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新型コロナワクチンで感染・重症化・死亡リスクは大幅改善―英国のデータで明らかに

公開日

2021年03月03日

更新日

2021年03月03日

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2021年03月03日

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この新型コロナウイルス感染症に関する記事の最終更新は2021年03月03日です。最新の情報については、厚生労働省などのホームページをご参照ください。

世界中で感染拡大し、人々の生活に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症。新型コロナウイルスワクチンは急速に実用化が進み、2021年2月には日本でもワクチンの先行接種がスタートしました。イスラエルでの大規模接種が話題となっていますが、イギリスでも2020年12月に接種が始まり、データが徐々に蓄積されつつあります。イギリスの政府機関である「PHE(Public Health England:イングランド公衆衛生サービス)」が発表した数万人規模の研究データを元に、ワクチン接種によって感染・重症化(入院)・死亡リスクがどのように改善されたのかを解説します。

※記事内の「ワクチン」は特別に言及のない限り「Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine」を指します。

感染を予防する効果は?

PHEの研究では、65歳未満の医療従事者を対象にワクチンの投与を行い、症状の有無にかかわらず2週間ごとの新型コロナウイルス感染症の検査を実施しました(調査対象:医療従事者 約4万人)。

その結果、1回のワクチン投与により感染リスクが70%以上低下し、2回目の投与後には感染リスクが85%低下しました。感染していない状態ではウイルスが広まることはないため、ワクチンが感染の防止にも寄与することを意味します。

新型コロナワクチン 有効率

80歳以上を対象にした研究(調査対象:12,754人)では、症状が出ている新型コロナウイルス感染症に対して1回のワクチン投与で3〜4週間後に57%の有効性を示しました。また、2回目の投与により同じく症状が出ている新型コロナウイルス感染症に対してはさらに30%の有効性を示し、85%以上の改善が期待されます。

入院率と死亡率はどのように改善された?

入院率と死亡率は全ての年齢層で低下していました(調査対象:医療従事者 約4万人)。全体で見ると、新型コロナウイルス感染症による入院と死亡はワクチンの接種によって75%以上減少しました。このデータから分かるのは、ワクチン接種を受けた人々は入院したり死亡したりする可能性がとても低いということです。

新型コロナワクチン 有効率②

新型コロナワクチン 死亡率の低下

80歳以上でワクチン接種を受けた方の死亡リスクは、ワクチン接種を受けていない症例の半分ほど(56%)に低下しています(調査対象:12,754人)。また、80歳以上の方がワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症を発症して入院する可能性は、ワクチン接種を受けていない人よりも40%ほど低くなりました。

変異株ウイルスへの効果は?

今回の研究で分かったワクチンの効果は、2020年12月にイギリス南東部で確認された変異株B.1.1.7系統に対しても同様に見られます。PHEは、今後数カ月にわたり傾向を注意深く観察し、より確実な結論を出すとの意向を示しました。

引き続き感染対策を行うことも重要

PHE予防接種の責任者であるMary Ramsay博士は以下のように話します。

「このデータは、ワクチンが感染を防ぎ入院や死亡リスクを低下させる強力な証拠です。しかし効果は完全ではなく、これらのワクチンが新型コロナウイルスを他人に感染させるリスクをどれほど減らすのかは明確に分かっていません。そのため予防接種を受けたとしても、ウイルスに感染していることを想定して行動し、手洗いや自宅で過ごすことを継続することが非常に重要です」

※参考1:Public Health England (22 February 2021) "First real-world UK data shows Pfizer-BioNTech vaccine provides high levels of protection from the first dose"

※参考2:Public Health England (23 February 2021) "COVID-19: analysing first vaccine effectiveness in the UK"

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