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白血病の症状と経過
白血病にはさまざまな種類がありますが、症状の経過から急性と慢性に大きく分けることができます。また、骨髄性なのかリンパ性なのかによっても違いがあります。白血病や悪性リンパ腫など「血液のがん」を専門...
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白血病の症状と経過

公開日 2016 年 04 月 23 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

白血病の症状と経過
園木 孝志 先生

和歌山県立大学医学部附属病院 血液内科学講座 教授

園木 孝志 先生

白血病にはさまざまな種類がありますが、症状の経過から急性と慢性に大きく分けることができます。また、骨髄性なのかリンパ性なのかによっても違いがあります。白血病や悪性リンパ腫など「血液のがん」を専門とされている和歌山県立大学医学部附属病院血液内科学講座教授の園木孝志先生に、白血病の種類ごとの症状と経過についてお話をうかがいました。

白血病の症状

白血病が進行すると、白血病細胞が異常に増殖することによって正常な血液細胞が圧迫され減少してしまいます。このことがさまざまな症状を引き起こします

たとえば、赤血球が減少すれば貧血症状を起こしますし、白血球が減少すれば細菌やウイルスなどに対する抵抗力が弱まって感染症が重症化しやすくなります。また、血液の凝固にかかわる血小板が減少すると出血しやすくなります。

急性白血病と慢性白血病の経過

急性白血病の場合は、ご自身で何かおかしいと感じ始めてから1ヶ月ほどでかなり進行してしまいます。この変化が急激であることが急性白血病と呼ばれる理由でもあります。

慢性白血病は検診で見つかることも少なくありません。血液検査の結果、たまたま白血球・赤血球・血小板などの数値に異常があったということから見つかることがあります。慢性白血病は進行が緩やかですが、慢性骨髄性白血病の場合には、2〜3年経つと必ず急性転化(これまで安定していた慢性骨髄性白血病が急に悪化し、だるさ・発熱・体重減少がおこり、血液検査の値も急性白血病のような状態になること)します。慢性リンパ性白血病は慢性骨髄性白血病よりもさらに進行が緩やかです。

慢性骨髄性白血病に対しては現在、有効な治療薬があります。2000年にチロシンキナーゼ阻害剤という薬剤が登場し、治療成績が非常に良くなりました。

症状の進行がゆるやかな慢性リンパ性白血病の中でも、特に慢性リンパ性白血病Bは良いものと悪いものに分かれています。良いほうであれば天寿を全うされる方もいますが、貧血になったり血小板が少なくなったり、あるいは慢性リンパ性白血病だったものが途中で高悪性度リンパ腫に形質転換すると、その後の経過は悪くなります。

しかし多くの場合、慢性リンパ性白血病は4〜5年かけてゆっくりと進行します。それに対して慢性骨髄性白血病は2〜3年放っておくと急性転化します。これは急性骨髄性白血病とは別の病態ですが、現れる症状としては急性骨髄性白血病とほぼ同じような症状です。

症状の進行が早い急性前骨髄球性白血病とは

急性骨髄性白血病で特殊なタイプのものとして、急性骨髄球性白血病(きゅうせいぜんこつずいせいはっけつびょう)というものがあります

格闘技のK-1などで活躍されたアンディ・フグ選手が命を落としたのがこの病気です。急性骨髄球性白血病は、非常に早く進行するという特徴があります。

なぜ急性骨髄球性白血病に「前」という字がつくかというと、血球分化の過程の中で前骨髄球というものがあり、急性骨髄球性白血病ではこの前骨髄球が増えているのです。

前骨髄球は骨髄の中にある細胞ですが、他の骨髄性白血病よりもさらに激しい出血症状を起こし、症状の進行が非常に早いという特徴があります。しかし、オールトランス型レチノイン酸(all- trans retinoic acid:ATRA)という薬剤が非常によく効きます。これは1990年代から上海医科大学のグループが使い始めて、またたく間に拡がりました。

ATRAの内服を開始すると、分化が抑制されていた白血病細胞が再び分化していきます。これを分化誘導療法といいます。いわば白血病細胞をもう一度元のレールに戻すことができるということになります。ただし、出血症状が激しいため、脳内出血などを起こしてしまうと予後が厳しくなります。したがって、急性前骨髄性白血病と診断がついたら直ちに入院していただき、速やかにATRAの内服を開始する必要があります。

白血病(園木孝志先生)の連載記事

白血病、悪性リンパ腫など「血液のがん」を専門とするエキスパート。和歌山県は人口あたりの血液内科専門医が少なく、血液疾患で困ったらどのような相談にでものる「敷居の低い診療科」を目指している。治療方針は患者の意思を尊重し、患者を最優先にした治療を行っている。

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