インタビュー

緑内障は自覚症状に乏しい?無自覚で未受診の方が9割ほど

緑内障は自覚症状に乏しい?無自覚で未受診の方が9割ほど
地場 達也 先生

独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 東京山手メディカルセンター 眼科部長

地場 達也 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2018年03月21日です。

緑内障は日本人の中途失明原因の第1位です。緑内障は、急性型を除けば一般的に自覚症状が少ないといわれています。そのため検診で初めて発見される場合も多く、早期発見が重要です。今回は、緑内障の自覚症状についてJCHO東京山手メディカルセンターの地場達也先生にお話を伺いました。

元気そうな老夫婦

日本緑内障学会による研究では、40歳以上の20人に1人、60歳以上の10人に1人の方が緑内障にかかっていることがわかっています。さらに、緑内障が発見された患者さんのうち無自覚で受診していない方は、正常眼圧緑内障で約95%、緑内障全体で約90%であることが明らかになっています。

緑内障は推定患者数が400万人ですが、未だ治療を受けていない緑内障患者さんが多数潜在していることが明らかになり、検診の重要性が示されています。

緑内障が中途失明原因の第1位になってしまう原因は、多くの場合が自覚症状に乏しく、発見が遅れるためといわれています。視野が欠ける、見えにくいなどの症状を自覚し受診したときは、すでに発症してから何年もの長期間が経過し失明に近い状態であることもあります。

また、日常生活では両眼で見ているため、片方の目の視野障害を反対の目が補います。さらに脳には、全容は明らかになっていませんが視野障害を補う特殊な機能があり、それらにより視野障害が後期になっていても気が付かない可能性があります。このことから、緑内障は厄介であり、注意するべき病気です。

緑内障の正確な診断は、視力や眼圧検査のみでは難しいため、眼底検査や可能なら病院で視野検査を受けることが必要です。早期発見のためには、少なくとも健診における眼底検査は必須と考えます。

  1. 視力検査
  2. 眼圧検査
  3. 眼底検査
  4. 視野検査
  5. 光干渉断層計(OCT)検査
  6. 隅角検査

網膜の断面像が撮影できる画像検査。緑内障で障害される網膜神経線維層の厚みも測定できる。

日本眼科医会研究班事業による調査で2008年の法改正により、それ以前の基本健診(基本健康診査)の時代より眼底検査を受ける機会は、激減しています。眼底検査を含む成人眼科検診を実施している自治体は少なく、また職場健診(健康診断)でも視力検査は含まれますが、眼底検査は必須ではありません。

早期発見が重要な緑内障にとって、眼科検診の重要性は計り知れません。現実的にはさまざまな制約があり、普及していないのが現況です。

緑内障は、発症していても自覚症状に乏しいことが最大の特徴です。早期発見し治療に取りかかることができれば失明を回避できることも多く、40歳を過ぎたら積極的に目の総合的な検査を受けることをお勧めします。詳しくは記事5『緑内障による失明予防には40歳からの定期的な検査が重要』ご覧ください。

受診について相談する
  • 独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 東京山手メディカルセンター 眼科部長

    地場 達也 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。
この記事は参考になりましたか?
記事内容の修正すべき点を報告
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。

なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。

    実績のある医師

    周辺で緑内障の実績がある医師

    医療法人社団済安堂 井上眼科病院グループ 理事長、井上眼科病院 院長

    いのうえ けんじ
    井上先生の医療記事

    1

    眼科、麻酔科

    東京都千代田区神田駿河台4丁目3

    JR中央・総武線「御茶ノ水」聖橋口 徒歩1分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」B1出口 徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」JR御茶ノ水駅方面出口 徒歩5分、都営新宿線「小川町」B3/B5出口 徒歩7分

    国立国際医療センター 眼科診療科長

    ながはら みゆき
    永原先生の医療記事

    4

    内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科

    東京都新宿区戸山1丁目21-1

    都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分

    地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 非常勤、神奈川歯科大学附属横浜クリニック 客員教授

    あらいえ まこと
    新家先生の医療記事

    1

    内科、血液内科、膠原病・リウマチ科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形・脊椎外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科

    東京都板橋区栄町35-2

    東武東上線「大山」南口および北口 徒歩4分

    独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 東京山手メディカルセンター 眼科部長

    ちば たつや
    地場先生の医療記事

    5

    内科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、肝胆膵外科、肛門外科、脊椎脊髄外科、総合診療科、病理診断科

    東京都新宿区百人町3丁目22-1

    JR山手線「新大久保」 徒歩5分、JR中央・総武線「大久保」北口 徒歩7分

    医療法人社団晴誠会 とやま眼科 院長

    とやま しげる

    眼科

    東京都葛飾区小菅4丁目8-7 星野ビル1F

    東京メトロ千代田線「綾瀬」 徒歩1分

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が36件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「緑内障」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。

    メディカルノートをアプリで使おう

    iPhone版

    App Storeからダウンロード"
    Qr iphone

    Android版

    Google PLayで手に入れよう
    Qr android
    Img app