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新型コロナワクチン「接種する」は56%―慶應大調査

公開日

2021年03月26日

更新日

2021年03月26日

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2021年03月26日

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この新型コロナウイルス感染症に関する記事の最終更新は2021年03月26日です。最新の情報については、厚生労働省などのホームページをご参照ください。

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、56.1%がワクチンを打つ意向があることが、慶應義塾大学医学部が実施したアンケートからわかった。今後、調査結果を詳細に分析するとともに、時間の経過やワクチン接種の広がりにつれて意識がどう変わるかなどについても追加調査などを行う予定。

全国3万人を対象にWeb調査

アンケートは慶應大学医学部医療政策・管理学教室の宮田裕章教授らが、調査会社「クロス・マーケティング」の協力を得て実施。2015年の国勢調査に基づく都道府県人口比率、男女比、年齢構成に合わせて割り当てサンプリングをし、回答者3万人を目標にインターネットで回答を得た。調査期間は2021年2月26日~3月4日。最終的な回答数は3万53人だった。

「接種する」男性が高く

「ワクチンを接種するか」の質問に対して、全体では56%が「接種する」と回答。「接種しない」は11%、「わからない」が33%だった。男女別では「接種する」と回答した男性が61%、女性は52%で、女性では差分の9ポイント分「わからない」が多かった(図1)。

図1 男女別

年齢高いほど接種意向も高く

年代別では、接種すると回答した割合が最も高かったのは70歳代の72%、次いで60歳代66%、50歳代54%までが半数を超え、年齢が高いほど接種の意向も高かった(図2)。

図2 年齢別

 

基礎疾患の有無では、基礎疾患のある人で接種すると答えた割合は全体より2ポイント低い54%。ワクチン接種が基礎疾患に影響することを懸念している可能性もある(図3)。

図3 基礎疾患

 

ワクチンへの期待感と接種意向の関係では、メリットが「とても大きい」とした人の接種希望が87%に対し、メリットが「とても小さい」と回答した人でも33%は「接種する」と回答している。一方、メリットが「どちらでもない」と答えた人は55%が接種するか「わからない」と回答した(図4)。

図4 期待値

 

「ワクチンを接種するかどうかわからない」と回答した人に理由を尋ねたところ(複数回答)「新型コロナウイルスワクチンに関する特定の懸念(副反応・安全性)」が79.1%で最も多く、以下「新型コロナウイルスワクチンに限らず、ワクチンの副反応・安全性に懸念がある」46.3%▽「個人の健康状態との適合性の情報が必要」44.0%▽「新型コロナウイルスワクチンに関する特定の懸念(有効性)」31.5%▽「政府・厚生労働省に対する信頼の欠如」23.7%――などが続いた(図5)。

図5 理由

 

調査結果を基に、新型コロナウイルス感染症についての適切な情報理解を促すとともに、感染拡大予防や風評被害など2次被害の抑制につながる対策を検討。また、詳細な分析は今後学術会議や学術誌で発表を予定している。
 

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