日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(大森孝一理事長)は2024年6月25日、タレントの近藤真彦さんを起用して聴力検査の重要性を訴えるACジャパンの支援広告キャンペーンを7月1日から開始すると発表した。
難聴は、単にコミュニケーションが困難になるなど生活に支障が出るだけでなく、認知症やうつ病などさまざまな病気の発症リスクにもなることが、最近の研究で示されている。健康寿命を延ばすためにも、聞こえの問題が生じたときには放置せず対策を講じることが重要だ。ところが、日本では聞こえの問題を医師に相談する人の割合が諸外国に比べて低いという。国際的に統一した質問による調査では、難聴を自覚した場合に医師に相談する率は、諸外国では50~80%台だったのに対し、日本では38%にとどまっている。
聞こえにくくなるのは加齢だけでなく、耳あかや中耳炎など改善が可能な原因の場合もある。加齢による難聴でも、補聴器の利用など聴覚への介入によって認知症リスクが低減できたとする研究結果も公表されている。
キャンペーンでは、「年のせい」とあきらめずに、聞こえの問題が生じたときには耳鼻咽喉科を受診することで改善の可能性があることを周知するため、「まずは聴力検査」を呼びかける。「難聴」という言葉からは全く聞こえない状況を想像してしまう人が少なくないため、「聞き返し」「聞き間違い」「聞こえにくさ」といった身近な状況を表す言葉を用いてより多くの人が問題に気付けるよう工夫もしている。
「たのきんトリオ」の1人として昭和の歌謡界で一世をふうびした近藤さんも今年で60歳。同キャンペーン対象の中心世代であることから賛同しCM、ポスターに出演している。
「マッチ60歳、聴力検査 デビューします!」と大書されたポスターには、近藤さんの往年のヒット曲を連想させる単語が「さりげなく」織り込まれ、同世代の目を引くものになっている。
近藤さん出演のCMは1年間にわたり全国のテレビ・ラジオで放送されるほか、新聞・雑誌などのメディアにキャンペーン広告が掲載される。
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