【院長インタビュー】

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地域包括ケアの中核を担う地域医療支援病院を目指して―古賀総合病院
社会医療法人同心会 古賀総合病院は、1948年に宮崎県宮崎市に古賀内科として開設され、今年で70年を迎えます。総合病院として幅広い医療を提供するほか、同法人内には介護老人保健施設や訪問看護ステー...
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地域包括ケアの中核を担う地域医療支援病院を目指して―古賀総合病院

公開日 2018 年 08 月 30 日 | 更新日 2018 年 08 月 30 日

地域包括ケアの中核を担う地域医療支援病院を目指して―古賀総合病院
今村 卓郎 先生

社会医療法人同心会 古賀総合病院 院長

今村 卓郎 先生

目次

社会医療法人同心会 古賀総合病院は、1948年に宮崎県宮崎市に古賀内科として開設され、今年で70年を迎えます。総合病院として幅広い医療を提供するほか、同法人内には介護老人保健施設や訪問看護ステーション、クリニック、健診部門、メディカルフィットネス、看護専門学校も擁しています。

少子高齢化が進む宮崎市を含む宮崎東諸県医療圏と西都児湯医療圏の医療を担う病院として、古賀総合病院はどのような取り組みを行っているのでしょうか。院長である今村 卓郎先生にお話を伺いました。

少子高齢化する地域を支える古賀総合病院

古賀総合病院ご提供

古賀総合病院は、病床数363床を構える地域医療支援病院で、内科、外科、産婦人科、精神科、皮膚科、泌尿器科、整形外科、耳鼻いんこう科、眼科、放射線科、リハビリテーション科を擁しています。当院が位置する宮崎市は人口減少と高齢化が進んでおり、そうした地域のニーズに幅広く対応するため、各診療科とも地域と連携した診療体制を整えています。

地域を支える幅広い診療体制

外科

外科待合室 古賀総合病院ご提供

当院の外科は、胃がんや大腸がんなどの消化器外科の領域を中心とした診療を行っています。肝・胆・膵領域の良性・悪性疾患が多いのも当院消化器外科の特徴です。また、当院は宮崎県内でもいち早く腹腔鏡下手術を取り入れました。

外科では、年間1,191件ほどの手術を行っています[注1]。内分泌内科に県内各地から多くの甲状腺疾患の患者さんが紹介されてくる関係上、甲状腺がんやバセドウ病の手術も多く行っています。そのほか、血管外科では下肢動脈のバイパス術や下肢静脈瘤の手術なども行っています。

[注1]2016年4月~2017年3月の実績 

内科

内科待合室 古賀総合病院ご提供

2018年6月現在、内科は常勤医が24名在籍しており、多岐にわたる領域を診療しています。

内分泌・糖尿病内科は前述したように甲状腺疾患を特に強みとしており、診療実績も豊富です。糖尿病の患者さんも多く、循環器内科や腎臓内科とも連携して対応しています。

腎臓内科では腎センターに県内でも有数の56床の透析台を備え、外来透析を行っています。自院他院を問わず透析患者さんの急変や透析患者さんのシャントトラブルなどにも対応しています。腎炎やネフローゼの患者さんも少なくありません。

血液内科では多発性骨髄腫や悪性リンパ腫、白血病などに対して大学病院とも連携して化学療法などを積極的に行っています。県内各地からの紹介も多数いただきます。高齢の患者さんが多くはありますが、幅広い年齢層に対応しています。また、外来通院による化学療法の患者さんが増えています。

消化器外科に強みを持っているぶん、消化器内科でも積極的に診療を行っています。上部・下部消化管出血に対する内視鏡的な緊急止血治療も多く、2017年度には年間81件[注2]を実施しました。

肝臓内科では、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がんなどに対して、生検や肝動脈塞栓術なども積極的に実施しています。

循環器内科では、心臓カテーテル件数とPCIの実績が増えています。また、虚血性心疾患と高齢者の心不全患者さんが増えてきています。

総合的な診療を行っている内科部門(標榜科ではありません)では、不明熱や感染症、敗血症などの患者さんや救急車やウォークインで来院される救急患者さんの対応も担っています。

神経内科では、高齢者の多岐にわたる内臓疾患に対応可能な状況にしています。

[注2]2017年4月~2018年3月の実績

産婦人科

産婦人科の外来 古賀総合病院ご提供

当院は地域周産期母子医療センターを開設し、オープンシステムで年間545 件ほどの分娩を取り扱っています[注3]。また、婦人科での手術も数多く行っているほか、不妊治療にも力を入れています。

