HIVに対しての意識の高まりから、世界的にHIV感染者数は減ってきていますが、日本では依然としてHIV感染者数は横ばい状態です。世界と日本国内のHIVの感染者について、引き続き尾上泰彦先生に伺いました。
HIV感染対策の国際的な機関である国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)の報告によれば、2014年における世界中でのHIV患者数は3690万人に上るとのことでした。また、2000年から延べ約3890万人の方がHIVに感染しており、うち2530万人がエイズを発症し、死亡しました。
世界中の3690万人のHIV患者のうち、2014年に新しくHIVに感染した方は約200万人です。2000年での新規HIV感染者約310万人に比べて35%程減少しています。
2015年3月の段階で、1500万人のHIV患者さんが抗HIV治療を受けているようです。2014年6月の1360万人から140万人増加しています。
2014年、世界中で約120万人の方がエイズ関連の疾患が原因で死亡しました。これはエイズ関連での死亡が最多であった2004年から42%減少しました。
厚生労働省エイズ動向委員会の報告によれば、2014年に新たに報告されたHIV感染者とエイズ患者の合計は1546件でした。HIV感染者とエイズ患者数の合計は2000年代前半までは毎年増加、2007年にピークに達しましたが、以降は毎年1500件前後で横ばい状態になっています。
なお、2014年での合計1546件は、これまでで3番目に多い結果になっています。また、2014年時点での累計は24561件となりました。
2014年度に新たにHIVに感染していると報告された数は1091件でした。HIV感染者報告数は2008年の1126件とピークを迎えましたが、2007年以降も年間1000件以上を維持しています。また2014年に報告されたHIV感染者数は男性が大半を占めていました。また、2014年までの累計は16903件となっています。
エイズ患者報告数は、初回の報告時にエイズと診断された患者数をあらわしています。 2014年までのエイズ患者報告数は、累計で7658件となっています。日本での2014年のエイズ患者報告数は455件でした。これは、2013年の484件、2011年の473件、2010年の469件に続いて4番目に多い報告数でした。エイズ患者報告数は、2006年以降、年間400件数以上の報告数が続いています。HIV同様、エイズ患者報告数も男性が大半を占めています。
HIV感染症では、なるべく早期に診断を行いエイズの発症を抑えることが重要ですが、依然として新規エイズ患者数は多く、減少もしていない状況です。こうした事態を踏まえてHIV・エイズの診断を早期に下せるよう更なる対策が求められています。
HIVは血液以外にも、精液や腟分泌物を介して感染します。そして性行為等が主な感染経路となるため、性的パートナーがいる方であれば誰でも感染する可能性があります。HIVに限ったことではありませんが、性感染症を防ぐには、不特定多数とのセックスをしない、最後までコンドームを使用する、そしてパートナーとの愛あるセックスを心がけましょう。
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
関連の医療相談が12件あります
HIV感染の初期症状について
日本に住んでいる外国の方と性行為をすることがありそのときにオーラルセックスもしました。 一ヶ月くらいに39度代の発熱がありました。熱は病院の薬で2日ほどで治りました。そのあとからエイズではないのかと悩んだいます。 可能性は高いでしょうか?
保健所検査にて
HIV検査を受けて、要確認検査となりました。ゴムを付けない性交渉を1ヶ月半前にしてしまい、その2週間後に38.5の発熱を10日間程、持病の扁桃炎、切れ痔と重なりました。 この症状が気になり、検査を受けた次第です。初期症状としてみてよいものでしょうか?
脇のしこり
昨日ふと脇を触ると皮膚がポコっとなっているところがありました。脇の下というと広範囲なのですが私の場合は脇毛など毛が生える丸い範囲内です。小豆サイズでなにか中のものに引っ付いてる感じです。妊娠中ですが上の子がまだ左乳を飲んでいます。ですがこのしこりがあるのはもう全く飲んでいない右側です。リンパのがんや乳がんでしょうか?
左臀筋内脂肪腫における普段の生活、手術、入院期間等について。
骨盤内がんドックをうけたところ、癌の結果は問題なかったのですが、左臀筋内脂肪腫疑いと結果が出ました。「左腸骨の外側、臀筋内に脂肪と等信号の腫瘤あり。脂肪腫と思われます。サイズは大きいが脂肪以外の軟部組織など脂肪肉腫を積極的に疑う所見は指摘できず。」画像を見るとかなり大きいようで、半年前くらいから時々ある下腹部、子宮周辺の痛みの原因はこれだとわかり早く手術をしたいと思っていますが、なかなか病院の予約が取れず、まして緊急性もないようでこのご時世では手術するのも先になりそうです。サイズは10cm以上はありそうな感じです。①一般的に手術、入院期間、等はどのくらいか例などありますでしょうか。②また普通に生活で破れたり問題はないのでしょうか。③体力維持、ダイエット目的でストレッチ、筋トレ水泳等を行っていますが問題はありますでしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「エイズ」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。