【インタビュー】

クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
S664x430 11161638 3706 48d9 9de2 97dfa3f2df5a
脳の可塑性―リハビリで期待できること
脳卒中が起きると、脳の血管に障害が起きて脳にダメージを与え、脳の神経細胞が死んでしまいます。死んでしまった脳細胞の働きがもとに戻ることは二度とありません。しかし、脳卒中のリハビリテーションは、機...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

脳の可塑性―リハビリで期待できること

公開日 2016 年 02 月 19 日 | 更新日 2017 年 12 月 05 日

脳の可塑性―リハビリで期待できること
二瓶 太志 さん

大泉学園複合施設 ねりま健育会病院 リハビリテーション部

二瓶 太志 さん

脳卒中が起きると、脳の血管に障害が起きて脳にダメージを与え、脳の神経細胞が死んでしまいます。死んでしまった脳細胞の働きがもとに戻ることは二度とありません。しかし、脳卒中のリハビリテーションは、機能回復を目指すための治療が重要です。脳の神経細胞の働きが失われたのに、機能回復を目指すとはどういうことなのでしょうか。大泉学園複合施設 ねりま健育会病院 リハビリテーション部 作業療法士の二瓶太志先生に脳の可塑性のメカニズムについてうかがいます。

脳の可塑性

脳の神経細胞は、一度死んでしまうと、もとに戻ることは残念ながら二度とありません。その神経細胞の働きによる脳機能も失われてしまいます。つまり、記憶を司る脳の領域が損なわれると記憶することができなくなってしまい、運動を司る領域が損なわれると手足を動かすこともできなくなってしまうということです。ですから、以前のリハビリは、麻痺した側の機能はあきらめて、ほかの動く部分を強化することを重点的に行う傾向がありました。

しかし、最近の脳科学の研究において、リハビリテーションによって損傷した脳領域周辺の細胞など新たな神経回路ができることが明らかになりました。学習や経験で脳細胞のシナプス結合が変わり、運動や行動に変化が現れるという神経可塑性が提唱されています。たとえば、脳梗塞で指を動かす神経細胞が死亡しても、訓練によって通常「手首」を動かす指令を出す神経細胞が「指」を動かす指令を発することができるようになります。再び指を動かすことが可能になるのです。このような脳の運動学習メカニズムが、麻痺した筋肉を動かすことによる麻痺した筋肉の治療を可能にするのです。

また、脳は脳梁を介して左右相互に抑制しあい、均等に働けるように調整し合うという特徴があります。たとえば、どちらかの脳が損傷を受けた場合、損傷を受けていないほうの脳による損傷を受けた脳への抑制が強くなってしまい、活動性が低下してしまいます。損傷を受けていない脳が余計にがんばってしまい、損傷を受けた脳の本来の力を抑制してしまうのです。したがって、左右の脳を調整するようなリハビリテーションも重要です。

このように脳は、損傷を受けても回復する力を持っています。特定の領域が損傷を受けてもその損傷を自らカバーしようとする機能がもともと備わっているのです。ですから、脳機能が失われても、適切なリハビリテーションによって機能回復することは可能なのです。

脳科学の進歩とともに発展する脳卒中のリハビリ機器

このような脳のしくみが明らかになったことによって、リハビリで使用される電気機器などにも大きな変化がもたらされました。以前は、使える部分を強化することを目的とし、動く部分を「筋トレする」ようなイメージでリハビリを行っていました。しかし、現在脳卒中のリハビリで使用される最新の電気機器は、患者さんの腕などに装着すると腕の筋肉の筋電を察知し、筋肉の収縮を促す刺激を送るというつくりになっています。私たち人間の身体は、動く時にわずかな電気信号を発しています。その電気信号を機器が察知してよりよい筋活動を促し、それによって生まれる感覚が脳の運動の学習を強化します。結果、腕をもっと大きくスムーズに動かせるように、脳の「腕を動かす」という指令を改善するようなしくみになっているのです。

