インタビュー

くも膜下出血の症状-前兆を見逃さないことが重要!

くも膜下出血の症状-前兆を見逃さないことが重要!
塩川 芳昭 先生

富士脳障害研究所附属病院 院長、杏林大学 名誉教授

塩川 芳昭 先生

この記事の最終更新は2016年03月03日です。

くも膜下出血の症状は「突然の激しい頭痛と吐き気」です。しかし、「発症前の前兆に気づくことが重要である」と杏林大学 脳神経外科主任教授ならびに副院長の塩川芳昭(しおかわ よしあき)先生はおっしゃいます。本記事では、くも膜下出血の症状と前兆について、お話しいただきます。

くも膜下出血は、突然の激しい頭痛と吐き気が起こります。また出血量が多く重症の場合には、意識をなくしたり、突然に瀕死の状態になる場合もあります。

くも膜下出血の前兆は必ずしもあるとは限りません。しかし、もし前兆があればその前兆を見逃さないことが重要です。くも膜下出血の前兆には、「軽い頭痛」と「動眼神経麻痺」があります。

・軽い頭痛

軽い頭痛は、少量の出血が起こっている状態です。警告出血ともいわれます。軽症の状態で治療することができれば後遺症が残る危険性も少なく、社会復帰が可能となります。しかし、軽い頭痛はくも膜下出血と疑われることがほとんどなく、風邪薬などを処方されて診療を終えてしまうということが少なくありません。しかし、その後動脈瘤が再破裂して、くも膜下出血のため意識不明の状態で運ばれてくる患者さんもいます。ですから、医療従事者はくも膜下出血の危険性があることを念頭に置いて頭痛患者さんの診療をしなければなりませんし、患者さんも普段の頭痛とどのように異なるのか、しっかりと医師に伝える必要があります。

・動眼神経麻痺(どうがんしんけいまひ)

文字通り眼球を動かす神経である動眼神経が麻痺すると、まぶたが下がったり、物がふたつに見えてしまい、これを動眼神経麻痺といいます。目の後ろの動脈(内頸動脈-後交通動脈分岐動脈:参考記事「くも膜下出血とは-脳卒中のなかで最も生命の危険が大きい」)に動脈瘤ができている場合、動眼神経が圧迫されてこのような症状が現れます。目に症状があらわれるため、眼科に行かれる患者さんも少なくありません。

くも膜下出血が恐ろしい病気である理由は3つあります。

  • 脳そのものへの圧迫や脳内への出血がある
  • 脳を浮かべる水(脳脊髄液)の循環障害が起こる
  • 呼吸や心臓へ影響がでる
  • かさぶたで仮にふさがっている孔(あな)から再出血する
  • 初回出血より程度が強い
  • 初回出血の24時間以内に起こりやすい

くも膜の下に広がった血液が数日で毒素に変わり、脳の血管を広い範囲で縮めてしまい、脳梗塞が起こる。

先述したとおり、軽症のくも膜下出血であれば、脳への障害も少なく社会復帰できる方もいます。しかし上記の理由から、くも膜下出血の約半数が死亡もしくは大きな後遺症を残してしまうのです。

 

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