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インタビュー

公開日 : 2016 年 09 月 25 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

海外渡航時の医療②-海外で安全に過ごすために!注意すべき感染症や事故・怪我の際の対応、病院で使える英語のまとめ

衛生管理に注意が必要な国(アフリカなど)に渡航する際に気をつけること

衛生面において懸念のある国への渡航に対する注意点

海外への渡航にあたり、感染症に対する衛生管理には注意が必要です。とりわけ、アフリカや中東地域、東南アジア、南米地域などのまだまだ衛生管理が行き届いていない国や地域への渡航には細心の注意を払わなければなりません。そうした国では、病原体や感染媒体も様々で日本とは異なることが少なくありません。

●感染媒体について

感染媒体としては、適切な保管・加工・調理がされていない食べ物や水、蚊、動物、人などが代表的です。

・飲食物からの感染を防ぐ方法

水に関しては飲み水に限らず、食べ物や食器の洗浄、体や顔を洗ったり、うがいをしたりするような水道水、海や湖、河川などの水といったあらゆるところに病原体が潜んでいる可能性があります。したがって、食べ物に関しては十分に加熱処理されたものを食べるように配慮しなければなりませんし、水はできる限りペットボトルで売られているミネラルウォーターを飲むようにしましょう。口をゆすいだり、うがいをする際にもミネラルウォーターを使用するのが望ましいです。

・動物や虫、人からの感染を防ぐ方法

虫除けのために長袖・長ズボンを着用してできるだけ肌の露出を抑えたり、虫除けのスプレーを使用したり、不要な夜間外出は控えるのが賢明です。また、動物には不用意に触れず、もし触れた場合にはすぐに手洗い・消毒をすることが必要です。さらに、咳や発熱の症状が出ている人には近づかないようにすること、また性行為でも感染のリスクがあるので、マスクやコンドームを使用するなどの予防策を取ることが大切です。

衛生管理が行き届いていない国や地域では、日本で暮らしているときよりも自分の身は自分で守るということを徹底しなければなりません。事前にこれらの認識を頭に入れておくとともに、必要な予防接種についても事前にしっかり受けておきましょう。また、日頃の体調管理も同様です。日本とは異なる気候や風土、文化、生活習慣、時差などによって知らぬ間にストレスがかかっていたり、生活のリズムが崩れてしまって免疫力が低下する可能性もあります。つまり、より感染症にかかりやすくなってしまうわけです。そうしたことも考慮し、余裕を持った渡航スケジュールを組んだり、十分な休憩を取ったりすることも大切です。

注意するべき感染症について

●アフリカ地域

アフリカ全土

アフリカでは全土に渡って食べ物や飲み物を介した感染性胃腸炎が報告されています。病原体は、サルモネラや腸炎ビブリオ、赤痢、腸チフス、A型肝炎、コレラ、アメーバ赤痢、ジアルジア症など細菌やウィルス、寄生虫と様々です。十分加熱処理したもの、煮沸した水あるいはミネラルウォーターの摂取を心がけましょう。また、蚊に刺されることで感染するマラリアやデング熱、フィラリア症、チクングニア熱はアフリカ全土で一年を通して注意が必要な状況です。

地中海沿岸地域

地中海沿岸地域では、生乳や乳製品からのブルセラ症の感染が報告されています。

北アフリカ

動物の排泄物や河川の水から経口感染するエキノコックス症が流行しています。

ナイジェリア

ポリオが流行しています。

アフリカ西部

黄熱に罹るリスクがあります。

アフリカ中部

エボラ出血熱の感染が報告され、髄膜炎菌性髄膜炎の流行地域でもあります。

コンゴ民主共和国

ペストの発生がみられます。

その他にも蚊を媒体としたウエストナイル熱、サシチョウバエという吸血昆虫を媒体としたリーシュマニア症の感染リスク、ダニによる地中海紅斑熱、湖沼・河川に存在する寄生虫からの住血吸虫症、犬やコウモリ、キツネなどの哺乳類からは狂犬病ウィルスの感染リスクがあります。

