院長インタビュー

満足と納得が得られる医療を実施する東北ろうさい病院

満足と納得が得られる医療を実施する東北ろうさい病院
徳村 弘実 先生

独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院 院長、東北労災看護専門学校 学校長

徳村 弘実 先生

目次
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東北ろうさい病院は“満足と納得が得られる医療の実施”を理念に掲げ、地域医療の中核を担う病院として医療や福祉を提供し続けています。今回は、病院長の徳村(とくむら) 弘実(ひろみ)先生に、同院の診療体制から治療施設、従業員向けの取り組みまでお伺いしました。

当院は1954年の開院以来“満足と納得が得られる医療の実施”を理念に掲げ、地域医療機関と連携を取り合いながら、住民の皆さんへ安全な医療を届け続ける体制を築いています。

地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院、日本医療機能評価機構認定病院、臨床研修指定病院としての役割を担い、患者さんの健康促進に努めています。

また2018年に救急科を創設し、積極的な二次救急を展開しています。同時に、地域包括ケア病棟も充実させ、急性期ケアミックス病院として、必要に応じて急性期治療を終えた患者さんの生活のサポートを積極的に行っています。さらに専門医制度基幹施設として、高次の教育病院としての機能も担っています。

上記の軸を伸ばしつつ、“患者さんの安全と安心を第一に考える医療”の提供を目指し続ける病院でありたいと考えています。

東北ろうさい病院 外観
東北ろうさい病院 外観

呼吸器内科では、肺、気道、胸膜などに生じる呼吸器疾患全般を中心とした診療を行っています。ご高齢の方に多く見られる肺がんは、呼吸器外科、放射線治療、緩和ケア内科と連携を取りながら、患者さんに適した治療をご提案しています。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本内科学会総合内科専門医などの専門資格を有する9名の医師が在籍しており、充実した治療体制が整っています(2020年3月時点)。

内視鏡手術、扁桃摘出術、甲状腺手術、難治性中耳炎などの耳鼻咽喉科全般の診療をしています。耳鼻咽喉科の主な手術は、難聴の精密診断や人口内耳手術、鼓室形成術・鼓膜形成術、扁桃腺摘出術などです。2017年の年間手術件数は、414例でした。

また、乳幼児にみられる難治性中耳炎などは、小児科と連携を取りながら患者さんのニーズに寄り添った治療の提供を目指しています。

日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会気管食道科専門医などの認定を受けた専門医が在籍していますので、検査から治療まで一貫した診療を受けられる体制が整っています(2020年3月時点)。

当院は、日本乳癌学会の認定を受けた施設ですので、乳がんを専門とする医師の教育体制が十分に整っています。乳がんなどの乳腺の病気を中心に診療を行っています。乳腺外科には、マンモグラフィや乳腺エコー、CT、MRIなどの充実した機器の設備が整っています。日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医の資格を持つ専門医が常勤しており、乳がん看護師、がん化学医療法看護師、緩和ケア認定看護師と連携を取りながら、患者さんの意見を尊重した治療を目指しています。

治療就労両立支援センターでは、がん患者さんの仕事と治療の両立をサポートする“両立支援部”、生活習慣病予防を行う“予防医療部”、健康促進を目指した研究に取り組む“生活習慣病研究センター”の3つの機関を設けています。また、生活習慣病研究センターにおいては、予防医学的な研究を活発に行い患者さんの健康支援に生かしています。

当院は、内視鏡を腹腔内に挿入して行う内視鏡(腹腔鏡)下手術、内視鏡的止血術、内視鏡的粘膜切除術、上部・下部消化管内視鏡などの内視鏡を用いた治療に注力しています。当院の胃腸内科では、食道がん胃がん大腸がんなどの病気を持つ患者さんの検査から治療まで、一貫して内視鏡を使用しています。患者さんの痛みを少しでも和らげ、よりよい治療の提供を目指しています。

IBD(炎症性腸疾患)を専門とするセンターでは、近年患者数が増加する潰瘍性大腸炎クローン病に対する治療を行っています。クローン病との合併の可能性が高い痔ろうの治療も実施しています。大腸内視鏡検査や小腸内視鏡検査などの各種画像検査を用いて、患者さんに適した検査の実施を目指しています。大腸肛門外科部長の高橋(たかはし) 賢一(けんいち)先生をはじめとする医師が在籍しているため(2020年3月時点)、IBD患者さんの診察から治療までを幅広く対応しています。

地域の方に、病気や治療について知識を深めていただく機会を設けるため、毎月第2・第4水曜日に“ろうさい医イ(いい)はなし”の地域セミナーを開催しています。テーマは、乳がんや肝臓がんなどの病気や、健診のすすめなど知っておくと医イ(いい)話です。講演テーマは、専門とする医師が分かりやすく解説していますので、ぜひお気軽にお越しください。

“ろうさい医イはなし”の様子
“ろうさい医イはなし”の様子

関節外科、脊椎外科、外傷、腫瘍、小児などの専門性領域の経験をすることができるよう、大学病院をはじめ、そのほか基幹病院や地域医療病院と連携を取り合いながら、多様なニーズに応じた研修コースを設けています。専門医取得に必要な単位を取得することも可能です。

小さなお子様を持つ職員の方が安心して働けるために、産前産後休暇、育児休暇、さらには病院周辺に保育所を設けています。出産後における仕事と家庭の両立を積極的にサポートできる病院を目指しています。

管理棟 外観
管理棟 外観

医療業界は地方創生のレベルで地域を活性化させなければ、医学生の地方への就職率は上がらないと感じています。医学生の就職先が都会に集中する一方で、地方での集約化は実際のところ難しい状態です。そのため、各病院の意見と向き合いながらグランドデザインを構想し、各病院が提供している医療の技術を発展し続けることが大切だと思います。

上から目線ではなく、相手の気持ちを尊重し、一段低い位置で意見を拝聴する志を持って、患者さんと向き合ってください。私が思う理想の医療従事者とは、患者さんに寄り添い、人間性があり、正しい診療ができる存在であると考えています。“KEAR=ケア”をキャッチフレーズに掲げた“K(感謝)とE(笑顔)とA(明るい挨拶)R(理解)”を常に忘れないでください。

若い医師の志として経験、知識、魂の3つの向上が必要です。それぞれを存分に磨き、涵養(かんよう)してください。医療を通して人間的にも大きく成長する方が、一人でも多く増えることを願っています。

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