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第9回レビー小体型認知症研究会

第9回レビー小体型認知症研究会
内門 大丈 先生

医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南 理事長・院長、横浜市立大学医学部 臨床教授

内門 大丈 先生

この記事の最終更新は2015年11月21日です。

2015年11月7日土曜日に、新横浜プリンスホテルで「第9回レビー小体型認知症研究会」が開催されました。今回は12月にフロリダで開催される「国際レビー小体型認知症カンファレンス」を目前に控え、シンポジウムのテーマも「International DLB Conference(Florida)に向けて」と題されました。また、同日の午前の部として全国交流会が開催された「レビー小体型認知症サポートネットワーク(DLBSN)」からは、東京エリア代表の長澤かほる氏がランチョンセミナーに登壇されました。この記事ではその研究会の様子をご紹介します。

午前中に行われたDLBSN全国交流会の後、12時からDLB研究会会員のみで行われた総会が終了すると、再び一般参加者を会場に迎えてランチョンセミナーが開催されました。

演者の長澤かほる氏はDLBSN東京の代表であり、実父がDLBに罹患していたという経験をお持ちです。一般の方にも分かりやすいスライドを交えたプレゼンテーションで、DLBと診断された当事者とご家族の心境に始まり、介護認定審査会でもDLBを拾い上げる適切な仕組みがないといった問題、さらには専門職の間でも認知度にばらつきがある現実などが次々に紹介されていきました。

ランチョンセミナーに続くシンポジウムは、小阪憲司先生(クリニック医庵センター南)が口火を切る形でスタートしました。

演題1は「国際DBLカンファレンス(フロリダ)の概要とレビー小体病の歴史」と題して、2015年12月1日から4日間にわたって行われるカンファレンスのスケジュールや内容などが示されるとともに、小阪先生ならではの見解を交えてレビー小体病の歴史が語られました。

次に演題2として「アジアのDLBリサーチおよびREM sleep without atoniaとレビー小体病の関係について」をテーマに藤城弘樹先生(名古屋大学大学院医学系研究科睡眠医学)からのお話がありました。藤城先生は国際DLBカンファレンスでも4日目の最終日に発表をされることになっています。

続く演題3「DLBのMIBG心筋シンチグラフィをめぐって」では、高橋真先生(関東中央病院)からMIBGシンチグラフィの施設間におけるばらつきの標準化などについてのお話があり、質疑応答でも活発な応酬がみられました。

このあと、小休止をはさんで再開されたシンポジウム後半では、まず演題4「レビー小体型認知症の早期診断における123I-CIT SPECTの有用性」と題して、井関栄三先生(順天堂東京江東高齢者医療センター)からのお話があり、続いて池田学先生(熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野)からシンポジウム最後の演題「DLBのアリセプト治療をめぐって」が発表される頃には、白熱した質疑応答のため予定時間よりかなり押し気味の進行となりました。

最後の総合討論でも活発な議論は尽きることなく、惜しくも時間切れとなってしまいましたが、各領域を代表するトップクラスの医師たちが小阪先生の下で一堂に会し、真剣に意見を戦わせる熱量の高さが、このレビー小体型認知症研究会の真骨頂といえるのではないでしょうか。

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    日本精神神経学会 精神科専門医・精神科指導医

    内門 大丈 先生

    1996年横浜市立大学医学部卒業。2004年横浜市立大学大学院博士課程(精神医学専攻)修了。大学院在学中に東京都精神医学総合研究所(現東京都医学総合研究所)で神経病理学の研究を行い、2004年より2年間、米国ジャクソンビルのメイヨークリニックに研究留学。2006年医療法人積愛会 横浜舞岡病院を経て、2008年横浜南共済病院神経科部長に就任。2011年湘南いなほクリニック院長を経て、2022年4月より現職。湘南いなほクリニック在籍中は認知症の人の在宅医療を推進。日本認知症予防学会 神奈川県支部支部長、湘南健康大学代表、N-Pネットワーク研究会代表世話人、SHIGETAハウスプロジェクト副代表、一般社団法人日本音楽医療福祉協会副理事長、レビー小体型認知症研究会事務局長などを通じて、認知症に関する啓発活動・地域コミュニティの活性化に取り組んでいる。

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