腎臓病と聞くと、大人の病気と想定する方も多いかもしれませんが、腎臓病は大人だけではなく、子どもも発症します。子どもの腎臓病には先天的な要因が大きく関与していることが多く、末期まで進行すると0歳児から透析が必要となる可能性もあるといいます。子どもの腎臓病とはどのような病気なのでしょうか。今回は子どもの慢性腎臓病(CKD)について、東京都立小児総合医療センター総合診療科・腎臓内科部長の幡谷浩史先生にお話を伺いました。
腎臓は、体内の不要な老廃物を尿としてこしだす臓器です。他にも、水分・ミネラルバランス・pH(体の中の酸性・アルカリ性のバランス)の調整,血圧の調整をする働き、赤血球・骨に関わるホルモンを作る働きなど、体全体のバランスを整えています。(関連記事:『慢性腎臓病(CKD)とは—腎臓が悪くなると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる?』)
慢性腎臓病(CKD)とは、尿検査異常や腎臓機能低下が3か月以上持続するすべての腎臓の病気を指します。進行はゆっくりで、長期にわたることが多いですが、最終的には後述する末期腎不全になってしまう可能性もある重大な病気です。
また、子どもの慢性腎臓病(CKD)患者では、小さい頃は病気の程度が重症でなかった子どもが、大人になってから末期腎不全になってしまうケースも多く見られます。
腎不全とは、腎臓の働きが失われた状態です。症状は様々ですが、蛋白尿、むくみ、倦怠感・疲労感、食欲不振・吐き気、高血圧、頭痛、成長障害などの自覚症状が現れることがある一方、自覚症状があまりないまま緩やかに悪くなり、検査値異常で初めて発見されることもあります。
末期腎不全に至ると、腎臓の働きの代わりとなる透析治療や腎移植が必要になります。
慢性腎臓病(CKD)は2種類に分けることができます。透析が必要なレベルまで機能が低下している状態を末期腎不全、そこまでに至らない段階を保存期腎不全と呼びます。子どもの場合、100万人あたり4.3人弱の割合で、透析が必要なほど重症な末期腎不全を発症しているといわれています。
大人の慢性腎臓病(CKD)の原因の大半は生活習慣病(糖尿病や高血圧)といわれていますが、子どもの場合、原因は大きく異なります。年齢によって割合が違うものの、70%を超える子どもが先天性腎尿路奇形(せんてんせいじんにょうろきけい)という先天的な疾患によって末期腎不全になると考えられます。先天性腎尿路奇形とは、腎臓や尿の通り道の尿道、膀胱などが生まれつき典型的な形態と異なっている状態です。
その他の原因としては、巣状糸球体硬化症・慢性糸球体腎炎・ループス腎炎などが挙げられ、子どもの末期腎不全患者全体のうち約20%がいずれかの疾患に当てはまります。
※奇形:学術的に、先天的に形態の異常が生じている状態のこと
上記表のステージ5にあたる末期腎不全になってしまうと、老廃物が身体の中にたまってしまい、命が危ぶまれます。末期腎不全の治療には透析療法(血液透析と腹膜透析の2種類があります)および腎移植があり、子どもの末期腎不全に対して最もよく行われているのは腹膜透析という方法です。
(腹膜透析の詳細に関しては記事3『末期腎不全の子どもの透析方法 腹膜透析と血液透析』を参照)
東京都立小児総合医療センター 総合診療科/腎臓・リウマチ膠原病科 部長
周辺で慢性腎臓病の実績がある医師
一般社団法人 ミエルカクリニック 代表理事
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