インタビュー

子どもの髄膜炎の予防─感染症の予防接種(ワクチン接種)が重要

子どもの髄膜炎の予防─感染症の予防接種(ワクチン接種)が重要
福岡 かほる 先生

沖縄県立中部病院 小児科

福岡 かほる 先生

堀越 裕歩 先生

WHO Western Pacific Region Office, Field Epidem...

堀越 裕歩 先生

この記事の最終更新は2017年12月04日です。

髄膜炎の予防には、髄膜炎発症のもととなる感染症の予防が重要です。生後2か月以降からさまざまな予防ワクチンの接種が始まります。予防ワクチンは感染症の予防のほかにも、合併症としてみられる髄膜炎の予防にもつながります。前回に引き続き、東京都立小児医療センターの福岡かほる先生に子どもの髄膜炎の予防、感染症の予防接種について解説していただきます。

髄膜炎は感染症の合併症として発症することがほとんどです。髄膜炎を予防するには感染症の予防をすることが重要です。

髄膜炎の原因についての詳細は記事1『子どもの髄膜炎の原因─予防は可能?』にて解説しています。

予防接種は定期接種に定められており、予防接種を受けるスケジュールが決まっているものがあります。以下では定期接種で受けられるものをご紹介します。

このように、定期接種として定められている感染症は、重症化した際に命に関わる感染症や感染力のとても強いものが対象となっています。定期接種の予防ワクチン接種は疾患によって回数が異なります。また、そのほとんどは感染症にかかるリスクを減らすことができるとされています。

おたふくかぜやインフルエンザ、ロタウイルス感染症髄膜炎菌は任意接種で予防接種ができます。定期接種と違い、自費での接種となります。しかし、おたふくかぜにかかった場合、合併症としてウイルス性髄膜炎難聴になることがあります。おたふくかぜのワクチンを2回接種することで、髄膜炎になる割合を80%(※3)近くまで減らすことができたとの報告もあります。任意接種もあわせて受けましょう。

※3 Plotkin's Vaccines 第7版

定期接種の対象年齢は国によって定められています。生後何か月でどの定期接種があるのか、スケジュールはお子さんの母子手帳に記載がある場合があります。母子手帳やお住いの自治体に確認をして、定期接種を受けるようにしてください。

インフルエンザやおたふくかぜなどの任意接種の予防ワクチンは近くの医療機関へ確認をしてから受けるようにしてください。

また自治体によっては公費助成を行っていることもあるので、お住いの自治体に確認をしてください。

 

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