また、電気機器以外にも、互いに抑制しあっている左右の大脳の神経活動のバランスを調整する機器もあります。磁気による刺激です。リハビリで目的としたいことは「損傷した脳の機能や信号をいかに適切に回復するか」ですから、損傷した脳にがんばってもらわなければなりません。その場合、大脳への磁気刺激の与え方によって、損傷していない脳の過剰な信号を少しだけ抑制し、両方の脳がより適切に働いてもらうように調整することもできます。損傷していない側と損傷した側、両方のリハビリをバランスよくすすめていくことが非常に重要なのです。

 

横須賀市立うわまち病院 ICUの取り組み-患者さんやご家族に寄り添ったコミュニケーションを

横須賀市立うわまち病院 ICUの取り組み-患者さんやご家族に寄り添ったコミュニケーションを

横須賀市立うわまち病院 集中治療部 部長

牧野 淳 先生

ICU(Intensive Care Unit)とは、救急搬送された最重症の患者さんや急変した入院患者さんの治療、手術後の患者さんの全身管理などに対応する集中治療室です。横須賀市立うわまち病院のICUは、集中治療に関する専門的な知識や技術を有する専属の医師が常駐している点が大きな特徴です。 同病院のICUスタッフは、どのようなことを心がけて、日々の治療にあたっているのでしょうか。また、...

この記事の目次

  • ICUの役割とは?

  • 横須賀市立うわまち病院 ICUの特徴

  • 横須賀市立うわまち病院 ICUで働くスタッフとは?

脳梗塞や脳動脈瘤の脳血管内治療 - そのリスクと対策

脳梗塞や脳動脈瘤の脳血管内治療 -  そのリスクと対策

南東北グループ副理事長/医療法人財団 健貢会 理事長/ 総合東京病院 院長

渡邉 貞義 先生

脳梗塞や脳動脈瘤、頸動脈狭窄症などの低侵襲な治療法として近年実施施設が増えている脳血管内治療。脳血管内治療は太ももから頭頸部へカテーテルを通して手術を行う治療法です。開頭手術と比べて術後の回復が早いなどそのメリットが注目されますが、リスクもゼロではありません。今回は脳血管内治療の適応疾患や術式、リスクと対策について、総合東京病院 院長 同院脳血管内治療センター長の渡邉 貞義先生にお聞きします...

この記事の目次

  • 脳血管内治療とは

  • 脳血管内治療の種類と適応疾患の一例

  • 脳血管内治療で懸念される合併症やリスクとその対策

脳卒中の後遺症ー復職はできるのか

脳卒中の後遺症ー復職はできるのか

独立行政法人労働者健康安全機構・関東労災病院リハビリテーション科部長

小山 浩永 先生

脳の血管に何らかの障害が起こり、ある日突然に発症する脳卒中。手足の麻痺症状や筋肉の硬直などの後遺症に直面し、「もう自分は職場に戻れないのではないか」と悩んでしまう就業中の患者さんも多数おられます。 関東労災病院の勤労者リハビリセンターでは、仕事を持つ脳卒中患者さんの心身に寄り添い、後遺症の治療と共に元の職場に戻れるよう復職支援を行っています。実際に多くの患者さんの社会復帰を後押ししてき...

この記事の目次

  • はじめに-脳卒中の後遺症は改善できる

  • 記憶障害などの高次脳機能障害も脳卒中の後遺症のひとつ

  • 脳卒中後の復職-精神的な疲れやすさ「易疲労性」の克服が重要

「人が人を治療する」をモットーに、リハビリは生活機能だけでなく脳卒中患者とそのご家族が人生を取り戻すものととらえ、日々現場臨床に携わる。急性期、回復期、生活期と幅広い領域での臨床経験と総合リハビリ病院開設の経験も生かし、脳卒中障害の理解やリハビリテーションの重要性を広めるべく、地域の講演会などにも積極的に参加している。

関連記事