[注3]2015年4月~2016年3月の実績

精神科

精神科では、うつ病や不安神経症、認知症の患者さんを多く診ています。2017年夏から、毎日より多くの患者さんを受け入れられるように外来体制の強化、在院日数の短縮化などに取り組んでいます。内科や外科系診療科に入院してこられた高齢患者さんの認知症にも機動力を発揮して、積極的に連携して加療にあたっています。

救急医療

救急医療に関しては、救急車の受け入れ台数が年々増加傾向にあります。対外的にまだまだ誇れる数ではありませんが、独立した救急部門がないなかで、夜間休日の当直医が地域のニーズに応えようという機運の高まりと、研修医も含めた若手医師の増加、それに外来・病棟看護師およびコメディカルスタッフの協力・チームワークが影響していると思います。救急搬送数が増えたことに伴い、入院患者数も増えました。

当院の救急では高齢の患者さんを診ることが多く、特に一次〜二次救急を要する患者さんが中心となっています。また、高齢者救急では認知症を伴うことも多いため、機動力のある精神科を有する点は当院の強みでもあります。

へき地への医療支援

当院では、2014年からへき地医療の支援として宮崎県美郷町南郷診療所に医師派遣を行っています。開始当時は日中のみのお手伝いでしたが、2017年度からは当直業務のお手伝いも実施し、へき地で頑張っておられる先生方の支援をさせて頂いています。

人口減少・高齢化の進行への対応

当院は宮崎市を含む宮崎県東諸県二次医療圏と隣の西都児湯二次医療圏をカバーしています。どちらも2025年に向かって、総人口は減少していきますが、65歳以上の高齢者人口は増加していく見込みです。そのため、高齢者層をどのように支援していくかが、今後の課題となります。

高齢患者さんの特徴として、多臓器的疾患・脳血管・心血管などの動脈硬化疾患・心不全・がん・認知症・誤嚥性肺炎・比較的軽症の救急の増加などがあります。そういった状況に対して、内科、外科を中心に精神科やその他多くの診療科で連携して対応できる体制を構築し、地域包括ケアを担える地域医療支援病院を目指したいと思っています。

宮崎県の医療を担う人材の教育

当院は宮崎県内に7か所ある、基幹型研修施設のひとつに認定されています。以前は研修医の数も少なかったのですが、2017年度と2018年度は3名ずつの初期研修医に来てもらいました。若い医師が増えて、病院全体も活気が出てきています。2018年4月には研修医教育のための卒後臨床研修評価機構(JCEP)の認定も受けることができました。

2018年度からスタートした専門医制度では、内科と総合診療科のプログラムを立ち上げましたが、2018年度は応募がありませんでした。2019年度は1人でも獲得できるようにしたいと思っています。

また、2017年度4月には看護学校を設立しました。当院の医師を含む職員が講義に出向き、将来の看護師を育てています。卒業後は、当院をはじめ宮崎県内に残って活躍できる人材育成を目指しています。

研修医も看護師も、宮崎県内に残る割合は低いのが現状です。できるだけ地域に残ってもらえるよう、宮崎県や大学と足並みを揃えて、地域の活性化に尽力していきたいと思っています。

今村先生からのメッセージ

古賀総合病院ご提供

若手の医師へ

若い先生たちにお願いしたいのは、「当院では自分の専門分野に限らず、なんでも診てほしい」ということです。大学病院などでは専門領域に特化した技術や知識を学んでいただき、当院のような地域の一般病院では専門分野はもちろんのことですが、地域医療を担うために診療科の枠を超えて、いろいろな患者さんを診て頂きたいと願います。

地域の方々へ

2025年に向けて、地域の高齢化は進んでいきます。社会医療法人同心会は古賀総合病院を中心に、クリニック、健診部門、メディカルフィットネス、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、研修医の教育機関、看護専門学校やへき地医療のお手伝いなどを通じて、地域のみなさんに信頼される組織として進化していきたいと思います。さらに地域のみなさんが、安全に安心して暮らせる住みよいまちづくりに貢献できる組織であるように努めて参りたいと思います。

1980年、宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)を卒業後、宮崎医科大学医学部附属病院第一内科入局。宮崎大学医学部医学科内科学講座准教授等を歴任し、2012年4月より古賀総合病院院長に就任。