「頭頸部がん」をご存知でしょうか。頭頸部がんには、舌がん・口腔がん・咽頭がん・喉頭がんなどが含まれます。咀嚼する、飲み込む、人と会話するなど私たちの生活に欠かせない機能に関わる部位にがんができると日常生活に支障をきたし、患者さんのQOL(生活の質)が大きく低下する可能性があります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は毎年7月を「頭頸部外科月間」として啓発活動を展開。2021年はテレビ番組「笑点」でおなじみの落語家、林家木久扇さんが自らの頭頸部がん体験をオンライン市民公開講座で語ります。
毎年7月27日は「世界頭頸部がんの日」です。これにちなんで日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は毎年7月を「頭頸部外科月間」とし、頭頸部がんの知識を広めるための特設サイトを設置。さまざまな啓発活動を行っています。その取り組みの1つが、オンライン市民公開講座です。
その中でも一番の注目が、木久扇さんが体験を語る動画の公開。木久扇さんは2014年に頭頸部がんの1つである「喉頭がん」を発症し、放射線治療を受けました。噺家の“命”ともいえる声をつかさどる喉のがんで、治療中は声を出すことができなかったといいます。
オンライン市民公開講座では、初期の頃に自覚した症状、病院の受診と治療選択、治療中につらかったこと、治療を乗り越えた現在のお気持ちなどを語っています。動画はYouTubeの学会公式チャンネルで配信中です。
頭頸部とは、首から上の構造の総称です。そこには顔、口や鼻の中、眼、喉、気管、食道上部など、多くの部位が含まれます。ただし、頭頸部の中で脳は脳神経外科、眼球は眼科、歯は歯科の領域ですので、頭頸部外科が担当するのは、脳と眼球を除く全ての部位。たとえば頭頸部の良性・悪性腫瘍、外傷、奇形などに対する手術です。
しかし、現状では頭頸部外科について知っている方が少なく、頭頸部に何らかの症状が現れたとき「どの診療科に行けばよいのか」と悩まれる方も多いのです。
「頭頸部外科月間」特設サイトでは▽もっと知ってほしい頭頸部がんのこと▽何科を受診すればいいか迷ったら…▽こんな検査を行います▽それぞれのがんの標準治療▽数字でわかる「頭頸部がん」▽TOPICS(セルフチェックリスト掲載)――などの情報を詳しく解説しています。
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