※予防接種について

予防接種としては、A型・B型肝炎、破傷風、狂犬病、黄熱、ポリオなどを受けておくことをおすすめします。また、医師とも相談の上で常備薬を携帯しておくと安心です。現地では入手困難な場合も考えられますし、現地の薬では処方量が適切でないこともあります。

●中東地域

アフリカと同様に、赤痢やA型肝炎、腸チフス、サルモネラ、カンピロバクター感染症、コレラ、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの感染が報告されています。特に気温が上昇する5月から11月が最も食中毒の発生が多くなる時期なので注意が必要です。

トルコなど地中海沿岸の国や地域でもアフリカと同様に生乳や乳製品の摂取によってブルセラ症に感染するリスクがあります。さらに、蚊を媒体としたマラリア、デング熱、チクニングニア熱、ウエストナイル熱の感染、サシチョウバエを介したリーシュマニア症、湖沼・河川の寄生虫による住血吸虫症、狂犬病なども同様にリスクがあります。また、アフガニスタンではポリオの流行が続いています。

その他、中東地域では新種のコロナウィルスであるMERSが報告されています。感染源が明確になっているわけではありませんが、ヒトコブラクダから病原体が検出されており、感染源のひとつとして有力視されています。そのため、ラクダとの接触やラクダの未殺菌肉・乳などの摂取は避けるのが望ましいです。また、鳥インフルエンザの発症も報告されています。野生の動物はもちろんのこと、家畜との接触もなるべく避けたほうが賢明です。

※予防接種について

やはりA型・B型肝炎、破傷風、狂犬病、ポリオなどを受けておくことをおすすめします。

●東南アジア地域

東南アジアの国々の気候は大きく雨季と乾季に分かれますが、特に雨季には腸チフスや赤痢、A型肝炎、コレラなどの食中毒が増える傾向にあります。屋台での飲食や加熱処理が施されていない食べ物は避けるのが賢明です。また、雨季は蚊の繁殖が起こりやすく、屋内であっても蚊にさされることがあります。そのため、デング熱やチクニングニア熱、マラリア、ジカウィルス感染症などに感染するケースがありますし、日本脳炎は一年を通して感染が報告されています。また、狂犬病や鳥インフルエンザの感染も報告されていますので、動物には近づかないよう注意が必要です。

※予防接種について

A型・B型肝炎、破傷風、狂犬病に加えて日本脳炎を受けておくことをおすすめします。

●南米地域

都市部であっても水の衛生管理が行き届いていないところがあるため、生水や生ものの摂取で腸チフス、赤痢、A型肝炎、E型肝炎、サルモネラ、コレラ、ジアルジア症、サイクロスポーラ症などの感染が報告されています。また、アフリカや中東地域の地中海沿岸で感染が報告されているブルセラ症やエキノコックス症にも注意が必要です。その他にも、蚊を媒体としたマラリア、黄熱、デング熱、フィラリア症、ジカウィルス感染症の感染もリスクもあります。

山岳地帯においては、ペストの発生やシラミによって感染するリケッチア感染症、サシチョウバエから感染するバルトネラ症・リーシュマニア症、ブユから感染するオンコセルカ症、サシガメからうつるシャーガス病などの感染リスクがあります。虫除け対策や河川には入らないようにしてください。また、ネズミの尿や糞などからはレプトスピラ症やハンタウィルス肺症候群に感染するリスクがありますし、狂犬病や鳥インフルエンザの発症例もありますので、動物には近寄らないよう注意が必要です。

※予防接種について

黄熱、A型・B型肝炎、破傷風、狂犬病を受けておくことをおすすめします。

※この情報は2016年9月初旬時点で政府や各省庁が提供している情報をもとに作成しています。

情報の内容は都度更新されていきますので、渡航前には必ず最新の情報を入手するようにしてください。

海外からの帰国時に気をつけること

海外渡航先から帰国した際および帰国後の感染症発症リスクと対応方法

関西空港での麻疹(はしか)の感染拡大が大きく報道されましたが、大阪府の発表によると、関西空港周辺での感染者数は37人に達しているとのことです(※2016年9月6日時点)。昨年の日本全体での感染者数が35人であることからすると、1ヶ月ほどの短期間でこれだけの感染者数に達したことは異常事態ともいえます。また、日本は昨年の3月にWHOから土着のウィルスによる麻疹感染が3年間確認されていないことから、排除状態と認定されたばかりでした。

