インタビュー

くも膜下出血の原因-くも膜下出血のリスクファクターとは

くも膜下出血の原因-くも膜下出血のリスクファクターとは
塩川 芳昭 先生

富士脳障害研究所附属病院 院長、杏林大学 名誉教授

塩川 芳昭 先生

この記事の最終更新は2016年03月02日です。

くも膜下出血は突然発症するため、未然に防ぐことが難しいケースがほとんどです。しかし、血圧・喫煙・飲酒に気をつけること、くも膜下出血の前兆を見逃さないことで生命に関わる大きな出血を防ぐことができる場合があります。本記事では、くも膜下出血の原因と予防、破裂する前に動脈瘤が発見された場合の治療について、杏林大学 脳神経外科主任教授ならびに副院長の塩川芳昭(しおかわ よしあき)先生にお話しいただきました。

心臓から送り出された血液の通り道を動脈と呼びます。くも膜下出血は、脳の動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂することが原因です。脳動脈瘤は血管のわかれる部分にできやすいのですが、その原因は明らかではありません。ただし、リスクと考えられるものがわかってきています。

くも膜下出血のリスクは次のものが考えられています。

くも膜下出血は脳動脈瘤が破裂することで起こります。脳動脈瘤の発生には強い遺伝性はありませんが、10%程度に家族内集積性(特定の家族に集中してみられる現象)があります。ですから、くも膜下出血を発症したり、脳動脈瘤が見つかったというご家族・親戚がいる場合は注意されるとよいでしょう。

くも膜下出血は突然発症するため、予防することが難しいケースがほとんどです。しかし先述したリスクを念頭に置き、それらを避けることは望ましいと考えます。高血圧であれば血圧のコントロールが重要です。また喫煙されている方は、副流煙によって喫煙者本人だけではなく周囲の方へも悪影響を与えていることを忘れないでほしいと思います。また、「くも膜下出血の症状-前兆を見逃さないことが重要!」でも述べますが、くも膜下出血の前兆を見逃さないことも重要です。そうすることで、大きな(重症)くも膜下出血を防ぐことができる場合があります。

先に、くも膜下出血は予防が難しいと述べました。しかし検査によって脳動脈瘤の存在を調べることができ、その出血リスクを予測することができます。それらの結果から、動脈瘤が破裂する前に手術を行うという選択をすることが可能です。次の項目に当てはまる方は、治療をお勧めする場合があります。

  • 動脈瘤の大きさが5〜7mm以上ある
  • 動眼神経麻痺や軽い頭痛などの症状がある(参考記事「くも膜下出血の症状-前兆を見逃さないことが重要!」
  • 前交通動脈、内頸動脈-後交通動脈分岐動脈、後方循環動脈瘤などの破裂しやすい血管の動脈瘤である
  • こぶの形がでこぼこしている
  • 動脈瘤が発見されてから心配のあまり生活の質が落ちている

このなかでも非常に重要な点は、動脈瘤が発見されてから本人の生活の質がどれほど落ちているかということです。動脈瘤があるとわかったことで、これまで外出や運動をして活発に生活していた方が家に閉じこもってしまい、うつになってしまったということが実際に起こっています。また動脈瘤の治療によってうつが治ったという報告もあります。ですから、治療することでの危険性(治療したほうが危険な場合もある)と生活の質の低下を考慮して、最終的にはご自身の判断ですが治療を検討されるのがよいと考えています。

 

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