気管支からの出血により血が混じり、赤や茶色のように見える痰のことです。口や鼻からの出血が原因である場合は血痰ではありませんが、自分で見分けることが難しい場合もあるため注意が必要です。

  • 咳き込んだら痰が出て、血が混じっていた
  • ここのところ茶色っぽい痰が続いている
  • 赤っぽい痰に加えて、微熱が続いている

このような症状がみられた場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

血痰は、さまざまな病気を示す症状であることが知られています。

鼻や口からの出血がないにもかかわらず、痰に血が混じっていた場合には、医療機関への受診が必要です。どこからの出血かわからず、赤や茶色の痰が続く場合にも必ず受診しましょう。

血痰は上で述べたとおり肺や気管支からの出血のことをさします。その原因となる病気の多くは、肺・気管支に起こるものです。主なものには以下のような病気があります。

肺結核

空気感染によって感染する結核菌による感染症です。過去の病気と思われがちですが、現在でも高齢者の感染などが問題となっており、注意が必要です。

初期には風邪に似た症状が2週間以上にわたって続き、進行すると息苦しさや血痰、胸の痛みなどの症状が出るようになります。

肺アスペルギルス症

免疫力が低下している人や肺に病気を持っている人が、アスペルギルスと呼ばれるカビの一種を吸い込むことで発症します。

悪化すると、発熱や食欲不振、息苦しさ、血痰などの症状が出ることがあります。

肺がん

肺にある気管や気管支、肺胞の細胞から悪性腫瘍が生じる病気です。喫煙や大気汚染などによって発病のリスクが高まるとされています。

病気が進行すると風邪やぜんそくに似た症状が現れるようになり、咳や血痰、胸の痛み、喘鳴などが続きます。人によっては息切れや声がれ、発熱なども現れます。

梗塞(こうそく)

肺の動脈が、足などの静脈から飛んできた血の塊によって詰まる病気です。肺動脈が詰まると、右の心臓のはたらきが一気に低下して右心不全になります。

肺の血流が低下して全身が酸素不足に陥るため、呼吸困難や全身が酸素不足で赤黒くなるチアノーゼなどの症状が現れます。症状の程度や進行具合によっては突然死する場合もあります。

非結核性抗酸菌症

結核菌以外の抗酸菌と呼ばれる土や水などに存在する菌によって発症する肺の病気です。浴室や土を取り扱う場所に多くいる非結核性抗酸菌を吸い込んでから、数年以上かけて進行するのが特徴です。

初期症状はほとんどないため、健康診断の胸部X線検査を受けるまで気づかないケースも多くあります。人によっては、咳や痰、血痰のほか倦怠感や発熱、体重減少、寝汗などの症状が出る場合もあります。

気管支拡張症

鼻や口と肺をつないで空気を送る気管支が広がってしまう病気です。先天的な原因や、肺炎や感染症に繰り返し罹ることで発症します。繰り返す炎症によって気管支が拡張すると、やがて肺の機能も失われていきます。

気管支が拡張することで、咳や痰、血痰が生じるようになります。また、肺炎にかかりやすいといわれています。

呼吸器以外の病気でも、ときには血痰の原因となることがあります。

心不全

心臓のはたらきが低下して拍動が不規則になったり、心臓からの血流量が低下したりすることで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。急性心不全と慢性心不全がありますが、後者は心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧などが原因となります。

坂道を上ったり、重い荷物を持って運んだりすると息苦しさを感じやすくなります。悪化すると、仰向けで横になるときに咳が止まらなくなって息苦しくなったり、ぜんそくのような喘鳴が起きたりすることがあります。心不全が原因で出る血痰は、色が薄く泡立ったような痰で、量が多いとされています。

ティッシュペーパーが1枚赤く染まってしまうほど出血量が多い場合には、窒息する可能性があるため、時間を問わず医療機関を受診しましょう。また、少量でも血痰が続く場合や、日を追うごとに出血量や回数が増えるような場合にも、肺炎や肺結核などの可能性があるため速やかに診療を受けてください。

受診する場合には、まず呼吸器科を受診するのがよいでしょう。呼吸器が原因ではないとわかった場合は、耳鼻咽喉科や消化器科を紹介される場合もあります。

受診の際には、いつから血痰が続いているのかがまず大切です。血痰の量や回数も診断の大切な材料になります。症状のメモや、スマートフォンのカメラやデジカメなどによる血痰の写真を医師に見せるとスムーズに症状を伝えられます。