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インタビュー

公開日 : 2016 年 05 月 10 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

CKD(慢性腎臓病)とは―慢性に経過するさまざまな腎臓病の総称。メタボリックシンドロームをはじめ生活習慣病が大きく影響する

CKD(慢性腎臓病) は、腎臓の働きが少しずつ低下していくさまざまな腎臓病の総称であり、一つの病気の名前ではありません。CKDになると、腎不全から人工透析に至る確率が高くなるばかりでなく、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を合併する確率が高いといわれており、注意が必要です。この記事では、CKDについて筑波大学医学医療系臨床医学域腎臓内科学教授の山縣邦弘先生/筑波大学医学医療系腎臓内科学講師の金子修三先生にお話を伺いました。

CKD(慢性腎臓病)とは?-CKDの診断は自分で行うことができる

CKDとは、尿検査の異常、特にたんぱく尿(たんぱく質が尿のなかに漏れ出ている状態)、腎臓の形の異常、腎臓の働き(指標である糸球体濾過量(GFR)が60%未満の状態)のいずれかが3カ月以上持続している状態を指します。

糸球体濾過量(GFR)とは?

腎臓の中には、「糸球体」という部位が存在します。ここでは、血液に溜まった主にたんぱく質の老廃物(尿毒素)を濾過する働きがあります。GFRは、この糸球体が1分間にどれぐらいの量の血液を濾過して尿のもと(原尿)をつくるかを表しています。このGFRという値は、腎臓の機能を示す指標として用いられており、正常値は100mL/分/1.73㎡です。

このCKDの診断は、実は医師や医療関係者のように専門の知識がなくても可能です。

例えば検診などで、「3カ月以上の間で蛋白尿を二回指摘された」という場合、CKDに該当することをご自身で判断することもできます。

また、血清クレアチニン検査という検査を受ければ、その数値と年齢、性別を用いた計算式を使って糸球体濾過量(GFR)の数値を割り出すことも可能です。

このようにCKDは、「誰にでも診断が可能である」のが大きなポイントの一つといえます。

CKD(慢性腎臓病)の患者数-CKDは誰にでも起こる可能性がある身近な病気

現在、総計しておよそ日本人の1330万人は、CKDに当てはまると考えられています。これは成人の約8人に1人にあたる数字です。

ただし、この数字は一回の検診の中で、血清クレアチニン検査と蛋白尿の陽性判定者が何人いるかを示した数字であるため、あくまで推定であり確定した数字ではありません。

なぜ現在、確定した数字が出せないかというと、以前は健診の項目に入っていた血清クレアチニン検査が、現在は特定健診の項目から外れてしまっているということが挙げられます。

現在の特定健診は、いわゆる「メタボ検診」といわれ、生活習慣病に着目した項目が設けられています。しかし、これはあくまで生活習慣病の検診であり腎臓病の検診ではないということから、血清クレアチニン検査は外れてしまったのです。

これにより、定期的な検診でCKDを発見するには、尿検査のみに頼ることになりました。しかし、尿検査だけでは多くのCKD患者を見逃してしまう可能性が高まってしまいます。つまり、CKDの早期発見の機会が減ってしまうといえます。

また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の結果として起こるCKDは増加しており、その重症度をみるためにも、血清クレアチニン検査は重要です。しかし、現在は自主的にクレアチニン検査を行うほか重症度の見極め方はありません。

血清クレアチニン検査の必要性を理解して自主的に検査を行っている自治体も6割程度ありますが、将来腎不全になるリスクがある方をしっかり調べることはとても重要であるため、検診内容が見直される際には血清クレアチニン検査の復活が望まれます。

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