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インタビュー

脳卒中の回復期にリハビリを行う理由

脳卒中の回復期にリハビリを行う理由
二瓶 太志 さん

大泉学園複合施設 ねりま健育会病院 リハビリテーション部

二瓶 太志 さん

回復期にリハビリを行うことは、患者さんにとってどのように効果があるのでしょうか。大泉学園複合施設 ねりま健育会病院 リハビリテーション部 作業療法士の二瓶太志先生にお話をうかがいます。

脳卒中を発症した場合、救急で病院へ運ばれるとすぐに治療が行われます。これを「急性期治療」といい、発症した脳卒中の症状に対して治療を行うことを目的としています。この急性期治療で優先されることは、まずは命を落とさないようにすること、脳の機能をできるだけ損なわないようにすることです。

そして、「急性期治療」を終えた患者さんには次の治療のステージが訪れます。病気の発症によって失った機能を回復する時期です。これを「回復期」と呼びます。回復期は、病気を発症して急性期治療が行われてから2~6ヶ月後あたりまでの期間を指します。特に、感情や全身の機能に影響を及ぼす脳卒中の場合、この回復期の治療が非常に重要な意味を持ちます。

竹川病院の回復期リハビリテーションでは、リハビリ病棟入院時に退院時の機能予後予測を行い、そのゴールを目指して訓練計画を進めます。すなわち、可能な範囲で機能と能力を高めるためには、身体を動かさない期間をできるだけ短くし、身体が固まってしまわないように動かす必要があるのです。また、回復期では、最大限の機能回復と生活能力の向上を図っていくとともに、退院後の在宅生活が継続できることをイメージしてリハビリを進めていくことが大切です。退院にあたっては家屋環境調整、在宅サービス調整などを行い、家族指導、退院後リハビリメニューの組み立てと生活スケジュールの組み立ても同時に行っていきます。

回復期は、病気を発症したご本人、そのご家族ともに障害と向き合わなければならない時期で、さまざまな心理変化が起きやすい時期です。たとえば、今まで元気にバリバリ仕事をしてきたお父さんが突然脳卒中で倒れてしまった場合など、ご家族はもちろん、何より患者さんご本人がショックを受け、なかなかその状況を受け入れられず、ご自分の状況を否認・拒否してしまいます。しかし、今の自分と向き合いうまくやっていく方法を学び、これからの活力を生み出すきっかけをつかんでいただくのが回復期の大事な役割の一つだと思っています。病院で次の人生のステージの準備をしていただく。まさに回復期は、患者さんがその人らしい日常に戻っていくために生活を組み立てる「回復」作業にもっとも適している時期なのです。

脳卒中からの回復には、3段階の治療が必要です。命を落とさないための「急性期」治療、そして人生を取り戻すための「回復期」リハビリテーション、そしてもう1つが「慢性期」リハビリテーションです。脳卒中のリハビリをより効果的に行い、可能な限り機能回復するためには、適切な時期に行う必要があります。

『回復期リハビリテーション医療制度』は、2000年に厚生労働省が発表した「脳卒中を発症した患者さんをできるだけ早くリハビリ病棟へ移し、日常生活に必要な身体機能を取り戻すためのリハビリをできるだけ早く開始しよう」という考えかたの指標です。重い後遺症を防ぐために、脳卒中の急性期治療やその予後の治療研究は急速に発展しています。

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