新型コロナウイルスに対するワクチンの調達に関し、ワクチン担当の河野太郎・行政改革担当大臣は2021年3月15日にオンラインで開催された「コロナワクチン接種に関する意見交換会」(主催:医療系議員団新型コロナ対策本部幹事長・衆議院議員 今枝宗一郎)で、参加者の議員・首長らに対して6月末までに3600万人の高齢者向け全量を各都道府県に配送できるとの見通しを示した。
2月から先行接種が始まっている医療従事者(約400万人)については、2回目接種分が5月中旬までに全量、配布完了の見込み。
これと並行して、高齢者向けワクチンは4月第1週に各都道府県に1箱(約1000回分)を配布し、12日から市区町村で接種を始めるよう依頼。これを含めて4月中に約284万回分を都道府県向けに配送する。
菅義偉首相は3月18日の記者会見で「6月末までに少なくとも1億回分が確保できる見通しです」と話した。
現在の見通しでは5月第2週以降は週ごとの量が大きく増えて、毎週9000箱(900万回分)の配送を見込んでいる。6月最終週には総計7万8841箱(7884万1000回=2回接種で約3942万人分相当)を配送する。当初は1バイアル(瓶)から5回接種できる注射器を使用するが、期間中に6回接種が可能な注射器もあわせて配布する予定。
地域の実情に合わせて柔軟に対応できるよう、接種の順番設定などの方法は自治体の裁量に委ねる。
現在接種に使われているファイザー社のワクチンは、EUの「透明性・委任メカニズム(輸出の透明性を高めるため、製薬会社がEU域内からワクチンを域外へ輸出する際にEUに事前申告して許可を得なければならないとする)」に基づく事前申告と許可がなければ域外への輸出ができない。仮に同メカニズムによる輸出規制があった場合にはスケジュールに遅れが出る可能性がある。
都道府県へは1箱(195バイアル入り)単位で配送。自治体から国への配送依頼はV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)を通じて受け付ける。仮に要求量が供給可能量を上回る場合には高齢者人口に応じて傾斜配分する予定という。
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