【院長インタビュー】

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診療から若手医師の育成まで─坂総合病院の取り組み
坂総合病院は宮城県塩釜市で地域の急性期医療の提供に尽力しています。同院の開院背景には地域の方々の自分たちの住む地域に病院をつくろうという思いがあり、病院開院に至りました。以降は地域に根差した病院...
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診療から若手医師の育成まで─坂総合病院の取り組み

公開日 2018 年 09 月 03 日 | 更新日 2018 年 09 月 04 日

診療から若手医師の育成まで─坂総合病院の取り組み
内藤 孝 先生

公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 院長

内藤 孝 先生

目次

坂総合病院は宮城県塩釜市で地域の急性期医療の提供に尽力しています。同院の開院背景には地域の方々の自分たちの住む地域に病院をつくろうという思いがあり、病院開院に至りました。以降は地域に根差した病院として地域医療に貢献しています。

同院の取り組みについて、公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 院長 内藤孝先生にお話を伺いました。

地域の急性期病院─坂総合病院

ER型救急医療での救急患者さんの受け入れ

坂総合病院─外観(坂総合病院よりご提供)

地域の急性期病院として、救急患者さんの受け入れに尽力しています。広大な仙台医療圏のなかで、塩釜市だけでなく、多賀城市や七ヶ浜町や利府町、松島町などの近隣市町からの患者さんも多く、2017年度は3717件の救急車搬入、CPA(心肺停止状態)121件の受け入れをしています。

当院では救急センターでER型救急医療の体制を整えており、救急患者さんの対応をしています。ER型救急医療とは、北米型の救急診療の体制です。ER医と呼ばれる救急科の医師が、最初に救急患者さんの対応にあたります。救急科の医師が各診療科の医師による治療が必要だと判断した場合には、各診療科までつなぎます。

日中は救急科の医師を中心に対応し、夜間は各科の医師が交替で地域の救急患者さんの受け入れを行っています。

救急病棟での治療(坂総合病院よりご提供)

急性期から回復期まで

回復期リハビリテーション病棟を設置しており、急性期の治療が終わった患者さんのリハビリテーションも病院内で実施しています。また、仙台市内で急性期の治療を受けていた患者さんの回復期リハビリテーションの受け入れ先として紹介いただくこともあります。仙台市内で治療を受け、リハビリテーションは地元である塩釜市で受けたい患者さんも多くいるためです。

また、宮城県脳卒中ネットワーク「スマイルネット」を利用し、脳血管疾患の患者さんのリハビリテーションをスムーズに受け入れています。脳卒中のリハビリテーションでは、早期介入することで予後にも影響するといわれています。

リハビリテーション以外にも糖尿病や足病変には院内のフットケアチームと連携を取りながら足装具の作成も行っています。リハビリテーション科とほかの診療科が積極的に連携を取ることで、急性期から回復期リハビリテーションまでスムーズに対応することが可能になっています。

循環器科での治療・心臓リハビリテーション

心不全や不整脈、弁膜症などの心臓血管疾患の治療を行っています。2015年に心臓カテーテル検査室を2室に増やしました。心臓カテーテル検査室を2室にしたことで予定検査の患者さんはもちろん、救急患者さんの緊急検査もスムーズに対応することができるようになりました。

心臓カテーテル室(坂総合病院よりご提供)

下肢の重症な虚血状態や間欠跛行(かんけつはこう)(足が痛み歩けなくなるが休憩するとまた歩けるようになる歩行障害)の患者さんの治療や症状改善に向けて行う末梢血管インターベンションの治療にも力を入れています。

また、高齢化にともない不整脈や心不全の患者さんも増加傾向にあります。不整脈の治療にはカテーテルアブレーションを取り入れ、患者さんに適した治療を提供しています。

心臓リハビリテーション

循環器科では急性期の治療を行うかたわら、心臓リハビリテーションにも力を入れています。退院後の再発を抑え以前と同じ生活を送れるように、患者さん一人ひとりにあった心臓リハビリテーションを実施しています。

リハビリスタッフと対話している風景(坂総合病院よりご提供)

呼吸器科・外科での診療

呼吸器科の診療

呼吸器科では肺炎や肺結核などの呼吸器感染症から慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器、気道に発生する病気の治療を提供しています。

