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がん患者の下痢の原因と対処法とは?~食事・水分補給・皮膚のケアが重要~

がん患者の下痢の原因と対処法とは?~食事・水分補給・皮膚のケアが重要~
磯崎 哲男 先生

医療社団法人小磯診療所 理事長

磯崎 哲男 先生

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がんにかかると治療やがんによる影響で便が水っぽくなり、排便の回数が増えるなど下痢の症状が現れることがあります。下痢の症状が続くと脱水や栄養障害のほか、肛門(こうもん)の周りの皮膚が荒れて炎症を起こすこともあるため、医師に相談し治療を受けることが大切です。このページでは、がんにかかっている人が下痢を生じる原因や個人でできる対処方法、医師に相談するタイミングなどについて解説します。

がんにかかっている人が下痢を生じてしまう原因は、大きく分けて治療とそれ以外のものがあります。以下では、それぞれの原因についてお伝えします。

治療の種類によっては、副作用として下痢が生じてしまうことがあります。

たとえば、免疫チェックポイント阻害薬の一種である“ニボルマブ”や“ペムブロリズマブ”、抗がん剤の一種である“イリノテカン”や“フルオロウラシル”などは、副作用として下痢が生じることが分かっています。また、抗がん剤を服用している間は、骨髄の機能が低下し体の抵抗力が低下するため感染症にかかりやすく、悪化しやすい状態です。そのため、感染した場合は、感染症の症状として下痢が現れることもあります。薬物療法によって下痢が生じた場合は、下痢の症状を和らげる薬の処方や下痢の原因と考えられる治療薬の減量などを検討します。

また、子宮がん前立腺がんなどに対する放射線療法は、腸管にも放射線が照射されてしまうため、治療から2~3週間後に副作用として下痢が生じることがあります。放射線療法による下痢の場合も、下痢の症状を和らげる薬の処方を行います。

大腸がん手術療法は腸のはたらきを低下させ、食べ物の消化・吸収がしにくくなるため、下痢を起こしやすくなることがあります。手術後は下痢の症状を和らげる薬を使いながら食事などを工夫します。

がんにかかると精神的なショックやストレスを感じる人も多く、これらのダメージから自律神経が乱れてお腹の調子を崩し、下痢をしやすくなる人もいます。また、食事が取りにくくなったり食欲が低下したりすることもあるため、食事内容が原因で下痢が生じることがあります。

なお、大腸がんや膵臓(すいぞう)がんでは、進行するとがんそのものの症状として排便トラブルが生じることがあります。便秘になることが一般的ですが、まれに下痢の症状が現れることもあります。がんで下痢を生じる原因はさまざまなので、下痢の症状を和らげる薬の処方をしながら原因究明を行い、原因に対するケアや治療を行います。

下痢の症状があるときの自宅でできる対策については、以下のようなものが挙げられます。

下痢の症状がある間は、お粥・スープ・ゼリーなど消化のよい食べ物や、食物繊維の少ない食べ物を食べるようにしましょう。

食事はよく噛み、少量を何度かに分けて食べることで消化がよくなります。一方、高カロリーな食べ物や食物繊維の含まれた食べ物、アルコールやカフェインの入ったものなどは胃や腸にダメージを与えるため、控えましょう。

また、日本緩和医療学会によれば、放射線療法の副作用による下痢にはビフィズス菌や乳酸菌(プロバイオティクス)の含まれた食べ物を取ることが効果的とされています。そのほか、食物繊維の少ない食品を取ることも望ましいと考えられます。

下痢の症状がある間は、意識的に水分を取ることを心がけましょう。

下痢が続くと、便と共に体の中の水分が失われてしまうため、脱水になってしまうことがあります。水やお茶だけでなく経口補水液やスポーツドリンクなどを飲むようにすると、ナトリウムやカリウムなども摂取できます。

下痢が続くときは肛門周りの皮膚が荒れやすいため、意識的にケアしましょう。

排便の後は、温水便座などを使用してお湯で汚れを洗い流すと清潔に保つことができます。トイレットペーパーを使用する際はこすりすぎると皮膚が痛くなることがあるため、優しく拭き取ることを意識します。すでに痛みが生じている場合は、オイルの含まれた洗浄剤をトイレットペーパーに少量付けてから拭くと、痛みが緩和されます。また、場合によっては病院で軟膏などを処方してもらうことも可能です。

下痢の症状があるときは、腹痛が伴うケースもあります。腹痛を感じたら、お腹を温めることを心がけると痛みの緩和が期待できます。また、下痢が続くと体力を消耗しやすくなるため、無理をせず休養を取るようにしましょう。

がんの治療中などに下痢が生じたときは、放置せずに医師へ相談することが大切です。下痢の頻度、便の状態、量、血が混じっているかどうかなどの症状から医師が原因の究明や治療の方針決定を行います。そのため、下痢が続くときは便の頻度や状態、食事・水分が取れているかなどを把握し、医師に伝えるようにしましょう。

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