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「舌がんの治療は耳鼻咽喉科」知らない人が3分の1―耳鼻咽喉科アンケート

公開日

2021年07月09日

更新日

2021年07月09日

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2021年07月09日

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比較的知名度の高いがん「舌がん」を頭頸部外科で治療可能と理解している人は約6割、顔面神経麻痺(まひ)の治療が可能と知っている人は約2割――。耳鼻咽喉科・頭頸部外科で治療が受けられるさまざまな病気に関し、一部に関しては正しい受診科が知られていないことが、日本耳鼻咽喉科頭頸部学会とメディカルノートが実施したアンケートで分かった。同学会はアンケートの結果を基に、7月の頭頸部外科月間を通じて喉や首、顔面などの病気の予防と治療に関し一般の理解と関心が高まるよう活動する。

調査は「日本耳鼻咽喉科学会」が2021年6月に「日本耳鼻咽喉科頭頸部学会」へと改称し、毎年7月を「頭頸部外科月間」と定めたのを機に、一般に周知すべきことを把握するために6月23日、実施。インターネット経由で18歳以上の非医療従事者200人の回答を得た。

頭頸部に発症する各種のがんについて、頭頸部外科で治療ができると思うかを尋ねたところ、咽頭(いんとう)がんと喉頭がんについてはほぼ全員が「できる」と答えた一方、▽上顎がんは55%▽舌がん63.5%▽食道がん32%▽唾液腺がん50%▽甲状腺がん32.5%にとどまった。実際には全て頭頸部外科で治療できるが、一部のがんに関しては知られていない実態が明らかになった。

また、舌が腫れたときに耳鼻科で診察が受けられると知っている人は舌がんについての理解も高く、同様に首が腫れたときに診察できると回答した人は、そうでない人に比べて甲状腺がんの治療ができることを知っている割合が高かった。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科が専門とする各種の病気についても同様に尋ねたところ、花粉症、慢性副鼻腔(びくう)炎(蓄膿<ちくのう>症)、中耳炎、扁桃(へんとう)炎、嗅覚障害、味覚障害についての理解度が高かった一方、メニエール病(61%)▽顔面神経麻痺(23.5%)▽睡眠時無呼吸症候群(51%)などは比較的低かった。

頭頸部が体のどの部位かについて4択で選んでもらったところ、正解したのは31%にとどまった。

頭頸部は味覚と嗅覚といった生活の質(QOL)維持に大切な感覚器、脳につながる血管や神経、リンパ節などが狭いエリアに集中し、機能を維持しながらがんなどの病気を治療するには高い専門性が要求される。

同学会はアンケートの結果を踏まえて、専門とする体の部位や知られていない専門の疾患について正しい理解を広めることが必要とし、今後の広報活動に生かしていく。
 

調査の詳細 頭頸部外科情報サイト(運営:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)
 

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