福岡県久留米市にある社会医療法人 天神会 新古賀病院(以下、新古賀病院)は、西鉄久留米駅から徒歩5分ほどの場所に建つ病院です。同院は、患者さんや連携先の医師に“新古賀病院を選んでよかった”と思っていただける医療を目指し、病院職員一同努力しています。今回は、同院の診療科、特徴、地域への取り組みなどについて、院長である林 明宏先生にお伺いしました。
当院が属する社会医療法人 天神会の古賀病院グループは、1946年に内科医院を開設したことから歴史が始まります。医院は、1958年に古賀病院へ名称変更をしました。1992年には医療法人 天神会を設立、1997年には当院の開設、2002年には古賀病院21の開設、2008年には新古賀クリニックへの名称変更をしたことで、古賀病院グループとなりました。その後、2012年には社会医療法人の認可を受けています。
古賀病院グループは2020年9月現在、介護老人保健施設、住宅型有料老人ホームやグループホームといった施設も有しています。また、訪問介護や訪問看護も行っています。
古賀病院グループは“人々の豊かな生涯を支援する医療・介護”という理念を掲げ、そのために必要な医療とは何か考え、実現しようと取り組み続けることで地域医療に貢献しています。
当院は開設されてから、病院機能の整備や拡充を繰り返してきました。当院は2020年9月現在、救急告示病院として地域の皆さまの救命を第一とし、24時間365日可能な限り断らない医療体制を整えています。
当院には、福岡県(久留米・筑後地域一円)だけでなく、佐賀・大分・熊本などの隣県や、長崎県からも患者さんがいらしています。患者さんや患者さんのご家族、紹介元の先生方から、当院を選んでよかったと思っていただける病院となるために、検査当日に検査結果をお伝えする工夫をしたり、医療機器の導入を積極的に推し進めて病院機能の拡充に積極的に取り組んだりしています。
2020年9月現在、当院は循環器内科、糖尿病・内分泌内科、婦人科、救急科など23の診療部門を備えています。また、足病センターを設立し、血管の病気や糖尿病による足の壊疽の予防や診療、巻き爪や魚の目などの診療を開始しました。さらに歯科を開設し、手術における合併症のリスクをできるだけ抑えるため、入院患者さんの口腔機能管理にも取り組んでいます。
ここでは、当院の軸となっている4つの診療部門について詳しくご説明いたします。
消化器病センターでは、消化器内科と消化器外科が連携して、消化器のがんをはじめ、肝硬変、膵炎、虫垂炎、結石、鼠径ヘルニアなど、消化器に関する幅広い病気の診療を行っています。また、肝臓、胆嚢、および膵臓などの病気の治療にも積極的に対応しています。
当センターでは、患者さんに1日でも早く社会へ復帰していただけるように、消化器がんに対してのEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や腹腔鏡下手術などの、患者さんの体にできる限り負担がかからない方法を積極的に選択することを心がけています。
心臓血管・リズムセンターでは、循環器内科と心臓血管外科が連携して、狭心症や急性心筋梗塞、大動脈瘤、および不整脈などの診療を行っています。カテーテルを挿入し、狭くなったり詰まったりした冠動脈を内側から広げて治療する冠動脈インターベンション治療や、人工心肺を使用せずに心臓が動いたまま治療する心拍動下冠状動脈バイパス術などを行っています。
また、当センターが使用する手術室の隣には血管造影装置を設置しており、救急搬送された患者さんに対しても迅速な治療が可能です。
1964年頃まで当院は結核診療を行っていました。そうした経験が礎となり、呼吸器内科や呼吸器外科では呼吸器の病気である肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、肺炎、気胸など呼吸器に関する幅広い診療を行っています。
また、たばこは肺がんをはじめとして種々の臓器のがんやCOPDの原因となります。当院では、たばこをやめたいという患者さんのために禁煙外来を設けています。禁煙外来では、喫煙と禁煙に関する説明を行い、無理なく禁煙するお手伝いをしています。
脳卒中脳神経センターは、脳神経内科、脳神経外科、脳血管内外科、ガンマナイフ部門が統合してできたセンターです。当センターでは、脳卒中(脳梗塞、脳出血)や脳腫瘍の治療など、脳神経に関する病気の診療を行っています。
当センターは、血管の中から治療を行うカテーテル治療や、ガンマナイフを使用する治療など、患者さんの体にできる限り負担がかからない治療の提供を心がけています。
また、脳卒中の治療が終わって転院や退院するときに、診療計画や情報をスムーズに引き継ぐ脳卒中地域連携パスを導入し、患者さんが転院や退院の際にできる限りストレスがかからないように心がけています。
当院が属する古賀病院グループは、当院、古賀病院21および新古賀クリニックという3つの医療機関を中心に、リハビリテーションや高齢者向け住宅などの医療・福祉施設、訪問介護や訪問看護などのサービスが相互に連携し、患者さん中心の医療サービスを提供しています。
3つの医療機関はそれぞれの特色や機能を生かして、患者さんがいま一番必要としている医療を提供できるよう体制を整えています。古賀病院グループでは、電子カルテや検査の画像など、患者さんの医療情報を共有しています。そのため、当院にはない診療科の受診が必要になったときでも、グループ内の別の病院でスムーズに診療を受けられる体制が整っています。古賀病院グループの医療機関間の移動の利便性を図るためシャトルバスを30分毎に運行し、患者さんやご家族にご利用いただいています。
当院は、福岡県より“地域医療支援病院”の承認を受けています。地域医療支援病院とは、周辺地域の病院やクリニックなどの医療機関と連携して、地域医療の効率化を図るとともに、地域全体の医療の質を向上させる役割を担う病院のことです。
連携している医療機関の先生方から紹介していただいた患者さんを診療するときは、紹介元の先生方や患者さん、患者さんのご家族の期待に応えられるよう、当院の機能を最大限に生かして診療を行っています。また、より精度の高い検査や治療を実施するための医療機器を積極的に導入し、連携している医療機関の先生方のニーズにお応えできるよう努めています。今後も、連携している先生方とより強固な連携を結び、地域の方々によりよい医療を提供できるよう尽力してまいります。
当院では、地域の皆さまに向けた市民公開セミナーを3か月ごとに開催しています。心不全、冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)、脳卒中、種々の臓器のがん、糖尿病、認知症などのさまざまな病気の予防、診断、治療法について、医師や看護師などから分かりやすく解説しています。病気が身近なものであることを感じていただき、地域の方々の病気に対する予防意識や健康意識の向上につながることを期待しています。
また2018年には、久留米市内の地域活性化を目的としたイベント“久留米まち旅博覧会”に参加しました。イベントでは、当院内の手術室や血管造影室の中を見学していただいたり、救急患者さんの搬入時のシミュレーターを体験していただいたりしました。
これからも地域のイベントに積極的に参加し、当院の取り組みをお伝えしていきます。
医療はサービス(奉仕)で、病院の価値(よし悪し)を判断するのは、患者さんや患者さんのご家族、連携している地域の医療機関の先生方だと考えておりますので、当院はこの地域の皆さまから安心して選んでいただける病院を目指します。
そして、患者さんや連携先の先生方に当院を選んでよかったと思っていただけるように、引き続き診療体制の整備、さまざまな医療機器の導入、地域になくてはならない救急体制の維持に尽力します。今後とも、当院を何卒よろしくお願い申し上げます。
社会医療法人天神会 新古賀病院 院長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。