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頭のできもの:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

頭のできもの

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • かゆみ、フケ、赤み、しこり、痛みなどがある
  • 家庭や保育園などで同じ症状が流行している
  • 短期間で明らかに増えている、広がっている
  • サイズが大きい

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 清潔を保つなどですぐに改善する

聖マリアンナ医科大学皮膚科 教授

門野 岳史 先生【監修】

頭は皮脂の分泌が豊富なうえに、頭髪によって通気性が低下しがちなため不潔になりやすい部位です。このため、頭皮はさまざまな皮膚()トラブルを引き起こす可能性があります。

特に、「頭のできもの」は比較的よくみられる症状であり、原因や随伴する症状などは多岐に渡ります。

  • 頭に痛みを伴うできものができ、()が出るようになった
  • 頭の一部にできものができ、徐々に大きくなって潰瘍()などの皮膚病変を形成する
  • 頭に痛みやかゆみのない柔らかいできものができ、何年もそのままである

これらの症状がみられた場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

頭皮にはさまざまな皮膚トラブルが生じますが、「頭のできもの」はよくみられる症状のひとつです。好ましくない生活習慣が原因のこともありますが、中には以下のような病気が原因の場合もありますので注意が必要です。

頭のできものは、頭皮の炎症による病気によって引き起こされることがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)

いわゆるニキビと呼ばれる皮膚()病変のことで、毛穴内に皮脂などの老廃物が溜まることで、皮膚常在菌のアクネ菌が増殖して炎症を引き起こす病気です。軽度なものでは、毛穴が盛り上がったような白いできものが見られますが、悪化して炎症が強くなると赤く痛みを伴うできものや、(うみ)の塊を形成するようになります。

にきび
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毛包炎、せつ(おでき)など

毛穴の内部に細菌感染が生じて炎症を引き起こし、悪化すると膿の塊を形成する病気です。頭皮は皮脂の分泌が豊富で不潔になりやすい部位であり、発症するケースも多くみられます。

毛包炎では毛穴に一致した部位に小さな赤いできものが形成され、せつは毛穴周囲に発赤と熱感を伴うできものを形成します。いずれも痛みを伴い、せつでは毛穴から膿の流出がみられることも少なくありません。

毛嚢炎
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接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎など

特定の物質にかぶれたり、アレルギー反応を引き起こしたりすることで皮膚に炎症が生じる病気です。かゆみや皮膚の赤みなどを引き起こしますが、いずれも重症な場合には皮膚のただれや、水疱(すいほう)などのできものを形成することがあります。

頭皮は刺激の強いシャンプーや染髪剤などによって接触皮膚炎アレルギー皮膚炎を引き起こしやすい部位であり、できものの原因となることも少なくありません。

接触皮膚炎
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粉瘤(ふんりゅう)

毛穴の一部が皮下に落ちくぼみ、その内部に皮脂などが蓄積することでできものを形成する病気です。柔らかいしこりとして触れ、通常は痛みやかゆみなどの症状は伴いません。しかし、内部に細菌感染を引き起こすと膿がたまり、できものが大きく腫れ上がったり、発赤や熱感を伴ったりするようになります。

粉瘤は、頭皮を含め全身に発症する可能性があります。

 

 

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頭皮のできものは、頭皮に生じる腫瘍によるものの場合があります。頭皮に発症しやすい主な腫瘍は以下の通りです。

脂肪腫など

頭皮には脂肪腫などの良性腫瘍ができることがあります。柔らかいしこりとして触れますが、痛みなどの症状は伴わず、腫瘍が急激に増大することもありません。このため、通常は治療の必要がなく経過観察を行うのみでよいですが、腫瘍が就寝時に寝具にこすれて違和感が生じるような場合など日常生活に支障をきたしているような場合には手術による切除が行われることがあります。

脂肪腫
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頭皮悪性腫瘍

頭皮は紫外線に晒されやすい部位であるため、皮膚()の悪性腫瘍を発症するリスクがあります。頭皮に発症する悪性腫瘍としては、悪性黒色腫有棘(ゆうきょく)細胞がんなどがありますが、いずれも早期の段階では皮膚の色素沈着によるシミや小さなしこりを形成するのみです。このため、自覚症状がほとんどなく、発見が遅れることも少なくありません。しかし、進行するとシミやできものが徐々に大きくなり、皮膚の表面に潰瘍(かいよう)を形成して出血や痛みを引き起こすことも少なくありません。

頭のできものは日常的によくみられる症状のため、自然に治るまでやり過ごしたり、市販薬を使用して様子をみたりする方も多いでしょう。しかし、中には思わぬ病気が潜んでいる場合や治療が必要なケースもあります。

特に、強い痛みを伴ったり()の流出がみられたりする場合、症状がないもののできものが寝具などにあたって不快な場合、できものが徐々に大きくなる場合などはなるべく早めに病院を受診しましょう。

受診に適した診療科は皮膚()科ですが、何らかの全身症状があるような場合にはかかりつけの内科などで相談するのもよいでしょう。受診の際には、いつからできものがあるのか、できものの誘因、随伴する症状などを詳しく医師に説明することが大切です。

頭のできものは、日常生活上の好ましくない習慣が原因のこともあります。原因となる主な習慣とそれぞれの対処法は以下の通りです。

頭皮は紫外線や外気などの影響によって乾燥することがあります。乾燥がひどくなるとそれを補うために皮脂分泌が盛んになるため、できものができやすくなることがあります。また、乾燥によってかゆみが生じ、強く掻きむしることで頭皮に炎症を起こして、できものを誘発することも少なくありません。

頭皮に潤いを保つには

外出時は帽子を着用したり、室内を適度に加湿したりするなど、頭皮が乾燥しやすい状況を改善し、保湿効果のある頭皮用スプレーなどを使用するのもおすすめです。また、かゆみがあるときは掻きむしらずに、保湿スプレーを使用するなどの対策を行いましょう。

頭皮は刺激の強いさまざまな薬液に触れる機会が多く、それが頭のできものの原因になることがあります。

頭皮にやさしい薬液を使用するには

かぶれアレルギーを引き起こす物質は人によって異なります。新しいものを使用する際には、使用する前に少量を皮膚()にとり、かゆみや痛みが生じないかを確認したうえで使うようにしましょう。また、使用中に何らかの症状を感じた場合には、使用を中止してよく洗い流すことが大切です。

頭皮は皮脂や頭髪の蒸れによって不衛生になりやすい部位です。不衛生な状態が続くと、細菌や皮膚()に常在するカビなどが繁殖しやすくなり、炎症によるできものを形成しやすくなります。

頭皮を清潔に保つには

頭皮の洗浄を丁寧に行うのはもちろんのこと、シャンプーやコンディショナーなどの流し残しにも注意しましょう。また、長時間の帽子の着用も不衛生な状態を招くことになりますので、こまめに脱ぐようにしましょう。

日常生活上の対処法を講じても症状が改善しない場合には、思わぬ病気が潜んでいる可能性もあります。軽く考えずになるべく早めに病院を受診して、適切な処置を受けるようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。