院長インタビュー

患者さんだけでなく職員にも優しい環境づくりに努める―小山記念病院の取り組み

患者さんだけでなく職員にも優しい環境づくりに努める―小山記念病院の取り組み
田中 直見 先生

医療法人社団善仁会 小山記念病院 院長

田中 直見 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年04月16日です。

小山記念病院は、1969年に茨城県鹿嶋町に小山病院として開院しました。1988年まで増床を繰り返した結果、216床を有するに至り、また1995年には人工透析施設を開設しました。

2002年に新築移転、小山記念病院へと名称を変更して以降は、2013年に内視鏡センターや健康管理センターを増設、電子カルテや自動精算機などを導入しました。

2019年現在224床を有する同院の特徴や地域に向けた情報発信などについて、病院長の田中直見先生にお話を伺いました。

病院外観
病院外観
手術室
手術室

循環器科は、急性心筋梗塞狭心症、虚血性突然死など、いわゆる虚血性心疾患に対する救急対応を含めた診療と、生活習慣改善指導などによる一次予防および健康診断による異常の発見などの二次予防を行います。循環器疾患の診断に必要な検査では、心臓超音波検査、冠動脈CT検査、ホルター心電図検査、トレッドミル運動負荷心電図検査などを行っています。

循環器の病気を発症した場合、適切な対応をいかに迅速に行えるかが、治療後のQOL(Quality Of Life:生活の質)に影響を与えます。そのため当院では、緊急対応が必要な循環器の病気と思われる患者さんが搬送されてくると、すぐに診断を行い心臓カテーテルなどによる治療を開始します。

脳神経外科は、頭部外傷脳出血脳梗塞くも膜下出血などの脳血管障害、脳・脊椎にできた腫瘍や形態異常、てんかん、不随意運動などの診断や治療に対応しています。当院は救急隊とホットラインでつながっていて、24時間体制で診療や手術を行える体制を整えています。

脳神経外科で診る機会の多い脳卒中診療でも迅速な初期治療を重視しています。特に超急性期の脳梗塞治療では、rt-PA静注療法を採り入れています。ほかにも、患者さんの状態に応じて血栓回収療法やコイル塞栓術などの脳血管内治療を導入しています。

検査室前の待合スペース
検査室前の待合スペース

消化器科は、各種消化器疾患の検査や診断と治療、必要に応じて療養に対応しています。病気の種類が多く治療の選択肢も多岐にわたる消化器疾患では、適切な判断に基づいた治療が重要です。そのため当院は、消化器内科と消化器外科の連携を重視しています。

消化器内科には、消化管、胆のうと膵臓、炎症性腸疾患といったように、それぞれ異なる専門領域を有する医師が在籍しており、スクリーニング検査や精密検査と、内視鏡治療などによるなるべく体に負担をかけない治療を行っています。

消化器外科では、消化器がんや炎症性腸疾患など消化器疾患に対して、各種診療ガイドラインに準じた根治性を重視した手術治療を行います。消化器外科では腹腔鏡治療を導入しています。治療を受ける患者さんの心身にやさしい治療の実施を心がけています。

整形外科は、骨、関節、筋肉、靱帯、神経など、全身の運動機能を支える器官を診る診療科です。整形外科で診る機会の多い病気に、骨折骨粗しょう症腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患、変形性膝関節症や慢性関節リウマチなどの関節疾患があります。治療としては、服薬治療などによる保存療法、リハビリテーション、手術があります。病気の状態と患者さんの希望を考慮しながら、治療方針を決定して治療方法を選択します。

当院は、2017年に厚生労働省により地域がん診療病院に認定されました。がん診療の円滑化とレベル向上のため、今後は県内の地域がん診療連携拠点病院とさらなる連携強化を予定しています。

当院は、がんの種類や状態を正確に把握して、患者さん自身の治療に対する希望や価値観などを伺ったうえで治療方針を固め、これまでの調査研究から導き出された科学的根拠やがん診療ガイドラインをベースにした治療を実施します。

入院中の患者さんが使用する病室は、プライバシーに配慮した広さを保っています。病棟内には、ご家族との面会や食事に使えるデイルーム、食堂や軽食喫茶、売店、自動販売機などを設けています。

産婦人科病棟では、冷蔵庫やソファーを完備した個室、パウダールーム、産婦人科専用のデイルームなどを整えています。病院周辺は、北浦や鹿嶋ののどかな田園風景が広がっているため、落ち着いた環境で出産に臨めます。

当院の看護部では、「患者様の立場にたって考え、判断できる、思いやりのある看護を実践する。」を教育理念に掲げています。

当院は看護師の教育プログラムにラダー制度を導入しており、各病棟のプリセプターが指導者として研修に参加することで、新人看護師との間に信頼関係を築きます。4月から8月には新人看護師を対象とした集合教育に、9月以降は病院全体の院内研修にそれぞれ参加していただきます。各病棟でプリセプターの指導を受けながら、夜勤に入れるよう準備をします。

病院外では、看護協会や病院協会の研修、各種学会などへ参加してもらうことで、専門的領域を積極的に学んでもらいます。これらの参加費用は、病院側が負担します。

職員全体のワークライフバランス形成と推進を目指して、有給休暇取得の推進やインフルエンザ休暇やリフレッシュ休暇を導入しました。ほかにも、健康診断の割引などを実施しています。

子育て支援では、産休や育休から復職した職員や子育て中の職員と面談して要望を聞き、男性職員の育児休暇取得推進、病院内の学童保育の設置などの仕組みづくりに反映しました。特に学童保育では、小学校まで保育士による無料タクシー送迎、24時間預かり保育などを行っています。子育て中の女性が働きやすい環境を整えています。これら取り組みが認められ、2016年に『茨城県女性が輝く優良企業』として2つ星認定されたほか、2017年に『茨城県仕事と子育て両立支援部門』で優秀賞を受賞しました。

当院は、各診療科間での連携がとれていて、かつ職員間の風通しのよい環境です。先輩医師による指導も行っていて、専門医など各領域における資格習得を目指した教育体制も充実しています。

田中先生

当院は、地域の皆さんの健康を守るお役に立てるよう取り組んでいます。なにかお気づきのことがあれば、当院を育てるつもりで、ご意見をお寄せください。

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  • 医療法人社団善仁会 小山記念病院 院長

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