
震えもひどくなるとQOL(生活の質)を著しく低下させてしまいます。日常生活に支障を来すほどの震えで悩んでいる方は少なくありません。ときに仕事にも影響を与えることがあるため、有効な治療が求められています。福岡山王病院 脳神経外科部長の大原信司先生に震えの外科的治療についてお話を伺いました。
治療は震えの種類に応じて行うため、どのタイプの震えなのか正しく診断しなければなりません。
震えの原因で多くを占めているのが、本態性振戦とパーキンソン病です。どちらも震えを伴うため、誤診されることも少なくありません。大きな違いは、安静にしている時に震えが起こるのがパーキンソン病であるのに対して、本態性振戦はからだを動かしている時に起こるということです。また、パーキンソン病は震え以外にも症状がありますが、本態性振戦の症状は震えのみというのも特徴です。
パーキンソン病の場合は、通常動作を起こすときに震えは出ないため、字を書いたり、食事をしたりすることに問題はありません。しかし一方で、安静にしていると震えが現れるため、「震えて眠れない」こともあります。
一方、 本態性振戦は何かしようとする時に震えが起きるので、食事が食べられなかったり、字が書けなかったりといったことが生じます。私が担当した患者さんで、食事のときに震えが現れるため箸やスプーンが使えず、数年間パン以外に食べていないという方がおられました。また、長いこと診断がつかずに人前で震えが止まらないことなどから、職を失ったという方もおられました。
薬物治療を含む、基本的な治療を行った上で、震えが日常生活にも支障を来すような場合に外科的治療を検討することになります。
症状は震えだけという本態性振戦とは対照的に、パーキンソン病は固縮(こしゅく: こわばり)や動作緩慢(動作が遅い)、歩き出すと止まらない突進現象だったり、表情が乏しくなったりするなど、震え以外にもさまざまな症状を呈します。そのため、パーキンソン病による震えの場合は、パーキンソン病自体の治療も必要です。
現在、振戦に対する外科治療として行われているのは脳深部刺激療法(DBS)です。脳深部刺激療法とは、脳の深部に電極を植え込んで、神経細胞に電気刺激を与えることで震えを軽減させる治療法です。
この対象となるのは、本態性振戦やパーキンソン病、ジストニアなどの病気で、日本では2000年に保険適応となった治療法です。震えに対する有効性は非常に高く、およそ9割のケースで症状を改善できると報告されています。また、パーキンソン病のほかの症状やジストニアに対しても有効であることが示されています。
脳深部刺激療法は現在まで国内では5000例以上、世界的にはおよそ10万例に及ぶ症例の実績があり、震えに対する外科手術としては安全で効果が高い治療法として知られています。
おおはら脳神経クリニック 院長
周辺でパーキンソン病の実績がある医師
国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経内科 副部長
内科、外科、精神科、脳神経外科、小児科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、脳神経内科、児童精神科
東京都小平市小川東町4丁目1-1
西武多摩湖線「萩山」南口 病院シャトルバス運行 徒歩7分、JR武蔵野線「新小平」病院シャトルバス運行 徒歩10分
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 理事長特任補佐
内科、外科、精神科、脳神経外科、小児科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、脳神経内科、児童精神科
東京都小平市小川東町4丁目1-1
西武多摩湖線「萩山」南口 病院シャトルバス運行 徒歩7分、JR武蔵野線「新小平」病院シャトルバス運行 徒歩10分
国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経外科 部長
内科、外科、精神科、脳神経外科、小児科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、脳神経内科、児童精神科
東京都小平市小川東町4丁目1-1
西武多摩湖線「萩山」南口 病院シャトルバス運行 徒歩7分、JR武蔵野線「新小平」病院シャトルバス運行 徒歩10分
国立国際医療研究センター 脳神経内科 科長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
東京都済生会中央病院 総合診療内科・脳神経内科
内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
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