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インタビュー

ピンクの目に対する抗菌薬 ― 必要なとき、必要でないとき

ピンクの目に対する抗菌薬 ― 必要なとき、必要でないとき
岸田 直樹 先生

総合診療医/感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授/一般社団法人Sapporo M...

岸田 直樹 先生

徳田 安春 先生

群星沖縄臨床研修センター センター長 、筑波大学 客員教授、獨協大学 特任教授、東邦大学 客員...

徳田 安春 先生

Choosing Wisely

ピンクの目は「結膜炎」とも呼ばれている、起こる頻度の高い病気の一つです。特に子供の発症が多く、感染や刺激によって目が赤くなります。その他にも、かゆくなったり、涙が出たり、腫れたり、まぶたが厚くなったりという症状が現れる場合もあります。

ピンクの目に対して、抗菌薬の点眼液や軟膏が処方されることがありますが、米国眼科学会によると、抗菌薬はほとんどの場合「効果がない」と言われています。さらに、効果があるどころか「有害である」という場合もあるのです。その理由は以下の通りです。

ピンクの目の多くはウイルス性ですが、抗菌薬はウイルスを殺しません。そのため、何もしなくても1週間程度で症状は消失します。また、ピンクの目は、花粉、イエダニ、ペット、コンタクトレンズや化粧品に対するアレルギー反応によっても起こりますが、抗菌薬はアレルギーにも効きません。アレルギー性であれば、アレルギーの原因となるものを避けることで症状は軽快します。

ピンクの目の3つ目の原因は細菌です。細菌には抗菌薬が有効ですが、細菌性でも軽度であれば、ほとんどの場合は治療をしなくても10日間以内で症状は消失します。

抗菌薬は、目にかゆみやチクチクするような痛み、ヒリヒリするような痛み、腫れ、充血を起こすことがあり、涙が増えることもあります。中には、アレルギー反応が出る人もいます。

ジェネリック抗菌薬の点眼剤や軟膏は、12ドルから60ドル(日本円で約1,300円〜6,500円)かかります。新しい薬やブランド薬品であれば、130ドル以上必要なこともあります。さらに、もし抗菌薬に耐性のある感染症にかかっていたとしたら、追加の診察や高額な薬が必要になります。

・症状が重篤である

・免疫機能が低下している(この場合、別の疾患も抱えている可能性があります)

・治療なしで1週間以上経っても症状が良くならない

・ウイルス性:風邪やインフルエンザ咽頭炎にかかり、流涙の症状があります。

アレルギー性:目のかゆみ、まぶたの腫れ、鼻水、鼻のかゆみの症状があります。花粉症喘息など他のアレルギー疾患を持つ人に多いです。

・細菌性:粘液性で、しばしば黄緑色の目やにが1日中続きます。(風邪やインフルエンザでは通常現れない症状です。)

ピンクの目を落ち着かせるために

・清潔で冷たく、濡れたもので圧迫しましょう。冷たい人工涙液(市販のもの)で効きます。

アレルギー性結膜炎には、よく冷えた抗ヒスタミン点眼薬(処方薬または市販のもの)が効果的です。また、花粉症シーズンの間は窓を締めましょう。

ピンクの目は非常に接触感染が起こりやすいです。そのため、感染拡大の予防に努めましょう。

予防方法としては以下が挙げられます。

・よく手を洗い、アルコール消毒剤を使いましょう

・目を触ってはいけません

・コンタクトレンズを使ってはいけません

・一度使った洗面用タオルやティッシュを使ってはいけません

・シーツやタオルは、温水と中性洗剤で洗いましょう

・感染源となる可能性のある眼鏡類や化粧品は、清潔にするか取り替えましょう

以下の場合は医師に相談しましょう。

・眼の痛み、視野異常、光に過度に敏感となる場合

・過去に緑内障の手術を受けたことがある場合

・細菌性として抗菌薬を使っているのにもかかわらず、3~4日以内に症状が改善しない場合

・1週間経ってもウイルス性のピンクの目が悪化している場合

 

※本記事は、徳田安春先生ご監修のもと、米ABIMによる “Choosing Wisely” 記事を翻訳し、一部を日本の読者向けに改稿したものです。

翻訳:Choosing Wisely翻訳チーム 倉敷中央病院 花田沙穂

監修:岸田直樹先生、徳田安春先生

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  • 群星沖縄臨床研修センター センター長 、筑波大学 客員教授、獨協大学 特任教授、東邦大学 客員教授、聖マリアンナ医大 客員教授、慶應義塾大学 非常勤講師、総合診療医学教育研究所 代表取締役、Choosing Wisely Japan 副代表

    徳田 安春 先生

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