あなたには、こんな心当たりはありませんか?
もし当てはまるとしたら、聴力とともに、あなたのQOL(生活の質)も大きく低下していると言わざるを得ません。
多くの人で加齢による聴力の低下が起こり、これを予防する方法はまだ確立されていませんが、早期のうちに補聴器をつけることで、「聞こえ」を取り戻すことは可能です。補聴器をつけることに、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、思い切ってその1歩を踏み出した人からは、QOLの向上を喜ぶ声がたくさん聞かれています。
6月6日は日本補聴器販売店協会と日本補聴器工業会が定める「補聴器の日」。もしも今、自分や家族の聴力に不安を感じているなら、ぜひ耳鼻咽喉科医の検査を受けましょう。そして必要に応じて、補聴器の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
かければすぐに見えるようになるメガネと違い、補聴器はつければすぐに聞こえるようになるわけではありません。「難聴」の脳は音の刺激が少ないことに慣れてしまっているため、補聴器で聞き取りに必要な音量の音が伝わると、「うるさい!」「余計な音だ!」と感じてしまうのです。そこで、最初は7割程度の音量から始め、徐々に聞き取りに必要な音量でも聞き続けられる脳に変化させるためのトレーニングが必要なのです
ここで、非常に大切なのが、「適切に調整された補聴器」でトレーニングを行うこと。たとえ、聴力検査の結果が同じでも、補聴器をつけた状態での「聞こえ」は一人ひとり違います。ですから、補聴器をつけた状態での聞こえ方に応じて、さらなる調整を加える必要があるのです。調整が不十分である場合は、思うような効果が出ないこともありえますから、補聴器のトレーニングを始める際には、必ず信頼できる補聴器相談医に相談しましょう。
トレーニング中は、1~2週間に1度くらいの頻度でのチェックを受け、補聴器によってどれくらい「聞こえ」が改善されているかを確認しましょう。それをもとに、補聴器に調整が加えられたり、生活上のアドバイスを受けることもあります。また、補聴器によって音の聞き取りが目標レベルに達した際には、ことばの聞き取りの検査も受けてください。そうすることで、「聞こえの力」が最大限に引き出されているかどうかを確認できます。
補聴器のトレーニングは3カ月程度が一般的ですが、トレーニングの効果を維持するためには、定期的に聞こえの状態を確認することが大切です。自分では調子がいいと思っていても、定期検査は必ず受けるようにしましょう。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「Hearwell, Enjoy life―快聴で人生を楽しく」より引用
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