インタビュー

溶連菌感染症の治療

溶連菌感染症の治療

国立成育医療研究センター 小児医療系総合診療部レジデント

水野 貴基 先生

石黒 精 先生

国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教...

石黒 精 先生

この記事の最終更新は2016年03月22日です。

『喉が痛くなる「溶連菌」って?』では、溶連菌についての概要、溶連菌感染症の症状などについて説明しました。溶連菌感染症は、抗菌薬(抗生物質)による治療がよく効く感染症です。本記事では抗菌薬による治療を含め、溶連菌感染症の治療についてお伝えしていきます。

溶連菌に有効な抗菌薬はいくつか種類がありますが、いずれも服用すると1日程度で症状が改善します。ただし、症状がなくなってからも、菌を完全に体内から除去して合併症を予防するために内服を続けましょう。

また、抗菌薬の種類によって治療に必要な期間は異なります。抗菌薬を内服して三日程度経っても症状の改善が得られない場合は、内服している抗菌薬に抵抗力のある溶連菌である可能性や、溶連菌以外の病原体による咽頭炎である可能性が考えられるため、再度医療機関を受診しましょう。

きょうだいのいる家庭では、溶連菌をうつしあう可能性が高いという報告があります。うがい・手洗いを行い、食器類の使い回しは避けましょう。また、咽頭痛のために飲食物の経口摂取が難しいときには脱水の危険があります。そのような場合は食事の30分から1時間前に解熱鎮痛剤を服用して、症状を緩和しましょう。それでも食事が困難ならば、糖分と塩分を含む水分を少しずつ摂取するようにします。具体的にはスプーン一杯ぶんの水分を5分おきに摂取し、少しずつ増やしていく方法が推奨されています。

学校保健安全法に基づく感染症のなかでは、溶連菌感染症は「その他の感染症」として記載されています。溶連菌感染症の場合は抗菌薬を内服してから1日程度で症状の改善および感染力の消失が期待できることから、症状改善後1日程度で登園・登校が可能です。

再発・再感染が起こることはあります。1か月以内に再発してしまうならば、途中で抗菌薬の内服をやめてしまったなどの不適切な抗菌薬治療が原因とされます。なお、再発してしまった場合であっても、症状・診断方法・治療の流れは初発のときと同様に行われます。

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  • 国立成育医療研究センター 教育センター センター長/臨床研究センター 副センター長/臨床研究教育部長(併任)/血液内科診療部長(併任)

    石黒 精 先生

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