また肺がんの診療も積極的に行っています。外科と連携して手術を行うのはもちろん、肺がんに関する遺伝子解析の治験(ちけん)(新薬や医療機器の試験)を研究機関と協力しながら行っています。個々の患者さんに合った薬剤を使うことができます。治験は同意している患者さんのみに実施しています。

内視鏡を用いた手術の提供

肺がんや胃がん、大腸がんでは可能な限り内視鏡での手術を提供しています。特に肺がんは全症例で内視鏡手術を行った実績もあります。(2016年度実績)内視鏡手術は傷跡が小さく、患者さんへの体の負担が少ない手術方法として期待されています。

がんの診療について

地域でできるがん診療は極力地域で行いたいと考えています。難しい場合には東北大学病院などへ紹介しています。今後はがん患者さんへのサポート体制を強化していきます。そのために、がん診療支援委員会を立ち上げ、がん治療から治療費、治療後の生活のことまで何でもご相談していただけるように相談窓口を設置しています。

産科・小児科医療

産科、小児科とも二市三町の中で、病院として入院医療を提供することができます。多くの患者さんの紹介を受け地域医療を支えています。ユニセフよりBFH(赤ちゃんにやさしい病院)の認定を受けて母乳育児を推進しています。

地域との関わり

市民公開講演会の開催

市民公開講演会で体操に取り組む方々(坂綜合病院よりご提供)

地域のみなさまの疾患啓蒙活動のひとつとして市民公開講演会を年4、5回開催しています。高齢化が進み、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を持っている患者さんも増加しているなか、がん患者さんも同じように増加しています。いざご自身やご家族が病気になったときに、その病気についての知識があるのとないのとでは、対応などにも影響がでます。地域のみなさまが病気になったときに困らないように、啓蒙活動として実施しています。

市民公開講演会は、公共施設や院内にポスターの掲示をするほかに、会場周辺にはポスティングをして開催のお知らせをしています。また、連携している地域の病院にも掲示してもらっています。

 

院内で開催される健康まつりでの一コマ(坂総合病院よりご提供)

安心して医療を受けてもらえるように

当院では差額ベッドなし、無料低額診療を実施しています。経済的な理由で必要な医療を受けられないことがないようにと思い行っています。

詳しくは地域医療連携センター内の医療相談室までお気軽にお問い合わせください。

地域のなかで活躍できる医師を目指してほしい

若手医師の育成

大学卒業後に2年間の臨床(りんしょう)研修(診療)をしなくてはなりません。当院ではこの初期研修医を多く受け入れています。現在の初期研修の方式であるスーパーローテート方式を早期から病院独自で実施しており、自身の専門性を磨きながら総合的に診療ができる医師の育成に努めています。

当院の医師のなかには初期研修を終え、大学で専門研修をしたのちに再び当院で診療をしている医師も多くいます。研修医時代からともに診療をしてきた医師が多く、他科でも相談がしやすい環境ができています。そのため、診療科同士の垣根が低く日々の診療でも連携が取りやすくなっていると考えています。

若手医師へのメッセージ

若手医師にはジェネラル(総合的)な力を身に着けた医師になってほしいと思います。もちろん自分の専門の診療を持つことも大切です。しかし、少子高齢化が進み、患者さんの多くは高齢者です。高齢の患者さんは基礎疾患を持っている場合も多く、患者さん一人ひとりを総合的に診療する能力が必要になってきます。

地域医療に貢献できる力を身に着け、地域のなかで活躍できる医師になってください。

地域の方々が安心して医療が受けられるように

内藤先生からのメッセージ

坂総合病院は、地域の急性期病院としてみなさまが安心して医療を受けられるよう貢献していける病院を目指しています。安心してこの地域で暮らしていけるように地域の支えとなり、頼りにしていただきたいと思います。地域の病院や介護施設との連携も今まで以上に深めていきます。

患者さんに満足していただく医療を提供するためには、職員がイキイキと働いていることが重要だと考えています。職員がイキイキと働き、力を発揮することで患者さんやご家族も安心して治療を受けてもらえると思っているからです。

当院はこれからも、地域の急性期病院として日々の診療に尽力してまいります。

1985年東北大学医学部を卒業。1989年に入局した東北大学医学部旧第三内科で豊田隆謙教授、及川眞一先生の指導を受ける。