インタビュー

病型別にみる脳梗塞の治療

病型別にみる脳梗塞の治療
瀧澤 俊也 先生

神奈川リハビリテーション病院 脳神経センター長、東海大学 医学部内科学系神経内科学 所属主任教...

瀧澤 俊也 先生

この記事の最終更新は2016年03月16日です。

脳梗塞は発症の仕組みによっていくつかの病型(タイプ)に分けられます。それぞれのタイプごとに治療方法が異なり、薬物治療で使われる薬の種類も変わってきます。東海大学医学部付属病院神経内科領域主任教授・診療科長であり、東海大学総合医科学研究所の所長を務めておられる瀧澤俊也先生にタイプごとの脳梗塞の治療についてお話をうかがいました。

脳塞栓症は脳の外から流れてきた血栓が脳の血管に詰まって起こります。心原性脳塞栓症の主な原因は、不整脈心房細動)・心筋症心臓弁膜症洞不全症候群といった心臓の病気です。心房細動とは心臓の拍動が不規則になる不整脈の一種ですが、男女ともに加齢とともに増加しています。脳梗塞の患者さんでは、70歳以上の4人に1人が心房細動を合併しており、心房細動がある人は脳梗塞の再発率も高くなります。

心原性脳塞栓症(左房内血栓)の原因となる血栓は、静脈にできる血栓と同様に血流のうっ滞したところでゆっくりとできるので、フィブリンという成分が主体となった血栓を形成します。このような血栓に対する治療としては抗凝固薬が有用です。しかしワルファリンカリウムによる従来の抗凝固療法には以下のさまざまな制限があり、使用の煩雑さを伴います。これは医療関係者のみならず、患者さんやその家族にとっても負担となる場合があります。

  • 効果予測が不可能
  • 狭い治療域
  • 定期的なモニタリングが必要
  • 効果発現・消失が遅い
  • 頻繁な用量調節が必要
  • ビタミンK含有食物の制限
  • 薬物相互作用が多い
  • 薬剤抵抗性

NOACsと呼ばれる新しい経口抗凝固薬はワルファリンカリウムとは異なるしくみで血液の凝固を阻害します。血液の凝固にはさまざまな因子が関係していますが、なかでも第VII因子は頭蓋内の止血にかかわっています。血管が破れたところでは、血管外に存在するTF(組織因子)に第VII因子が結合することで凝固反応が起こって出血が止まります。

この第VII因子の役割を踏まえると、直接トロンビン阻害薬や第Ⅹa因子阻害薬であるNOACsは第VII因子を抑制しないため、頭蓋内出血リスクが低いと考えられます。一方、ワルファリンカリウムは第VII因子を抑制するため、頭蓋内出血リスクはNOACよりも高いと考えられます。つまり、頭蓋内では第VII因子に対する作用の違いが出血リスクの差につながるといえます。

ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化で狭くなって起こります。動脈硬化の原因は高血圧喫煙糖尿病脂質異常症などです。頸動脈エコー(超音波検査)によって血管の狭窄(きょうさく・狭くなること)のようすを調べることができます。また、MRI(磁気共鳴画像)で血管のプラークそのものを映し出すこともできるようになりました。動脈硬化による血栓は、狭くなった動脈の血流がはやいところでできるため、活性化凝固因子の濃度が血流によって低くなります。このため静脈でできるようなフィブリン主体の血栓ではなく、血小板主体の血栓が形成されます。したがって、治療としては抗血小板薬が有用です。

高血圧・脳梗塞・心筋梗塞・血管狭窄・睡眠時無呼吸症候群・脂質異常症・糖尿病・炎症などによって血小板が活性化するため、この活性化を抑制することが治療の鍵となります。そのためにはチクロピジンやアスピリンなど、それぞれ違う働きによって血小板の活性化を抑制する薬を組み合わせて使います。

抗血小板薬による薬物治療で十分に改善しない場合は、外科治療も行なわれます。頚動脈内皮剥離術(CEA)という手術によってプラークを除去する方法と、血管内にステントを置いて狭窄部分を広げるステント留置術(CAS)があります。頸動脈のステント留置術は私たち神経内科のほかにも脳神経外科、循環器内科でもそれぞれ治療が可能です。

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    瀧澤 俊也 先生

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東京女子医科大学 脳神経外科学講座 教授・講座主任

かわまた たかかず

内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科

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総合東京病院 院長

わたなべ さだよし
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内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、ペインクリニック科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、脳神経内科、血管外科、放射線診断科、放射線治療科

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新座志木中央総合病院 部長、脳卒中・血管内治療センター長、佐々総合病院 非常勤、メディカルスキャニング浜松町 非常勤

おくむら ひろたか
奥村先生の医療記事

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内科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、リハビリテーション科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、脳神経内科、肛門外科、放射線診断科、児童精神科、総合診療科、産婦人科、救急科

東京都西東京市田無町4丁目24-15

西武新宿線「田無」北口 徒歩3分、西武池袋線「ひばりヶ丘」西武バス 境03、境05、田42系統 田無駅下車 徒歩3分   バス、JR中央線(快速)「武蔵境」西武バス 境03、境04、境07系統 田無駅下車 徒歩3分 バス

東京都済生会中央病院 院長補佐、脳神経内科 部長、脳卒中センター長

おおき こういち

内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科

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都営大江戸線「赤羽橋」赤羽橋口 徒歩3分、都営三田線「芝公園」A2出口 徒歩8分

昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授

みずたに とおる
水谷先生の医療記事

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内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線治療科、頭頸部外科、精神神経科、病理診断科

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