【院長インタビュー】

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横浜市の救急医療と高度医療を担う横浜労災病院の取り組み
1991年に横浜市港北区に開設された横浜労災病院は、若い世代から高齢の方まで、幅広い年齢の地域の皆さんに救急医療・高度医療を提供しています。650床という病床数は横浜市内でも有数の規模を誇り、周...
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横浜市の救急医療と高度医療を担う横浜労災病院の取り組み

公開日 2017 年 06 月 14 日 | 更新日 2018 年 08 月 29 日

横浜市の救急医療と高度医療を担う横浜労災病院の取り組み
梅村 敏 先生

独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院病院長

梅村 敏 先生

1991年に横浜市港北区に開設された横浜労災病院は、若い世代から高齢の方まで、幅広い年齢の地域の皆さんに救急医療・高度医療を提供しています。

650床という病床数は横浜市内でも有数の規模を誇り、周辺の医療施設と連携しながら多くの患者さんを受け入れています。

人口増加地域である横浜市北東部地域の基幹病院として、横浜労災病院では、どのような取り組みを行っているのでしょうか。横浜労災病院院長 梅村敏先生にお話を伺いました。

横浜労災病院は横浜市北東部地域の基幹病院

横浜市地域の医療を担う

横浜労災病院は、独立行政法人 労働者健康安全機構を母体とする、全国34拠点の労災病院のなかで最も新しい病院です。

当院が位置する横浜市港北区は人口増加率が高く、核家族の多い地域となっています。それに伴って様々な病気に対応できるように、37科の診療科と救命救急センター、健康管理センターを備えて、地域の基幹病院としての病院機能の充実を図っています。

横浜労災病院 外観

横浜市の救急医療を担う北米型のER診療

横浜労災病院の一つの特徴は充実した救急医療の実現です。救命救急センターでは、北米型のER診療を行っています。

北米型のERとは、軽症・重症問わず患者さんを受け入れ、必要に応じて専門の診療科で治療を受けていただけるシステムです。救急車の受け入れはもちろん、ウォークインでこられる患者さんも断らずに診察しています。

当院ではその中心かつ顔となる救急専門医を筆頭に、あらゆる領域の、特に小児科、整形外科、循環器・脳神経分野において、専門の医師が24時間、急患に対応できる体制を整えています。 救命急センターの医師数だけで12名以上いるのですが、そのような病院はそう多くはありません。

実際に2016年の救命救急センター受け入れ患者数は約26,600人と、横浜市内外から多くの患者さんを受け入れている実績があります。

今後も地域の皆さんに安心していただけるような『断らない医療』を実践していきます。

救急車

充実した専門診療科であらゆる病気に対応

横浜労災病院は37科の専門診療科をもち、多様な医療ニーズに応えています。

特に循環器内科、整形外科、神経内科は充実した診療体制を整えており、多くの治療実績があります。

循環器内科

当院の循環器内科では、充実した設備とスタッフで、主に虚血性心疾患(狭心症・急性心筋梗塞)、閉塞性動脈硬化、心不全、高血圧、不整脈、心臓弁膜症、心筋症などの疾患に24時間体制で対応します。

また、患者さんに負担の少ないカテーテル治療を積極的に行っており、近年では心血管以外での血管治療もカテーテルで行っています。

整形外科

四肢、骨盤、脊椎など運動器に携わる整形外科は、病床数が100床あり、症例数が非常に多いことが特徴です。

当院の整形外科では、脊椎・脊髄、手・末梢神経、股・膝関節、リウマチの疾患や外傷に対して、各分野の専門医が患者さんに負担の少ない治療を実施します。

また、手術にコンピューターナビゲーションを導入するなど、高度な技術によって安全性の高い治療を行っている点も特徴です。

神経内科・脳神経外科・脳神経血管内治療科

日本神経学会認定教育施設かつ、日本脳卒中学会認定脳卒中教育施設の認定を受けている当院の神経内科では、脳卒中専門医が4名在籍し、脳卒中治療を積極的に行っています。

また、脳神経外科、脳神経血管内治療科と密に連携していることも大きな特徴で、脳血管疾患などのあらゆる神経系疾患に対応が可能です。

白人 医師

最新の医療機器を導入し、高度ながん治療を提供

横浜労災病院は、2008年に『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けました。

当院では、ダヴィンチ、高精度リニアック(ノバリス)、ガンマナイフなどの最新の医療機器を導入し、高度ながん治療を提供しています。このような医療機器の導入を地域でも常に先駆けて行っているため、ノウハウの蓄積が早く、安定した運用が可能になっています。それを患者さんに還元できるよう努めていくことも、使命の一つと考えています。

また、2017年4月には乳腺外科をブレストセンターへと改変し、『チームによる全人的な乳がん診療』を行っていることも最近のトピックの一つです。

ダヴィンチ

ダヴィンチは、アメリカで開発された内視鏡手術支援ロボットです。

当院では2013年より泌尿器科の前立腺がん治療にこのダヴィンチを導入しました。

ダヴィンチでの手術は、医師が患者さんに直接触れることなく、遠隔操作でロボットのアーム部分を操作する形で行われます。傷の小さい低侵襲の治療となるため、患者さんにとって身体的な負担が少なく、術後の早期回復が可能な点がメリットです。

