![虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術――国立国際医療研究センター病院における手術の特徴](http://carbon-assets.medicalnote.jp/uploads/content/cover/11/11303/s397x212_1b05171e-a5c7-4910-9223-fed58276f0f2.jpg)
従来、心臓の疾患の検査では、カテーテルなどを挿入して血管や心臓全体の検査を行っていました。しかし近年では、画像診断装置の進歩により患者さんに痛みや負担を与えることなく検査を行うことが可能になっています。特筆すべきことは、患者さんの身体的負担が減っただけでなく検査精度が高くなっていることです。この記事では、川崎医科大学付属病院循環器内科教授の上村史朗先生に、最新の虚血性心疾患の検査について解説していただきます。
心エコー図は、超音波を用いて体の表面から心臓の形、働きの異常を検査できる痛みを伴わない代表的な検査です。虚血性心疾患では、障害される冠動脈の部位によって、心臓の動きに局所的な異常が検出されます。最近では、ドブタミン負荷心エコー、スペックルトラッキング法によるストレイン解析(図1)、3次元心エコー検査(図2)などによって、より詳細な病状の把握が可能になっています。
マルチスライスCT (multidetector-row CT: MDCT)という診断装置は、従来のCTに比べ短時間(10秒程度)で動いている心臓全体の情報をスキャンすることが可能です(図3)。
MDCT検査では、造影剤を使いますが、入院の必要や心臓カテーテル検査のような体に対する負担がありません。最新のMDCTを用いた冠動脈病変の検査では、陰性的中率が98~100%と高く、スクリーニング検査として非常に有用だといえます。また、スクリーニング検査だけにとどまらず、冠動脈のステント治療後や冠動脈バイパス手術後の状態に関しても正確に評価できるようになってきました(図4)。
さらに、様々な再構成画像を利用することにより、冠動脈壁や病変部プラークの状態などといった、従来の冠動脈造影では得られなかった新しい情報を得ることも可能となっています。ただし、MDCTも万能ではありません。糖尿病患者さんや透析を受けられている患者さんなどのケースでは心臓の冠動脈に高度の石灰化が存在することがありますが、このような場合には正確な検査ができないことがあります。また、不整脈などで心拍変動が大きい場合も同様です。
さらに最近ではカテーテルによる不整脈治療が行われるようになってきました。心臓CTによって、左心房や肺静脈を仮想内視鏡像を用いて立体的に把握することが可能になり、治療のガイドとして用いられるようになってきています(図5)。
心臓核医学検査とは、放射性同位元素を注射し、心臓に取り込まれた微量の放射線をシンチカメラと呼ばれる特殊なカメラで撮影する検査方法です。従来は困難であった心筋の血流や脂肪酸代謝、心機能、心臓交感神経機能などの検査を行うことができます。
従来、核磁気共鳴(MR)イメージング、脳などの動かない内臓の形態や機能の評価に用いられてきましたが、最近では、動きの大きい心臓への応用が始まっています(図7)。
現在では検査時間がCTに比べてかなり長いという問題点は残されていますが、MRIを用いることによって放射線被ばくの問題がなくなり、さらにCTでは評価困難であった心筋のviability、心筋性状の質的な診断までもが可能となってきました。今後、さらなる改良によって画像分解能が改良されることによって、冠動脈の狭窄、動脈硬化プラークの評価などに用いられることがきたいされます。
このように、「痛みのない診断技術、検査」により多くのことが分かるようになってきました。このような診断技術が進んでいくことがさらに必要です。なぜなら、心筋梗塞を予防するためにも心臓の冠動脈の状態をより正確に把握していくことが重要であるからです。次の記事ではどうして痛みのない診断技術が必要なのか、予防のために重要なのかについてお話ししていきます。
川崎医科大学 医学部循環器内科学教授、川崎医科大学付属病院 循環器内科部長
周辺で虚血性心疾患の実績がある医師
医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
国立国際医療研究センター病院 心臓血管外科 診療科長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
北里大学北里研究所病院 循環器内科部長
内科、リウマチ科、外科、精神科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、病理診断科
東京都港区白金5丁目9-1
東京メトロ日比谷線「広尾」1・2番出口 徒歩10分、東京メトロ南北線「白金高輪」3番出口 徒歩13分
東京都健康長寿医療センター 循環器内科 副院長
内科、血液内科、膠原病・リウマチ科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形・脊椎外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都板橋区栄町35-2
東武東上線「大山」南口および北口 徒歩4分
順天堂大学 大学院医学研究科循環器内科学・教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
関連の医療相談が10件あります
気管支の閉塞感
本日の午前中から気管支の辺りが狭まっている様な感じ、苦しい感じがする。呼吸はできる。 咳は出ない。熱もない。 我慢できないほどではないが、呼吸をする度に違和感があるので気になる。 どういった事が考えられるのか。
突然の息苦しさ
私の母なのですが、今朝方、突然息苦しくなり 息を吸うのが辛く肩で呼吸をするような感じになりました。 起き上がるのも辛かった様で、しばらく横になっていたらおさまったそうです。 その後は落ち着いています。 かかりつけの病院に行って心電図をとりましたが、少し不正脈があるとのことでした。 後日、24時間心電図をつける検査をすることになりました。 本人は祖母が心筋梗塞で亡くなっているので、 不安になっています。 何か悪い病気でしょうか? よろしくお願いします。
食事後胸の辺りが詰まる感じがした
本日夕食を取って立ち上がった後で、左胸の辺りが詰まる感じがしました。すぐによくなりましたが、普段から錠剤タイプの薬を服用した際に、喉仏の下の辺りに詰まる時があります。甲状腺の疾患があるので、それも関係しているのかなとも思っていましたが…。 今回の現象が何だったのか気になり心配です。心臓が悪いのか、胃や食道とかが悪いのか…。何が考えられるでしょうか?
虚血性心疾患の症状
ここ1ヶ月頻繁に、就寝頃その他発症時間不明なんですが 心臓の痛み(焼けるような痛み)たまに締め付けられた感覚になる 呼吸が苦しい 階段すら辛い。症状と同時に意識遠のく頭痛が起きる 症状で不眠症っぽい このような症状が多々出ており 病院行くのも不安で心疾患の恐れあるのか知りたいです また少しでも改善方法等あれば教えてください
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「虚血性心疾患」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。