くも膜下出血の症状は「突然の激しい頭痛と吐き気」です。しかし、「発症前の前兆に気づくことが重要である」と杏林大学 脳神経外科主任教授ならびに副院長の塩川芳昭(しおかわ よしあき)先生はおっしゃいます。本記事では、くも膜下出血の症状と前兆について、お話しいただきます。
くも膜下出血は、突然の激しい頭痛と吐き気が起こります。また出血量が多く重症の場合には、意識をなくしたり、突然に瀕死の状態になる場合もあります。
くも膜下出血の前兆は必ずしもあるとは限りません。しかし、もし前兆があればその前兆を見逃さないことが重要です。くも膜下出血の前兆には、「軽い頭痛」と「動眼神経麻痺」があります。
軽い頭痛は、少量の出血が起こっている状態です。警告出血ともいわれます。軽症の状態で治療することができれば後遺症が残る危険性も少なく、社会復帰が可能となります。しかし、軽い頭痛はくも膜下出血と疑われることがほとんどなく、風邪薬などを処方されて診療を終えてしまうということが少なくありません。しかし、その後動脈瘤が再破裂して、くも膜下出血のため意識不明の状態で運ばれてくる患者さんもいます。ですから、医療従事者はくも膜下出血の危険性があることを念頭に置いて頭痛患者さんの診療をしなければなりませんし、患者さんも普段の頭痛とどのように異なるのか、しっかりと医師に伝える必要があります。
文字通り眼球を動かす神経である動眼神経が麻痺すると、まぶたが下がったり、物がふたつに見えてしまい、これを動眼神経麻痺といいます。目の後ろの動脈(内頸動脈-後交通動脈分岐動脈:参考記事「くも膜下出血とは-脳卒中のなかで最も生命の危険が大きい」)に動脈瘤ができている場合、動眼神経が圧迫されてこのような症状が現れます。目に症状があらわれるため、眼科に行かれる患者さんも少なくありません。
くも膜下出血が恐ろしい病気である理由は3つあります。
くも膜の下に広がった血液が数日で毒素に変わり、脳の血管を広い範囲で縮めてしまい、脳梗塞が起こる。
先述したとおり、軽症のくも膜下出血であれば、脳への障害も少なく社会復帰できる方もいます。しかし上記の理由から、くも膜下出血の約半数が死亡もしくは大きな後遺症を残してしまうのです。
富士脳障害研究所附属病院 院長、杏林大学 名誉教授
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くも膜下出血の術後
20日前にくも膜下出血の脳動脈瘤のカテーテルの手術を 行いました。手足の痺れもなく頭痛もないのですが、目の痙攣がたまにあります。 脳に何か関係があるのでしょうか?
脳梗塞後のリハビリでどこまで回復しますか
今年7月くも膜下出血を発症し、2か月間入院後、9月リハビリ専門の病院へ転院しました。 現在の症状は、左脳の脳梗塞、失語症、右半身麻痺、意識障害、視力困難です。 1日3時間PT、OT、STによるリハビリを実施しています。 抱き抱えられながら車椅子へ移動したり、食事はスプーンを左手で持ちながら目が見えない状態で食べ物を頑張ってすくって食べています。 失語症の影響で、読む、書く、話すは出来ませんが、聞くは問題ないです。 脳血管疾患で入院出来る期間は、6か月間と言われています。 現在のリハビリでどこまで回復するかわかりませんが、退院後の生活がかなり不安です。 どうすれば良いでしょうか?
くも膜下出血 退院後の症状
くも膜下出血にて、カテーテル手術をうけました。一回目手術は発症した当日で、しばらくは回復していたのですが、再び頭痛と吐き気がひどくなり、検査したところ再手術が必要とのことで2回目の手術をうけました。それからCT検査等をうけ、異常なしとのことで退院しました。しかし、今、退院時にはなかった両足と左手のしびれがあり、不安をおぼえています。すぐに受診するべきでしょうか?
主人がくも膜下出血しコイル法でオペしました
オペして3日目です。軽かったと先生の診断でオペしたのですが 思ったより出血が多かったとの事でした。頭痛があって目の奥が痛いと言ってます。後遺症が心配です。 元どおりに普通に生活出来るでしょうか。
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