インタビュー

HIVに感染すると発疹ができることがある-HIVの皮膚症状について

HIVに感染すると発疹ができることがある-HIVの皮膚症状について
プライベートケアクリニック東京 院長 尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

HIV感染症の初期症状として、約90%の方が皮膚症状を呈するといわれています。そのため、発疹などの皮膚症状からHIV感染がみつかることも多いようです。HIV感染者が発症してしまう発疹などの皮膚疾患について、臨床経験豊富な尾上泰彦先生に伺いました。

HIVの発疹・皮膚症状について

HIVの感染者の50〜90%は、HIVに感染してから3〜6週間の間に初期症状があらわれます。HIVの初期症状には発熱やのどの痛み、筋肉痛などのインフルエ ンザや風邪に似た症状などがあるのですが、なかにはインフルエンザや風邪に ない症状である皮膚の発疹などの皮膚症状があります。皮膚疾患を呈するのは約90%といわれています。

HIVの発疹原因となる疾患には何があるの?

HIV感染者に急性期にあらわれる皮膚疾患の代表的なものには、急性期皮疹、帯状疱疹、単純ヘルペス、脂漏性皮膚炎などがあります。

〇急性期皮疹

急性期皮疹は、HIV感染者の約75%に見られます。HIV急性期皮疹の代表的な症状は、HIVに感染してから3〜6週間までの急性期にあらわれる、直径5〜10mm程度の小さく赤い発疹です。この発疹は胸や背中にできますが他にも、発熱や全身の筋肉痛、下痢などの症状を伴うことがあります。急性期皮疹は、放っておいても1〜2週間で自然に治ってしまいます。

〇帯状疱疹

HIVに感染することによって免疫力が低下し、帯状疱疹を発症することがあります。帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で、体幹を中心に左右どちらかに帯状に赤い発疹と水ぶくれができます。最初は患部がヒリヒリするような痛みが生じ、徐々に虫に刺されたような水ぶくれや赤い発疹が生じます。

〇単純ヘルペス

単純ヘルペスも帯状疱疹同様に、HIVに感染することによって免疫力が落ちて生じます。単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる疾患です。口周辺にできるものを口唇ヘルペス、性器周辺にできるものを性器ヘルペスといいます。どちらも発疹や水ぶくれが数個集まって生じ、患部付近のリンパ節が腫れてしまい、痛みや発熱を伴う場合もあります。

〇脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎も、免疫力が低下によって引き起こされることがあります。HIV感染者は、かなりの確率で脂漏性皮膚炎を引き起こします。脂漏性皮膚炎は、マラセチア菌というカビの1種が原因で引き起こされます。主に皮脂分泌が盛んな顔や頭にかゆみを伴う赤い発疹が生じます。

上記以外によく見られるHIV特有の皮膚疾患

HIV感染者によく見られる皮膚症状を引き起こす疾患に、口腔内カンジダ症があります。口腔内カンジダ症は、口の中に存在するカンジダ菌が異常に繁殖することでおきます。症状としては、口の中が白いこけ状のものにおおわれます 。

ほかにも伝染性軟属腫(ミズイボ)が成人の顔面に多数確認されるときにも、HIVの感染を疑います。

性感染症が口腔咽頭に感染したときの症状についてはこちらも参照ください

「性感染症が口に感染するとどうなるのか-梅毒・HIV・AIDS・淋菌感染症・クラミジアの口腔咽頭感染時の所見と画像」