【インタビュー】

クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
S664x430 c7ad03b5 7bc8 4fae 9aba 04c84fe0be2d
脳卒中の急性期リハビリテーション
脳卒中における障害をいち早く回復させるためには、リハビリテーションの方法が非常に重要なポイントとなります。リハビリテーションには急性期のリハビリと回復期のリハビリがあり、患者さんがどの段階に該当...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

脳卒中の急性期リハビリテーション

公開日 2015 年 07 月 13 日 | 更新日 2018 年 01 月 04 日

脳卒中の急性期リハビリテーション
酒向 正春 先生

医療法人社団健育会 ねりま健育会病院

酒向 正春 先生

脳卒中における障害をいち早く回復させるためには、リハビリテーションの方法が非常に重要なポイントとなります。リハビリテーションには急性期のリハビリと回復期のリハビリがあり、患者さんがどの段階に該当するかによってリハビリの内容も異なってきます。
では、脳卒中のリハビリテーションとは具体的にどのようなことをしていくのでしょうか。まずは急性期のリハビリについて、医療法人社団健育会 ねりま健育会病院の酒向正春先生にお話をお聞きしました。

急性期の脳卒中リハビリテーション―迅速なリハビリへの着手が重要不可欠

脳卒中を起こしてしまったら、リハビリテーションは病態が落ち着き次第できるだけ速やかに始めましょう。病態が落ち着くのは遅くとも48時間以内ですから、脳卒中となってしまってから2日以内にはもうリハビリテーションを開始してよいという計算になります。

具体的な急性期リハビリテーションの方法は、とにかく患者さんを「起こして、動かす」ことです。同じ体勢にしておかないことが重要となってきます。具体的には、まず寝たきりの状態から患者さんを起こして、それから背もたれの無い椅子に、両足をしっかりと地面につけて座っていただきます。それにより体が無意識にバランスを取ろうとして、体の重心を保とうとするからです。これを前述のとおり、48時間(2日)以内にスタートさせることによって、「廃用症候群」(長期間体を安静状態に置くことによって起こる、筋力低下や床ずれなどの様々な障害)というものがかなりの確率で予防できます。

急性期リハビリテーションへのタイムリミットは「2週間」

一方、2週間以上寝たきりの状態からリハビリテーションに移ってこられた患者さんは、ほとんどの場合廃用症候群に陥っています。具体的には、健側(麻痺を起していない半身)や麻痺側の筋力低下・関節可動域の低下や拘縮・精神状態の乱れ・起立性低血圧の発症・心肺機能の低下・高次脳機能の低下などが挙げられます。やはり、2週間以内に回復期のリハビリテーションに移れるようにすることが大事だといえるでしょう。

1か月以上経過して、廃用症候群が起こった状態で回復期リハビリテーションに来られる患者さんの場合、そのあと廃用症候群を治療するために1か月以上かかってしまいます。つまり、合わせて2か月以上も急性期リハビリテーションに費やすことになります。この場合、発症して1~2週間で来られた患者さんと比べると、莫大な時間とお金の無駄が生じます。当然、患者さんの時間的負担も金銭的負担も大きくなります。だからこそ、できる限り早く急性期リハビリテーションを開始して、体を動かしていくことが大切なのです。

リハビリテーション制度の遷移―回復期リハビリテーション医療制度ができるまで

かつて脳卒中の患者さんに対しては、「脳卒中急性期治療」という治療法がありました。この治療法は、簡潔に言うと「盲目的な安静臥床」です。つまり、「絶対に動かしてはならない。動かすと増悪してしまう。」、ただただ寝かせていることが最適な治療だという方針でした。このような治療を行うと患者さんがどうなってしまうか、前述の説明を見ていただくと予想がつくかと思いますが、褥瘡(床ずれ)・手足や四肢の拘縮(関節の可動域が狭まって固まってしまうこと)・深部静脈血栓症・肺塞栓症の合併など、患者さんをますます悪い状態にさせていたのです

これを受けて厚生労働省は、脳卒中の患者さんが急性期病院に入院する日数をできる限り短くして、リハビリテーション病棟へ早く移そうという指標を出しました。これが2000年にできた、「回復期リハビリテーション医療制度」です。この制度の誕生は、脳卒中医療の革命ともいえるでしょう。
この制度ができたおかげで、かつてリハビリテーションに移るまで3か月以上かかっていたものが、今は2か月以内にまで短縮できています。

脳卒中を発症した後、3か月も病態が落ち着かないということは、基本的にありません。
48時間・悪くても一週間あれば、急性期リハビリテーションを開始することが十分に可能です。つまり、初期の急性期症状をしっかりと短期間で治療して、素早くリハビリテーションに回すという連携が取れていることが重要といえるでしょう。この連携がうまくいかないと、廃用症候群や合併症などを起こすリスクが非常に増してくるのです。

