インタビュー

脳梗塞を疑うしびれには注意が必要——注意すべきしびれとは

脳梗塞を疑うしびれには注意が必要——注意すべきしびれとは
谷脇 予志秀 先生

高邦会福岡山王病院 神経内科部長

谷脇 予志秀 先生

この記事の最終更新は2016年01月28日です。

「しびれの原因となりうる病気とは」の記事で、しびれの原因となりうる病気についてご説明しました。そのなかでも特に注意しなければならないしびれは、脳卒中を疑うしびれです。脳卒中を疑うしびれにはいくつかの特徴があります。しかし、「脳卒中の特徴的な兆候がなくとも、“脳卒中ではない”と言い切ることは難しい」と、福岡山王病院 神経内科部長 谷脇予志秀(たにわき よしひで)先生はおっしゃいます。本記事では、脳卒中を疑うしびれについてお話しいただきました。

注意すべきしびれは、脳卒中を疑うしびれです。脳卒中とは、急激に脳の血管に障害が起こる疾患の総称です(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血など)。脳卒中は、発見や治療が遅れると後遺症や死亡につながる危険性がありますので、早期に診断し治療を行う必要があります。

脳卒中の前兆には、片方の手足がしびれる・視野が半分欠けている・ろれつが回らない・反応が遅くなった・手に力が入らないなどが挙げられます。特に、片方の手足のしびれが突然起こった場合は、程度に関係なく注意したほうがよいでしょう。また、5~10分程度で症状がおさまった場合でも、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる脳梗塞の一種の危険性があります。上記のような前兆が起こった場合は、救急車を呼ぶなど、迅速に受診されることをおすすめします。しかしながら、脳卒中の可能性が低いしびれ(両方の手足や指先のしびれなど)が起こった場合でも、「脳卒中ではない」と言い切ることはできません。なぜなら、「しびれの原因となりうる病気とは」でも述べたとおり、しびれの原因を突き止めることは非常に難しいからです。「脳卒中(脳血管障害)ではない」言い切ることのほうが、患者さんに不利益をこうむる危険性があると考えています。

ですから、しびれの原因が脳血管障害であるかどうかの判断は、患者さんが訴えられた症状だけを聞いて行うことはしません。その患者さんが脳血管障害を起こしやすい体質であるかということも加味して検討します。脳血管障害を起こしやすい体質とは、たとえば生活習慣病高血圧糖尿病脂質異常症・肥満・喫煙不整脈)を抱えている方です。特に不整脈(心房細動)の場合、心臓で発生した血栓が脳に飛ぶ場合があります。その場合、片手だけなどの部分的なしびれや麻痺が起こる可能性があります。これらのことから、しびれはあらゆる危険性を加味して診断することが重要です。

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