高精度リニアック(ノバリス)

当院では、より安全な放射線治療を目指して、2014年に高精度リニアック(ノバリス)を設置しました。

高精度リニアック(ノバリス)とは、がんの放射線治療に用いられる定位放射線治療装置です。

従来の放射線治療に比べて、大きな病変や複雑な病変もより安全に治療できることや、治療時間が短いことが特徴です。

ガンマナイフ

ガンマナイフは、放射線の一種であるガンマ線を照射することで、開頭手術を行うことなく頭蓋内の病変を治療できる放射線治療装置です。手術での治療が困難な脳深部の病変に対しても治療を行うことが可能です。

当院では、最新型ガンマナイフ治療装置パーフェクションを導入し、ガンマナイフ専門外来を行っています。

ブレストセンターの設置

当院は、増加傾向にある乳がんの患者さんに対応するため、乳腺外科を『ブレストセンター』として改変しました。

ブレストセンターでは、最新の乳がん治療を提供するだけでなく、乳がん体験者コーディネーターによるピンクリボン相談室を設けるなど、『チームによる全人的な乳がん診療』に取り組んでいます。

横浜市の産科拠点病院として充実した周産期医療を提供

横浜労災病院は、横浜市の産科拠点病院として母子の健康をサポートするために、充実した周産期医療を提供します。

NICU(新生児集中治療室)を9床、GCU(継続保育室)も12床設置し、アレルギー、発育・発達、神経などの専門外来も開設しています。日中だけでなく、夜間も小児救急外来と病棟を医師2人で担当し、小児救急においても万全の体制を整えています。

今後も地域の皆さんが妊娠から出産、子育てまで安心して行っていただけるような環境づくりに貢献したいと考えます。

産婦人科 イメージ

健康管理センターでの人間ドック・脳ドック

また横浜労災病院の大きな特徴の一つとして、人間ドックも実施している、充実した健康管理センターが併設されている点が挙げられます。新横浜駅から徒歩でアクセスできる好立地のため、県内外から多くの方が健診や人間ドックを受診にいらっしゃいます。

当院の健康管理センターでは、3つのコースをご用意しています。希望される方には、各種がん検査、頭部MRI、動脈硬化検査なども追加で行っています。

日帰り人間ドック

身体測定、血液検査、胸部レントゲン、医師の診察などを日帰りで行います。

1泊2日の人間ドック

日帰り人間ドックにさらに大腸内視鏡検査などを追加し、1泊2日で行うコースの人間ドックです。

脳ドック

脳ドックは、脳梗塞や脳腫瘍などの脳の病気だけでなく、認知症の早期発見を目的とした健診です。当院の健康管理センターでは、日本脳ドック学会のガイドラインに準じた全ての検査と、脳神経外科・脳卒中専門医による診察を行います。

人間ドックや脳ドックの結果によって、専門診療科の受診が必要な場合は、そのまま当院を受診していただくことが可能です。

今後も健康管理センターでの人間ドックや脳ドックを通して、地域の皆さんの病気の予防や早期発見に努めます。

梅村先生からのメッセージ

『みんなでやさしい明るい医療』を実践するために

横浜労災病院は、『みんなでやさしい明るい医療』を実践するために、職員が働きやすい環境を整えたいと考えます。そのために今掲げているのは現場重視、迅速主義、業績評価の3点です。

大規模な病院は縦割り組織になりがちですが、当院の場合は職員全員で歓迎会を行ったり、病院ニュースを発信したり、職員同士のコミュニケーションを非常に大切にした組織の形成を目指しています。

職員がみな元気で優秀であることも大きな特徴です。医師をフランスへ短期留学させたこともありました。当院にいる間にスタッフが活躍することはもちろん、特に若手の医師などはその後のキャリアでも積極的に海外に飛び出し、臨床・研究と活躍する人材を排出したいと願っています。

また、私は事務局長や看護部長とともに定期的に回診を行っており、院長として現場の一日の動きを把握し、現場で働く職員の声を聞く機会を設けています。

職員の満足度を高めることで、患者さんにも満足していただけるような医療を提供できると考えます。

地域の皆さんに向けて

当院の位置する横浜市港北区は、先日首都高速道路の横浜北線が開通しました。さらに当院の最寄り駅である新横浜駅は、将来的に東急線と相鉄線の乗り入れが決まっています。

よりアクセスのいい病院となり、地域の皆さんにとって今以上に『なくてはならない存在』になっていくのではないでしょうか。

横浜労災病院は職員が一丸となって、幅広い患者さんのニーズに応えることができるような医療を提供していきます。

横浜市立大学医学部卒業後、米国テキサス大学内科・薬理学教室留学、クレイトン大学医学部高血圧研究所助教授を経て、横浜市立大学内科学第2講座教授に就任。
その後、同大学医学部医学部長、同大学附属病院病院長、同大学学術院 医学群長を歴任し、2016年より横浜労災病院院長に就任。
高血圧症のエキスパートとして高血圧診療・研究分野で活躍している。