HIVの検査には、1次検査と2次検査があります。1次検査で陽性もしくは保留と判定された方のみ2次検査を受け、陽性もしくは陰性と判定されるのです。2つの検査での陽性の意味合いと偽陽性について、臨床経験豊富な尾上泰彦先生に伺います。
「HIVの検査の手順について」の記事でもお伝えしましたが、HIVの検査には1次検査であるスクリーニング検査と2次検査である確認検査があります。スクリーニング検査は非常に感度の高い検査であるので、HIVに感染している疑いが少しでもある場合には、陽性もしくは保留にします。スクリーニング検査で陰性と判断された方は、その時点ではHIVに感染していないことが確定します。仮に陽性もしくは保留と判定された方は、確定検査を受けることになります。この確定検査で陽性と判定されたらHIVの感染が確定します。
「偽陽性」とは、本当は陰性であるのにもかかわらず、ある検査において陽性と判定されることをいいます。HIVでは、スクリーニング検査で陽性と判定されても、確認検査で陰性となる「偽陽性」が発生することがあります。そのため、スクリーニング検査で陽性と判定されたからといって、必ずしもHIVに感染しているとは限らないのです。
HIVのスクリーニング検査で偽陽性と判定される確率は、検査によって異なります。厚生労働省が運営しているサイトである「HIV検査・相談マップ」によれば、保健所で検査を受けている方の感染者の割合は、おおよそ0.3%であるようです。また、通常検査ではおおよそ0.3%、迅速検査(即日検査)ではおおよそ1%の確率で偽陽性が発生するといわれています。そのため、通常検査において陽性と判定された方が偽陽性である確率は50%、迅速検査において陽性と判定された方が偽陽性である確率は77%となります。
確定検査は、スクリーニング検査に比べて、時間も労力も費用もかかります。保健所では、無料でたくさんの方に対して検査を行わなければなりません。また、保健所で検査を受ける方のほとんどは感染していません。そのため、より効率的に多くの方を検査するためにスクリーニング検査を行い、陽性と判定された方のみ確認検査を受けてもらうのです。
残念ながら現在では、感染したHIVを完全に除去することはできません。しかしながら、適切な治療を行うことにより、HIVの増殖を抑え、さらにはエイズの発症を遅らせることができます。もし陽性と判定されたら、医師の指示に従いましょう。カウンセリングを受けることもできます。
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
関連の医療相談が12件あります
HIV感染の初期症状について
日本に住んでいる外国の方と性行為をすることがありそのときにオーラルセックスもしました。 一ヶ月くらいに39度代の発熱がありました。熱は病院の薬で2日ほどで治りました。そのあとからエイズではないのかと悩んだいます。 可能性は高いでしょうか?
保健所検査にて
HIV検査を受けて、要確認検査となりました。ゴムを付けない性交渉を1ヶ月半前にしてしまい、その2週間後に38.5の発熱を10日間程、持病の扁桃炎、切れ痔と重なりました。 この症状が気になり、検査を受けた次第です。初期症状としてみてよいものでしょうか?
脇のしこり
昨日ふと脇を触ると皮膚がポコっとなっているところがありました。脇の下というと広範囲なのですが私の場合は脇毛など毛が生える丸い範囲内です。小豆サイズでなにか中のものに引っ付いてる感じです。妊娠中ですが上の子がまだ左乳を飲んでいます。ですがこのしこりがあるのはもう全く飲んでいない右側です。リンパのがんや乳がんでしょうか?
左臀筋内脂肪腫における普段の生活、手術、入院期間等について。
骨盤内がんドックをうけたところ、癌の結果は問題なかったのですが、左臀筋内脂肪腫疑いと結果が出ました。「左腸骨の外側、臀筋内に脂肪と等信号の腫瘤あり。脂肪腫と思われます。サイズは大きいが脂肪以外の軟部組織など脂肪肉腫を積極的に疑う所見は指摘できず。」画像を見るとかなり大きいようで、半年前くらいから時々ある下腹部、子宮周辺の痛みの原因はこれだとわかり早く手術をしたいと思っていますが、なかなか病院の予約が取れず、まして緊急性もないようでこのご時世では手術するのも先になりそうです。サイズは10cm以上はありそうな感じです。①一般的に手術、入院期間、等はどのくらいか例などありますでしょうか。②また普通に生活で破れたり問題はないのでしょうか。③体力維持、ダイエット目的でストレッチ、筋トレ水泳等を行っていますが問題はありますでしょうか。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「エイズ」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。