感染源は明らかになっていませんが、アジアなど流行国への渡航歴がある人が感染源のひとつのケースとも考えられているようです。実際のところはわかりませんが、今回の麻疹の感染拡大に限らず、海外渡航者が帰国してから体調不良を訴える割合は数十%にも及ぶと言われているので、渡航者が細菌やウィルス、寄生虫などを体内に潜伏させた状態で帰国し、後に発病したり、周囲に感染させたりする可能性は十分にあります。

●特に注意が必要な国や地域

特に、アフリカや中東地域、東南アジア、南米地域などの衛生管理が必ずしも十分でない国や地域、あるいは現時点で感染症が流行している国や地域へ渡航した方は帰国時に症状が現れてないからといって安心するのではなく、潜伏期間も考えて帰国後も体調の変化には十分注意を払う必要があります。

●帰国時点、あるいは帰国後の体調不良

帰国時点で体調不良である場合は、検疫所に申し出て相談し、体調をチェックした上でしかるべき処置を受けなければいけません。また、帰国後に発熱や下痢、発疹などの症状が現れて体調不良に陥った場合は、すぐに近くの医療機関で診察を受け、詳しい症状とともに海外渡航歴(渡航した国や地域、渡航期間、宿泊先、渡航中に立ち寄った場所、渡航先での感染症対策の有無など)や渡航前の予防接種の有無などを伝えなければなりません。

発症までの潜伏期間は病原体によって様々です。数日から数週間で症状が現れるものから数ヶ月、数年経ってから発症するという感染症もあります。そのため、特に衛生管理が行き届いていない国や地域、あるいは感染症が流行している国や地域に渡航した方は、少なくとも半年程度は渡航先での感染によって後に発症する可能性があると考えておいたほうがよいです。

帰国後の下痢の症状について

海外渡航先で最も起こりやすいのが下痢の症状です。渡航者の半数以上が経験するといわれています。

下痢だけでなく、嘔吐も繰り返すことがありますが、病原体を全て体外へ排出しきれば自然と症状は和らぎ、数日程度で治るのが一般的です。しかし、帰国してからも下痢の症状が治まらない場合もあります。症状が治まらない場合には、まだ体内に病原体が存在している可能性が考えられます。特に症状が長引くのであれば、寄生虫による感染を疑う必要があり、その中でもジアルジア症やアメーバ赤痢には注意が必要です。これらは予防接種や予防薬はなく、症状が確認された時点で寄生虫に対する投薬で治療することになります。ジアルジア症は人や動物の便に汚染された水や食べ物を口にしたり、性行為などで感染します。

潜伏期間はおよそ1週間から2週間です。下痢以外にも腹痛や食欲低下、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。また、アメーバ赤痢も同様の感染経路で、潜伏期間はおよそ2週間から4週間とされていますが、場合によっては数年ということもあります。

下痢以外にも下腹部の痛みやゼリー状の粘血便がみられ、数日~数週間の間隔で症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。また、この寄生虫は血液に乗って腸以外の臓器に侵入し、放置しておくと臓器に大きな障害をもたらす可能性があります。通常の抗生物質は効かないため検便で早急に原因を突き止めて対処する必要があります。

帰国後の発熱の症状について

発展途上国からの帰国者のうち2~3%は発熱の症状が現れると言われています。

発熱の原因は様々ですが、チクニングニア熱やデング熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、腸チフス、急性HIV感染症、インフルエンザ、レジオネラ症、レプトスピラ症、マラリア(熱帯熱、三日熱)、リケッチア感染症などは潜伏期間が2週間以内とされており、帰国後の比較的早い段階で発症する可能性が高い感染症です。中でも、熱帯熱マラリアは急速に体調が悪化することがあるので、注意が必要です。もし発熱が認められた場合は、すぐに医療機関で診察を受けることをお勧めします。また、アメーバ赤痢やA型肝炎、E型肝炎、住血吸虫症などは潜伏機関が2週間から6週間とされています。いずれも発展途上国で感染しやすいものです。

