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脳梗塞の症状-初期症状を見逃さないために知っておくべきこと!
脳梗塞を発症すると脳に血液が行き渡らなくなり、脳の組織が壊死を起こしてしまうため、初期症状を見逃さず一刻も早く治療を受けることが大切です。また、どの血管が詰まるかによって脳が損傷を受ける部位が異...
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脳梗塞の症状-初期症状を見逃さないために知っておくべきこと!

公開日 2016 年 03 月 14 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

脳梗塞の症状-初期症状を見逃さないために知っておくべきこと!
瀧澤 俊也 先生

東海大学医学部内科学系神経内科学 所属主任教授/ 東海大学医学部付属病院神経内科 診療科長/ 東海大学総合医科学研究所 所長

瀧澤 俊也 先生

脳梗塞を発症すると脳に血液が行き渡らなくなり、脳の組織が壊死を起こしてしまうため、初期症状を見逃さず一刻も早く治療を受けることが大切です。また、どの血管が詰まるかによって脳が損傷を受ける部位が異なり、失われる機能にも違いがあります。東海大学医学部付属病院神経内科領域主任教授・診療科長であり、東海大学総合医科学研究所の所長を務めておられる瀧澤俊也先生に脳梗塞の症状についてお話をうかがいました。

脳梗塞の初期症状をチェックするACT-FAST

「ACT-FAST」とは、脳梗塞が疑われるときにできるだけ早く気づいて行動するための取り組みです。

F :Face(フェイス:顔の麻痺)

チェック方法:笑顔をつくる

症状:顔の片側が下がる・ゆがみがある

A: Arm(アーム:腕の麻痺)

チェック方法:目を閉じて胸の前に両腕を伸ばし、手のひらを上にして5秒間キープする

症状:片方だけ落ちたり上がらなかったりする

S: Speech(スピーチ:言葉の障害)

チェック方法:簡単な質問をして答えてもらう・簡単な言葉を言ってもらう

症状:滑舌が悪い・ろれつが回らない・言葉が出てこない

T: Time(タイム:発症時刻)

上記のような症状があったときは、症状が出始めた時間を記録しておき、すぐに救急車を呼びましょう。治療は早ければ早いほど、その後の経過がよくなります。

脳梗塞の部位と症状

脳梗塞で損傷を受けた脳の部位によって症状に違いがあります。前大脳動脈では脚の麻痺が多く、顔や舌の麻痺はあまりみられません。中大脳動脈では手の麻痺が強く、言葉にも障害が出るといわれています。また、後大脳動脈では物が見えないなど、おのおの症状が異なります。

前大脳動脈領域

  • 下肢優位の運動感覚障害
  • 顔面と舌は麻痺を免れることが多い
  • 活動性や発話の自発性の低下
  • 課題を持続出来ない無為(abulia)
  • 古典的記載では、尿失禁

中大脳動脈領域

  • 対側の顔面、上肢優位の運動感覚障害
  • 対側の同名性半盲
  • 病巣への共同偏視
  • 左大脳半球であれば失語をきたす
  • 左大脳半球後方(角回・縁上回)ではゲルストマン症候群(失書、失算、手指失認、左右弁別障害)
  • 右大脳半球であれば、視覚空間認知障害・構成失行・病態失認

後大脳動脈領域

  • 対側の半盲をきたす
  • 左半球では失書を伴わない失読(alexia without agraphia)・失読失書(alexia with agraphia)・錯読・健忘
  • 右半球では構成失行・地誌的見当障害
  • 両側後頭葉では、本人が見えていないことを自覚しないAnton徴候

脳梗塞のタイプによる症状の違い

ラクナ梗塞は細い血管が詰まって1.5cm未満の小さい梗塞が起こるタイプです。したがって、運動麻痺のみ、感覚の麻痺のみ、言葉がうまくしゃべれないだけで他に異常がないといった、限局的な症状である場合が多くみられます。しかし、心原性脳塞栓症やアテローム血栓性塞栓症など梗塞が大きいものは麻痺も強く、意識障害(ぼーっとしている・言っていることがわからない)や失語(言葉が理解できない)など、脳の皮質にかかわる障害が疑われる症状があります。

一過性脳虚血発作(TIA)の症状

一過性脳虚血発作(TIA)は、しばらくすると症状がおさまるため、医療機関を受診せずそのまま放置されることがあります。しかし狭心症と心筋梗塞の関係と同様に、TIAを発症した方は一定の割合でその後に脳梗塞を起こします。したがって、TIAと急性脳梗塞は一連の病態として扱われ、区別することなく治療することが必要であると考えられます。

TIA発症後90日以内の脳卒中発症危険度は15〜20%といわれており、また脳梗塞発症例の約半数はTIA発作から48時間以内に発症しています。しかしご高齢の方の場合は、近隣の方に知られて大ごとになることを好まないため、いったん症状がおさまってしまうと救急車を呼ばないことが多く、早急な受診を呼びかけてもなかなか効果が上がりません。

そこで最近では、お孫さんの世代にあたる若い方たちに対する教育・周知活動が重視されています。中高生など学生の方を対象に、おじいちゃん・おばあちゃんに麻痺などの異常があったときにはすぐに救急車を呼ぶようにしましょうというキャンペーンを行っています。

 

大学病院の神経内科として日本有数の症例数を誇る東海大学医学部付属病院で診療科長を務め、急性期脳血管障害の血栓溶解療法・血管内治療を始めとするハイレベルな最新医療を提供している。また東海大学総合医科学研究所の所長として、末梢血単核球培養細胞動注移植による脳梗塞治療法の開発を行うなど、最先端の神経再生治療に取り組んでいる。

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