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劇症1型糖尿病の症状 ―劇症1型糖尿病の早期発見・早期治療のために
糖尿病ではインスリンの効きが悪くなったり、インスリンが出なくなることにより血糖値が上昇します。そして糖尿病の中には1型糖尿病、2型糖尿病という種類があります。2型糖尿病はいわゆる生活習慣病として...
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劇症1型糖尿病の症状 ―劇症1型糖尿病の早期発見・早期治療のために

公開日 2015 年 09 月 28 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

劇症1型糖尿病の症状 ―劇症1型糖尿病の早期発見・早期治療のために
花房 俊昭 先生

堺市立総合医療センター 院長

花房 俊昭 先生

糖尿病ではインスリンの効きが悪くなったり、インスリンが出なくなることにより血糖値が上昇します。そして糖尿病の中には1型糖尿病、2型糖尿病という種類があります。

2型糖尿病はいわゆる生活習慣病として知られています。一方、1型糖尿病は生活習慣とは関係なく、インスリンを出す唯一の細胞である膵臓のβ細胞が破壊される病気であり、若年者に発症することも特徴です。この1型糖尿病の中に、通常のものとは異なる病型があり、「劇症1型糖尿病」といわれています。これは大阪医科大学内分泌代謝内科教授の花房俊昭先生が、大阪大学に在籍されていた頃に今川彰久先生とともに発見された病気です。

「劇症1型糖尿病」とは、その名前だけでも非常に危険な印象があります。そして、実際に劇症1型糖尿病は早期治療をしなければ死に至る非常に危険な病気なのです。劇症1型糖尿病を早期発見、早期治療するために知っておかなければならないことを花房先生にお話し頂きました。

劇症1型糖尿病の症状

まず、劇症1型糖尿病の典型的な経過を知っておきましょう。

典型的な経過としては感冒症状(風邪の症状)や腹痛などの消化器症状が非常に多く、患者さんの7割以上にそのような症状があります。この時点では風邪や急性胃腸炎とほとんど変わらない症状です。以降数日のうちにどんどん喉のかわきや口の渇き、全身のだるさなどが出てきます。あっという間にどんどん悪くなっていき、死に至ることもあります。

実は腹痛が起き始めたときにはβ細胞が壊れはじめており、そこから数日で完全にβ細胞がなくなってしまうものと考えられています。また、患者さんの数は30~40代がピークになり、男女は同数程度です。一番多いタイプの1型糖尿病であるいわゆる自己免疫性の1型糖尿病が20歳以下(中学生くらい)がピークになることとも異なっているのです。

劇症1型糖尿病の早期発見のために患者さんができること

おそらく、もっとも多い最初の症状である感冒様症状、腹痛、嘔吐が出たときには普通の風邪と区別がつきませんし、それだけで判別するのは難しいでしょう。しかし、今まで経験したことのないくらいの強い口のかわきがあって、水分をガブガブ飲むようになり、排尿回数が増加して1時間ももたないようになったり、身の置き所がないほどの全身のだるさを感じたら、とにかくすぐに病院を受診することです。その際も、とにかく具体的に自分の症状を医師に説明していくことが大切です。

危険な徴候が出ているときによく訴えられることとしては、以下が挙げられます。医療用語を用いるならば「口渇・多飲・多尿」となります。

「非常に強い喉の渇きと口の渇き、全身のだるさがある」

「2リットルのペットボトルの水を全部飲んでもまだのどがかわく」

「人生で経験したことのないくらいののどのかわき」

「いくら飲んでもおさまらない」

「1時間に1回以上の尿が出る」

最初に患者さんが受診する場所は診療所や総合病院の救急外来です。劇症1型糖尿病の最初の症状は、糖尿病であるとはわかりにくい症状です。かつてこの病気は医師の間でも知られていませんでしたが、最近は広まりつつあります。

しかし、患者さんが症状をきちんと説明することが次の検査(血糖値やHbA1c)をすることや適切な治療をすること(生理食塩水の点滴をしてインスリンを投与すること)において非常に重要なことです。それができるかできないかで、助かるかどうかが決まります。だからこそ患者さんにもこの病気をよく知っていただきたいのです。

女性と劇症1型糖尿病

女性が注意しなければならないのは、妊娠中に発症する劇症1型糖尿病があることです。特に、妊娠後期と出産後2週間以内に発症しやすいことが分かっています。出産後であれば問題はありませんが、妊娠中に発症したときは胎児死亡につながる可能性が非常に高くなってしまいます。そのため、妊娠後期から出産後2週間以内の女性でこれらの症状が出たときには注意が必要です。

1950年生まれ。大阪大学医学部を卒業後、研究と臨床に携わり、1994年より大阪大学医学部講師。2000年より大阪医科大学医学部第一内科教授を務めた。糖尿病代謝・内分泌内科の専門医として、難病とされる劇症1型糖尿病の研究と臨床に携わるとともに、後進の指導に力を注ぎ、現在は堺市立総合医療センターで院長を務める。

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