ここまでは総合東京病院 脳神経外科 脳卒中センター長の森 健太郎先生に、「鍵穴手術」の詳しい治療方法と手術に対する信念をお聞きしました。この記事では、患者さんが手術に際し不安に思われる点について先生にお伺いします。
A:術前に必要な薬はありませんし、術後も抗てんかん剤の内服の必要はありません。
A:現在までの268例中、再手術(クリッピング術)を必要としたのは1例のみです。
A:「ベックうつ病調査テスト」と「ハミルトンうつ病評価尺度」でうつ病のチェックをしています。特に高齢者の方の場合、うつ状態が有意(偶然ではない)に改善しました。「いつ破裂するかわからない」といった漠然とした不安から解消され、ご飯がおいしく食べられる、旅行にも行きたくなった、という方も多いです。
A:麻酔などの影響で吐き気を来すことはあります。しかし創部が小さいので、通常開頭より痛みや障害は少ないです。
A:今までに鍵穴手術を受けた患者さんの92%の方が術後3日以内に退院していますので、回復は早いといえます。
私の鍵穴手術に対するポリシーは「鍵穴手術の方法」内の「鍵穴手術の重要なポイント」で述べたとおりです。特に、術前に3D-CTとCGを用いて徹底的にシミュレーションすること、術中によけいな出血させないことには心血を注いでいます。
客観的な長期の治療成績を提示することで、「鍵穴手術」が未破裂脳動脈瘤(比較的小さく単純で前方循環にある脳動脈瘤)に対しては治療成績がよく、永続性が高いことを今後も発表していきたいと思っています。日本ではなかなか受け入れ難い「鍵穴手術」をさらに広めていきたいと考えています。
「鍵穴手術」は体への影響も少なく、かつクリッピング術の長所も十分に生かしうる治療法です。将来、日本でも「鍵穴出術」の執刀を行う脳外科医が増えることを期待しています。
総合東京病院 脳神経外科 脳卒中センター長
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開頭クリッピング術とカテーテルによるコイル術の違いを教えてください
めまいで受診したところ脳動脈瘤が見つかり、経過観察と言われた
半年ぐらい前からめまいがひどく、横から殴られたようにぐらついたり、視界が揺れたりしていたため、 耳鼻咽喉科を受診したところ、異常なしと診断を受けたが、脳神経外科の受診を勧められた。 その後、脳神経外科を受診したところ、脳動脈瘤という診断を受けたが、めまいの直接的な原因ではないと言われた。 脳動脈瘤の方はまだ大きくはないので経過観察だが、若いので念のため半年おきにMRIを撮るという流れになった。 この場合、めまいに対しては何科を受診したらよいのか。 また、脳動脈瘤に関しては引き続き同じ脳神経外科でMRIを撮りに行った方が良いのか。それとも一度別の病院にかかった方が良いのか。
未破裂脳動脈瘤の治療に関して
10年ほど前に脳底動脈に脳動脈瘤を指摘され、高血圧、高脂血症の薬を内服中でございます。頸部の動脈狭窄もあるため、抗凝固剤も内服しております。 ここ数年で動脈瘤の大きさが2倍くらいになり、現在の大きさは5~6mmです。大きさはさほど問題は無いようなのですが、瘤の形が突き出ている角?のようなものが数カ所あり、それも大きくなっているとのことで、何らかの治療を勧められました。 しかし、動脈瘤の位置が開頭では確認しにくい位置にある為クリッピングは難しく、コイリングが最も良いだろうと言われました。コイリングに関しても、これ以上ネックが大きくなったら難しくなるとのことです。 一番問題なのが、ヨード過敏症があると言うことです。 40年以上前の腎結石の際の造影で、全身に湿疹が出来、ヨード過敏を指摘されました。そのため、どこの病院に行っても治療は出来ないと言われてしまいます。 何か良い方法はないものかと悩んでおります。 私の叔母が40歳代でくも膜下出血で、母が脳出血で亡くなっていること、高血圧の持病もあり、時々血圧が220以上まで跳ね上がる事もあるため、何とか治療できたらと願っております。 何か良い方法があればご教授頂きたく、ご相談させて頂きました。 よろしくお願いいたします。
クモ膜下出血はどのような人がなるのでしょうか?
先日、友人のお母さんがクモ膜下出血で亡くなったという話を聞きました。発見が遅く、発見されたときにはすでに亡くなっていたそうです。私には一人暮らしの母が地元にいるのですが、この話を聞いてから母が突然、倒れるのではないかと心配になることがあります。クモ膜下出血って、そもそもどのような人がなるのでしょうか?ならないように気を付けることができるのでしょうか?
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