B型肝炎やリーシュマニア、結核などは6週間を超える潜伏期間とされています。さらに、ブラジルを中心に感染が拡大してニュースでも大きく取り上げられたジカ熱は、現時点で潜伏期間が明らかとなっていませんが、数日で発症する場合もあれば1週間以上経ってから発症することもあるようです。症状そのものはそれほど重症化することなく、1週間以内に治まりますが、回復後にギラン・バレー症候群の発症や小頭症の新生児が増加していることから、妊娠中や妊娠の可能性のある女性は特に注意が必要と言われています。

帰国後の皮膚の異常について

皮膚に異常がみられる原因には、細菌やウィルス、寄生虫の他にカビなどが局所的に感染するといったケースもあります。また皮膚の異常(発疹)の様子もさまざまです。たとえば、デング熱では発熱後3~4日後に体の中心部から手足や顔に発疹が広がっていくのが特徴ですし、リケッチア感染症やチクングニア熱は少し盛り上がった赤い発疹がみられます。また、腸チフスに感染すると、胸やお腹、背中に淡いピンク色の発疹が現れてきます。その他にもヒゼンダニというダニから感染する疥癬(かいせん)は2週間~2ヶ月の潜伏期間を経て激しい皮膚のかゆみを生じるようになります。特に夜はかゆみが悪化しやすく、全身にニキビのような発疹が現れるのが特徴的です。

また、寄生虫の幼虫が住む土の上を歩き、皮膚にその幼虫が侵入することで生じる皮膚幼虫移行症は足やおしりで激しいかゆみや発赤が現れます。その他にも、皮膚の表面から黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入したり、ハエが皮膚に卵を産みつけたり、卵から孵った幼虫が皮膚に寄生したりすることでも発疹の症状が現れます。特に熱帯や亜熱帯地域に渡航した後にはこのような皮膚の異常が現れやすいので、必ず医療機関を受診することをお勧めします。

腹痛の原因?水の違いについて

海外では水道水を飲まないのが安全

海外旅行や海外出張で最も多くの人が経験するといっても過言ではないのが、腹痛や下痢の症状です。

これは、渡航先での疲労やストレス(文化や生活習慣、気候の違い、時差ボケなど)、食べ物での食中毒が原因であることも少なくありませんが、日本とは異なる水事情が腹痛や下痢の症状を招くこともあります。日本では当たり前のように水道水を使って料理を作りますし飲むこともできます。もちろん歯磨きやうがい、体を洗うこともできます。しかし、海外の多くの国では日本ほど安心して水道水を使用することはできません。

●水道水を飲んでも問題ないとされている国

海外で水道水が飲めるのはたったのに15カ国だけとも言われています。

・アジア:アラブ首長国連邦

・オセアニア:オーストラリア、ニュージランド

・アフリカ:南アフリカとレソト、モザンビークの3カ国

・ヨーロッパ:フィンランド、スウェーデン、アイスランド、ドイツ、アイルランド、オーストリア、クロアチア、スロベニア、スイスの9カ国

ただし、アラブ首長国連邦などは国としては安全と謳っていますが、国民には抵抗感もあるようで、現地の人でも水道水はそのまま飲むことはなく、煮沸してから冷まして飲んだり、ミネラルウォーターを購入したりということもあるようです。他にもアメリカやカナダ、スペイン、イギリス、デンマーク、フランス、オランダ、ベルギー、シンガポールの水道水も飲んで問題ないといわれていますが、都市部と農村部であったり、国内の地域によってインフラの整備や水質基準が異なることもあるようで、一概に安全とは言えません。

このように安全とされている国もありますが、渡航先ではまず水道水は飲めないと考えておいた方が安全です。

日本の水と海外の水の違い

腹痛や下痢の原因となる海外の水道水は、日本の水道水と何がどのように異なるのでしょうか。

大きく分けると、

①細菌やウィルス、寄生虫などの病原体が混入している

②鉄錆びなどの有害化学物質が混入している

③硬水である

上記の3つが考えられます。

①細菌やウィルス、寄生虫など病原体の混入について

病原体などの混入が多くみられるのは発展途上国の水道水です。たとえばアフリカのケースをみると、過去にヨーロッパ諸国に統治されていた影響で上下水道の設備は整っていることが多い反面、浄水設備が整っておらず、不純物を多量に含んだ茶色く非常に水質の悪い水を利用しているところが多いといわれています。

