前の記事ではHIVの治療や課題についてお話ししました。今回は、日本におけるHIVの感染者数やHIVの潜伏期間について、千葉大学医学部附属病院 感染症内科 助教の谷口俊文先生に引き続きご説明頂きました。
日本では1985年に初めてエイズ患者が確認されました。
厚生労働省エイズ動向委員会の報告によると、速報値である2014年の新規報告数は、HIV感染者が1,091件、エイズ患者455 件、合わせて1,546 件で、累計報告件数でみるとHIV感染者は16,903 件、エイズ患者は7,658 件となっています。
HIV感染後は、以下のような経過をたどります。
クリニックや一般の診療所に来られる急性咽頭炎の患者さんの中に、HIVが原因となっている方がいる可能性があります。しかし急性咽頭炎の患者さんすべてにHIV検査を受けてもらうのは容易なことではありません。いずれにせよ、リスクが高そうな方には問診・検査を行うことが早期発見に繋がります。
アメリカでは、セクシャルパートナーや、何の仕事をされているかを聞くのは当たり前のことになっています。私自身も聞くようにしています。もちろん、答えたくない場合は答えなくても問題ありませんが、HIVの早期発見のためにはこのような問診や早めの検査が多くのクリニックや診療所で広まってほしいと考えています。
現在、世界的にはHIVの診断がなされればすぐに治療を行うようになっています。このような早期治療には、以下のような2つのメリットがあるためです。
一方で日本では、基本的にCD4の値を治療開始の判断としている場合があります。
CD4とはTリンパ球のCD4 T細胞のことをいい、免疫の重要な役割を担っています。現在は、CD4値が500/mm3を下回ると治療が開始されます。以前までは薬の副作用が強く、服用させる時期をなるべく遅くしていたということや、医療費の問題で200/mm3や350/mm3が治療開始の値として定められていました。身体障害者手帳の申請の際にもこのCD4値は活用されており、エイズの症状が出ている場合は必ずしもこの限りではありませんが、500/mm3以下は3,4級、200/mm3以下は1,2級が目安になっています。
早期発見・早期治療が良いということは世界的に同意されていることですので、先ほども述べたように積極的に検査を受けてください。
千葉大学医学部附属病院 感染制御部・感染症内科 准教授
関連の医療相談が12件あります
HIV感染の初期症状について
日本に住んでいる外国の方と性行為をすることがありそのときにオーラルセックスもしました。 一ヶ月くらいに39度代の発熱がありました。熱は病院の薬で2日ほどで治りました。そのあとからエイズではないのかと悩んだいます。 可能性は高いでしょうか?
保健所検査にて
HIV検査を受けて、要確認検査となりました。ゴムを付けない性交渉を1ヶ月半前にしてしまい、その2週間後に38.5の発熱を10日間程、持病の扁桃炎、切れ痔と重なりました。 この症状が気になり、検査を受けた次第です。初期症状としてみてよいものでしょうか?
脇のしこり
昨日ふと脇を触ると皮膚がポコっとなっているところがありました。脇の下というと広範囲なのですが私の場合は脇毛など毛が生える丸い範囲内です。小豆サイズでなにか中のものに引っ付いてる感じです。妊娠中ですが上の子がまだ左乳を飲んでいます。ですがこのしこりがあるのはもう全く飲んでいない右側です。リンパのがんや乳がんでしょうか?
左臀筋内脂肪腫における普段の生活、手術、入院期間等について。
骨盤内がんドックをうけたところ、癌の結果は問題なかったのですが、左臀筋内脂肪腫疑いと結果が出ました。「左腸骨の外側、臀筋内に脂肪と等信号の腫瘤あり。脂肪腫と思われます。サイズは大きいが脂肪以外の軟部組織など脂肪肉腫を積極的に疑う所見は指摘できず。」画像を見るとかなり大きいようで、半年前くらいから時々ある下腹部、子宮周辺の痛みの原因はこれだとわかり早く手術をしたいと思っていますが、なかなか病院の予約が取れず、まして緊急性もないようでこのご時世では手術するのも先になりそうです。サイズは10cm以上はありそうな感じです。①一般的に手術、入院期間、等はどのくらいか例などありますでしょうか。②また普通に生活で破れたり問題はないのでしょうか。③体力維持、ダイエット目的でストレッチ、筋トレ水泳等を行っていますが問題はありますでしょうか。
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