 

関連記事

後遺症と人生を回復する脳卒中リハビリテーション

みなさんは、「作業療法士」という職業をご存知でしょうか。作業療法士とは、身体に起きた機能障害を回復する手助けをする職業ですが、その仕事内容は幅広く、障害の起きた原因の数だけさまざまなアプローチや治療法が存在します。

この記事の目次

  1. 作業療法士の役割
  2. 脳卒中専門の作業療法の難しさ
  3. リハビリがうまくいかない理由

発展する脳卒中のリハビリテーション

よりよいリハビリを受けたい、より自分に合う作業療法士と出会いたいと望むのは、治療に取り組む患者さんやご家族にとって当然のことでしょう。現在のところ、どんな病院が自分に合っていてどんな作業療法士を探せばよいのか、その基準となるはっきりした指標がないためリハビリに課題を抱えていらっしゃる方も多いかもしれません。

この記事の目次

  1. 自分にとってよい作業療法士やリハビリ施設を探すことは可能なのか
  2. 評価指標の例
  3. 回復期リハビリテーションのその後
  4. リハビリテーションの未来

脳卒中のリハビリテーションと就労支援

脳卒中は高齢になるほどリスクが高くなるとされています。しかしその内訳をみると、脳梗塞を発症する方が高齢者中心であるのに対して、脳出血は30代、40代の方が発症する例も珍しくありません。

この記事の目次

  1. 個人に合わせたリハビリテーション
  2. 高次脳機能障害
  3. 職業復帰をサポートする就労支援コーディネーター

脳卒中における回復期のリハビリテーション

脳卒中のリハビリテーションにおいては、急性期の治療直後から早期にリハビリテーションを開始することが重要です。しかし、多くの患者さんはその後もさらに継続的な治療とリハビリテーションが必要となります。

この記事の目次

  1. 脳卒中における回復期のリハビリテーション
  2. 大森本院と蒲田分院の各サービスの連携
  3. 脳卒中の後遺症は継続した治療とリハビリが必要
  4. トータルケア・システム

脳卒中の後遺症と復職を目指したリハビリのポイント-麻痺などの後遺症と復帰前の注意点

脳の血管に何らかの障害が起こり、ある日突然に発症する脳卒中。手足の麻痺症状や筋肉の硬直などの後遺症に直面し、「もう自分は職場に戻れないのではないか」と悩んでしまう就業中の患者さんも多数おられます。

この記事の目次

  1. はじめに-脳卒中の後遺症は改善できる
  2. 記憶障害などの高次脳機能障害も脳卒中の後遺症のひとつ
  3. 脳卒中後の復職-精神的な疲れやすさ「易疲労性」の克服が重要
  4. 復職後に精神障害をきたす脳卒中患者さんを減らしたい
  5. その他の代表的な脳卒中の後遺症
  6. 脳卒中後の復職のカギは後遺症の有無だけではない
  7. 脳卒中の後遺症により仕事を辞めるか悩んでいる方へ

脳卒中の後遺症とリハビリが必要な症例

最近ではカテーテル治療などが発達し、もし脳卒中を発症してもすぐに亡くなってしまうことが少なくなりました。しかしその代わりに、後遺症に苦しむ患者さんも少なくありません。

この記事の目次

  1. 後遺症を発症しやすい脳卒中
  2. 脳卒中を発症したら必ずリハビリをするの?
  3. リハビリが必要なのはどんな症状?

脳卒中における回復期のリハビリテーション

脳卒中における障害をいち早く回復させるためには、リハビリテーションが非常に重要なポイントとなってきます。リハビリテーションには急性期のリハビリと回復期のリハビリがあり、患者さんがどの段階に該当するかによってリハビリの内容も異なってきます。

この記事の目次

  1. 回復期のリハビリテーション
  2. 退院後のリハビリテーション

1987年愛媛大学医学部卒業後、同大学脳神経外科学教室へ入局し、脳卒中治療を専門とする脳神経外科医となる。その後病気の治療のみならず、患者の残存能力を引き出し回復させていくことの重要性を感じ、2004年脳リハビリテーション医に転向。2012年より世田谷記念病院副院長および回復期リハビリテーションセンター長を務め、豊富な経験と深い知見から高い成果をあげている。またライフワークとして「健康医療福祉都市構想」を提言、超高齢化社会を見据え、高齢者や障害者、子育て世代を含めた全ての世代に、街でリハビリテーションに取り組める優しい街づくりに尽力している。2017年3月より医療法人社団健育会 ねりま健育会病院院長を務める。

関連記事