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編集部記事

がんを早期発見するためにできることは?〜検診と健診の違いやその種類〜

がんを早期発見するためにできることは?〜検診と健診の違いやその種類〜
井上 和彦 先生

一般財団法人 淳風会 理事、淳風会健康管理センター センター長

井上 和彦 先生

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がんは早期のうちは自覚症状がないことが一般的です。また、初期症状があってもほかの病気と勘違いしたりして知らぬ間に進行していることがあります。しかし、進行すればするほど治療が複雑になり生存率も減少していくため、がん治療においては早期発見が非常に重要となります。では、がんの早期発見のためには何ができるのでしょうか。

がん治療においては早期発見が非常に重要となります。

がんの進行具合(ステージ)はI期~IV期で表し、数字が大きくなるほどがんが進行しています。国立がん研究センターが集計した3年生存率(がんと診断された患者が3年後に生存している確率)では、全てのがんでI期の生存率に比べてIV期の生存率がほぼ半分になっており、がんが進行するにつれて生存率が減少していることが分かっています。

また、がんが進行するにつれ体への負担は大きくなり、治療内容も複雑になることに比例して医療費も高額になることがあります。これらのことからも、がんはできる限り早期発見・早期治療が行えるとよいと考えられます。

通常、がんには自覚症状がないためがんを早期発見するにはがん検診を受けることが必要です。

なお、健診は自身の健康状態を把握するために行われ、がんなどの特定の病気を検査するためのものではないため検診とは異なります。ただし、健診の種類や受ける内容によっては、がんの危険因子を早期に発見でき予防や対策を講じることができるので、がんの早期発見につながると考えられるでしょう。

検診とは、がんなどの特定の病気を早期発見するための検査のことを指します。

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行って死亡率を減少させることです。がん検診には大きく分けて、国で推奨されている“対策型検診”と個人で受ける“任意型検診”の2種類があります。

国で推奨されているがん検診(対策型検診)は、胃がん子宮頸がん肺がん乳がん大腸がんの5種類で、対象集団全体の死亡リスクを下げることを目的に行われます。

これらのがん検診は公的な予防対策であるため、検診にかかる費用は無料か自己負担額が少額で済むようになっています。検診例には、各市区町村で行われている“住民検診”や職場で行われる“職域検診”などが挙げられます。

それぞれの対象者と回数、検診の内容は以下のとおりです。

  • 胃がん検診:50歳以上で2年に1回。問診とX線検査や内視鏡検査の実施。
  • 子宮(けい)がん検診:20歳以上で2年に1回。問診、視診、子宮頸部の細胞診と内診の実施。
  • 肺がん検診:40歳以上で年に1回。問診や胸部X線検査を実施(喫煙者の場合は検査内容が異なる場合あり)。
  • 乳がん検診:40歳以上で2年に1回。問診とマンモグラフィの実施。
  • 大腸がん検診:40歳以上で年に1回。問診と便潜血検査の実施。

個人で受けるがん検診(任意型検診)は、住まいや職業・年齢に関係なく受けることができます。これはがんによる個人の死亡リスクを下げる目的で行われます。このような検診はあくまで任意で受ける検診であるため、かかる費用は全て自己負担となります。

検診例としては、医療機関で提供される“人間ドック”などが挙げられます。

健診は健康診断もしくは健康検査の略語で、現在の体の健康状態や病気の危険因子の有無を把握するための検査です。健診には法律で義務付けられた“法定健診”と任意で受ける“任意健診”の2種類があります。

職場で行われる健康診断

職場で行われる健康診断(法定健診)は、労働安全衛生法により事業者は労働者に対して健康診断を実施しなければいけないと定められています。これは労働者の健康状態を把握し、脳や心臓疾患の発症を防いで生活習慣病などを予防する目的があります。検査内容は胸部X線検査や尿検査、肝機能検査など計11項目です。ただし、定期健康診断の場合は一部の項目を省略することができるほか、自身でオプションとして検査を追加することも可能な場合があります。

人間ドック

人間ドックは個人が任意で受けることができる健康診断で、通常の健康診断よりも検査項目が多いことが特徴です。一般の健康診断が約10項目であるのに対し、人間ドックは40~100項目とより細やかな検査を行うことができ、自身で検査の内容を選択することができます。また、個人で受けるがん検診として豊富な内容が準備されています。医療費が自己負担となり、項目を増やすごとに金額が大きくなることがデメリットですが、健康保険などの補助を利用すると減額できることがあります。

対策型検診の目的は、早期発見によりがんの死亡率を下げることです。そのため、対策型検診は、発症者数が多いがん、またそれによる死亡者数が多いがんに対して行われます。“胃がん子宮頸がん肺がん乳がん大腸がん”は、定期的な検診によって、死亡率を低下させることができると科学的に証明されていることから、対策型検診に採用されています。

実際、2018年に日本におけるがんの死亡者数のうち、以下のがんの死亡が多かったことがデータに示されています*

<男性>

1位:肺がん、2位:胃がん、3位:大腸がん

<女性>

1位:大腸がん、2位:肺がん、3位:膵臓(すいぞう)がん

また、がんにかかる年齢は、男女ともに50~80歳代に多い傾向にあります。決して他人事とは考えずに、対策型検診の対象年齢に達したら、積極的に検診を受けるようにしましょう。

*2018年人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編)より

これまで解説したとおり、がんは進行するにつれて生存率が低下するとされています。国で推奨されている検診は子宮頸がんを除き40歳以上からですが、年齢にかかわらず気になる点がある場合は定期的な検診を検討し、がんの早期発見を心がけるとよいでしょう。また、がんの発症リスクは種類によって異なるため、近年はリスクの程度を見る検査も行われています。特定のがんのリスクが分かれば、より効率よくがんの早期発見・治療につながると考えられています。気になる方は近くの医療機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

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