また、南米地域においても水道水から約5割程度の割合で細菌が検出される国や地域があるとされています。これもまた浄水設備が十分整っていなかったり、都市部であっても下水処理設備の整備が遅れていて、汚水が河川や土壌に流れ込むために水質を悪化させています。人口増加が顕著なインドでもやはり浄水処理設備の普及が遅れており、汚水が未処理のまま河川や地下水に流入し、水質汚染が問題となっています。この汚染された水でコレラや腸チフスなどの感染症が流行することも少なくありません。このように発展途上国では共通して浄水設備や汚水対策が十分に整っていません。

②鉄錆びなどの有害化学物質が混入について

そのため、たとえ浄水場で塩素消毒をしたとしても送水途中で糞便などが多量に水道管に入り込み、そこで塩素が消費されてしまうため家庭で水道水として使う頃には既に塩素はなくなっており、細菌や寄生虫などで汚染された水を使うことになってしまうのです。また、地域によっては気候条件の影響も大きく現れます。乾季と雨季のある地域では乾季に病原体が凝縮され、雨季には糞便で汚染された水が大量に水道水に流入するといったことがあり、熱帯地域では細菌が繁殖しやすい環境にあります。

一方、発展途上国以外でも水質の問題はあります。たとえば、近年経済成長が著しい中国では多くの都市で水道水が整備されている状況ですが、バクテリアや高濃度のフッ化物やヒ素といった化学物質による汚染が深刻な問題となっている地域もあります。また、水道管の老朽化から、鉄錆びなどの混入も懸念されます。これは台湾や香港も同様です。大きな経済成長の裏には工業排水や産業廃棄物の処理などの問題が深刻化し、水質を悪化させます。台湾や香港では現地の人であっても基本的に水道水は飲まず、海や川でも遊ばないといわれているほどです。大都市部の一部や高級ホテルなどでは安心して水道水も使えるところがありますが、経済が豊かになってきている国だからといって必ずしも安心はできないということは頭に入れておいた方がよいでしょう。

③硬水について

硬水とは水の硬度が高いことを指します。一般的には1リットルあたりの水に含まれるマグネシウムとカルシウムの量で「軟水」か「硬水」かに分類され、硬度が120mL以上の水を硬水、逆に120mL以下の水を軟水と呼びます。ちなみに、日本の水はミネラルウォーターでおよそ25~84mg/Lなので軟水です。一方、海外のミネラルウォーターは硬水であることが多く、硬度が高いと違和感や飲みにくさを感じることもあります。

海外では、日本よりも水の硬度が高いことが多くあります。たとえば、ヨーロッパ諸国は硬水が非常に多いですし、アメリカでも一部は軟水の地域もありますが硬水の地域の方が多いです。また、中国や韓国もヨーロッパと同様に硬度が高い地域です。ただし、オーストラリアは日本と同等か、それ以下の軟水といわれています。

国や地域によって硬度が異なる理由は、それぞれの国土事情が影響しています。日本は河川が短く、地中で濾過されて地表に出てくるまでの期間が短いため、ミネラル成分の少ない軟水となりやすいのですが、海外では地下から地表に出てくるまでの期間が長く、河川も長いことからミネラル成分が多い硬水になりやすいのです。こうした成分の違いから、海外メーカーのミネラルウォーターをダイエット目的で飲用する人もいます。特に硬水に含まれるミネラルのひとつであるマグネシウムには、胃腸を刺激して腸のぜん動運動を活発にさせたり、便を柔らかくしたりする作用があり、便秘で悩む方には、便秘解消薬として酸化マグネシウムが処方されることもあるほどです。そのため、慣れない硬水を飲んで一度に大量のマグネシウムを摂取してしまうとお腹を壊してしまい、腹痛や下痢の症状が現れるのです。

以上のように、水の処理設備や汚水対策の状況、化学物質による汚染の程度、国土事情による水分中のミネラル成分量によって水質は様々であり、必ずしも安全というわけではありません。

 

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