
緑内障は完全に治ることはない病気です。しかし、点眼薬などによる治療を行うことによって緑内障を進行させないようにすることはとても大切なことです。
緑内障の診療、研究ともに日本の第一人者である東京大学眼科学教授の相原一先生に、緑内障の治療についてお話をお聞きしました。
緑内障の治療の基本的な考え方は「症状を悪化させない」ことです。高くなってしまった眼圧は、以下に紹介していく治療により下げていくことができます。これにより、緑内障がさらに進行するのを防止することができます。正常眼圧緑内障においても、眼圧を下げることは有効であるとされています。
ただし、「症状が改善する」わけではありません。一度障害されてしまった視神経は回復しませんし、再生することもできません。また、どんな治療も無効で進行を止められない末期の緑内障も存在します。しかし、緑内障を早期発見できれば視神経の障害が進行する前に治療をすることができます。すると失明に至る危険性が少なくなるのです。
緑内障の本質は「眼圧が上がる」ことです。そのため、何よりもまずは「眼圧を下げること」が重要です。そこで、眼圧上昇の原因に対処していくためには何ができるのかを考えていきます。
治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術の3種類があります。これらを緑内障の種類や重症度に応じて組み合わせていきます。大まかに考えて、最も多い「原発開放隅角緑内障」の場合は薬物療法を用います。そして、「原発閉塞隅角緑内障」と「発達緑内障」では薬物療法では十分に眼圧を下げられないことが多く手術治療も行うことが多いです。また、何かしらの眼の病気が原因で緑内障になっている場合には、原因への対処をするとともに眼圧下降知慮も行っていきます。
多くの場合、点眼薬を用いることが治療の基本となります。8種類以上の点眼薬があり、それぞれに異なった効果があります。これらを、緑内障がどのようなものか(種類・重症度・眼圧の高さ)に応じて組み合わせていきます。1種類だけを用いることもあれば、複数の種類の点眼薬を用いることもあります。
ここで忘れてはならないのは、繰り返しとなりますが、点眼薬は症状を悪化させないために用いるということです。症状が改善しない場合も、やめてしまってはいけません。脱落者が多いというデータもありますので、この点はしっかりと覚えておいてください。
点眼薬には、大きく分けて2つのグループがあります。
基本的な使い方としては、まずプロスタグランジン系薬剤を使い、十分に下がらない場合は切り替えたり、他の薬を併用します。また、内服薬は副作用が強いことが多く、基本的には用いられません。
レーザー治療は、基本的には「原発閉塞隅角緑内障」に対して行う治療です。原発閉塞隅角緑内障では隅角が狭くなっています。そこで、眼の「虹彩」という部分にレーザーで穴を開けることによって房水の流れを変えていきます。また、線維柱帯にレーザーをあてることで一部の開放隅角緑内障を治療できることがあります。しかし、著しく効果のある画期的な治療というわけではありません。なお、レーザー治療は入院せずに外来で行うことができます。
緑内障の手術は点眼薬やレーザー治療が無効であったときに行います。詳細については「緑内障の手術―手術方法から手術時間まで」をご参照ください。
周辺で緑内障の実績がある医師
医療法人社団済安堂 井上眼科病院グループ 理事長、井上眼科病院 院長
眼科、麻酔科
東京都千代田区神田駿河台4丁目3
JR中央・総武線「御茶ノ水」聖橋口 徒歩1分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」B1出口 徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」JR御茶ノ水駅方面出口 徒歩5分、都営新宿線「小川町」B3/B5出口 徒歩7分
国立国際医療センター 眼科診療科長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 非常勤、神奈川歯科大学附属横浜クリニック 客員教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形・脊椎外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都板橋区栄町35-2
東武東上線「大山」南口および北口 徒歩4分
独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO) 東京山手メディカルセンター 眼科部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、肝胆膵外科、肛門外科、脊椎脊髄外科、総合診療科、病理診断科
東京都新宿区百人町3丁目22-1
JR山手線「新大久保」 徒歩5分、JR中央・総武線「大久保」北口 徒歩7分
医療法人社団晴誠会 とやま眼科 院長
眼科
東京都葛飾区小菅4丁目8-7 星野ビル1F
東京メトロ千代田線「綾瀬」 徒歩1分
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緑内障の対処法
人間ドック受けに行ったら緑内障の疑いがあると言われました。市販の目薬や病院処方の目薬などいろいろありますが生活面や薬の注意点対処法があれば教えてほしい。
目薬は使えますか
眼圧を上げずに日常生活を送る上でどの様をしては行けないのでしょうか?
最近 視力が低下したり 視野が狭くなった気がします。
眼鏡をかけていますが だんだん 見ずらくなってきています。 眼科で 検査をしていますが 車を運転するので とりあえず ぎりぎりの 視力ではあります。でも 最近 見ずらくなってきています。緑内障の 視野検査でも 前より 見えない ところが 増えてきました。眼科に 行っています。目薬は 処方されています 緑内障の症状と 視力低下は 関係がありますか?
緑内障治療開始について
昨年、視神経乳頭凹みが年齢にしては大きいとの指摘を受け視野検査を行い、欠損はありませんでした。今年3月に再度視野検査を行い欠損はありませんでした。先日、OCT検査を行い、一部厚さが薄くなっていて赤く写っていました。先生からはまだ問題ないとのことでしたが、欠損が起こる前から薬物療法を開始した方が良いのでしょうか?先生からは欠損が確認できた時点でとの考えのようです。若いので将来が心配です。
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